花を愛でる

四季折々の花を愛でます、時折、亀吉の様子も

秋の ”ルビー” (2)

2019-10-28 | 植物 花

秋、色着くシリーズ № 3 


「ハヤトウリ」(隼人瓜)が、黄緑色から、熟して鼈甲色になります。

中央アメリカが、原産地で、最初に日本に入ってきた所が、鹿児島県とのことで

薩摩隼人に因んで「隼人瓜」の名前が、付いたとか

ウリ科、ハヤトウリ属、蔓性多年草、学名 Sechium edule 、英名 Chayote 、Vegetable pear

別名「センナリウリ」(千成瓜)、「チャヨテ」

今日の ”秋のルビー” は、「ミズレンブ」、「オオミサンザシ」の赤い実です。


<「オオミサンザシ」(大実山査子)>

「サンザシ」(山査子)より大きな実(径約5cm)を着けるので此の名前が付いています。

「サンザシ」Crataegus cuneata と違い、枝に棘が無いのも特徴の一つです。

実が熟すと、真っ赤な色に変化します。

5月頃に白い小さな花を多数咲かせます。

実を乾燥して、生薬(胃腸約)の原料にしたり、果実酒やドライフルーツとしても利用される由

バラ科、サンザシ属、落葉低木、中国、朝鮮半島原産、学名 Crataegus pinnatifida 、英名 Chinese haw

次は、「ミズレンブ」の赤く熟した実です。

<「ミズレンブ」(水蓮霧)>

植物園の温室等では、周年、「ミズレンブ」の実を視ることが出来ますが

此の時期、赤く熟した実を露地でも視ることができます。

「ミズレンブ」は、「レンブ」(Syzygium samarangense)の仲間で、水分が多い「レンブ」なので

此の「ミスレンブ」の名前が、付いたとのことです。

蝋を塗ったような艶が、「レンブ」の英名 Wax Apple に頷けます。

<トロピカル フルーツ>として、生食ができるそうです、経験は無いのですが、林檎の風味とか

葉も綺麗なので、観葉植物としても愛でられています。

初夏の頃に、漏斗状の白や淡い桃色の4弁花を咲かせます、多数の雄蘂が、放射状に長く伸びます。

フトモモ科、フトモモ属、非耐寒性小高木、学名 Syzygium aqueum

英名 Water Apple、Rose Water Apple、別名「ジャワフトモモ」、「ミズフトモモ」、「ミズジャンボサ」

<各画像は、クリックで拡大表示します>

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「スズメウリ」を育てる № 14

実も熟して、葉が紅葉しています。

 


秋のルビー(1)

2019-10-25 | 植物 花

<秋、色着く>シリーズ № 2

「アケビ」の皮が薄紫色になって熟しています、表皮が裂けて、透き通った乳白色のゼリー状の実が覗きます。

此の実も子供の頃の山歩きのお八つでした、少し甘い素朴な味がします。

が ・ ・ ・ 種子が多くて食べ辛く、スイカを食べる要領で、ペッペッと種を吐き出したものです。

アケビ科、アケビ属、落葉蔓性低木、日本、中国、朝鮮半島原産、学名 Akebia、英名 Chocolate Vine

別字名「木通」、「通草」

 

 " 秋のルビー(1)” と題して「サンシュユ」と「アロニア」の赤い実を挙げてみます。

赤く照り輝き、ルビーの様です。

<「サンシュユ」(山茱萸)>

朱色に輝く楕円形の実は、美味しそうですが、食用(渋い味で不向き)より

乾燥した果肉を薬用、生薬として利用するようです。

唯、”ヨーグルトの木” の名前も付いていて、暖めた牛乳に、此の「サンシュユ」の木の枝を挿して

一夜置くとヨーグルトが出来る記事が載っていました。

ブルガリアでは、「ヨーグルトの木」として、実際にヨールルトをつくる由 

ミズキ科、ミズキ属、耐寒性落葉小高木、中国、朝鮮半島原産、学名 Cornus officinalis 

別名「ハルコガネバナ」(春黄金花)、「アキサンゴ」(秋珊瑚)、「ヤマグミ」(山茱萸)

 

尚、「サンシュユ」の名前は、「山茱萸」の音読みで「サンシュユ」になった由

「春黄金花」は、春に咲く花の姿を、「秋珊瑚」は、赤色が珊瑚を

「山茱萸」は、「茱萸」の実に似ているから付いた名前とか

九州宮崎の民謡<稗搗節>に詠われている<サンシュユ>は、「サンショウ」(山椒)のことで

此の「山茱萸」とは違うとのこと、此の地方では、「山椒」を<サンシュユ>と称するとのこと



花は、”春告げ花” の一つで、葉が出る前、2月~3月の頃に、散形花序に、多数の黄色い小花を咲かせます。

樹木全体が、黄金色に輝きます、別名「ハルコガネバナ」(春黄金花)の名前の由来です。

 次の ”宝石” は、「アロニア」の赤い実です。

次は、「アロニア」の赤い実、黒い実、暗紫色の実です、「アロニア」の種類によって、熟した時の色が違います。

「アロニア・アルブティフォリア」(Aronia arbutifolia)は、赤色、「アロニア・メラノカルバ」(Aronia melanocarpa)は、黒色

両者の交雑種は、「アロニア・プルニフォリア」(Aronia prunifolia)は、暗紫色です。

初夏の頃、「梨」の花に似た白い花を散房花序に咲かせます。

バラ科、アロニア属、北アメリカ原産、落葉低木、英名 Chokeberry、Aronia 等

特に、「アロニア・アルブティフォリア」は、日本の「カマツカ」(鎌柄)に似てるので「セイヨウカマツカ」(西洋鎌柄)

「オータムベリー」等の別名が付いています。

また、「アロニア・メラノカルバ」には、「ブラックチョークベリー」(Black chokeberry) の他に “黒い実のナナカマド” の愛称が

黒い実は、ジャムやジュースに加工しますが、赤い実は、専ら観賞用です。

ポリフェノールが、「ブルーベリー」より多く含んでいるとかで、サプリメントとして、最近、人気が有ります。



下図=黒い実の「アロニア・メラノカルバ」(Aronia melanocarpa

下図は、上の2者の交配種の「アロニア・プルニフォリア」(Aronia prunifolia)です。

赤と黒を掛け合わせると此の様な色合いに

<画像は ,クリックで拡大表示します>

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過去の記事の再掲載です、”「鶏頭」2題としたものです、 下図の >続きを読む から入って下さい。

 
「鶏頭」2種(2)
「ハゲイトウ」(葉鶏頭)と「クルメケイトウ」(久留米鶏頭)の2種を挙げました。<「ハゲイトウ」(葉鶏頭)>前回に載せた「ヒモケイトウ」と同じアマランサス属で、ケイトウ属......
 

秋、ピンク色

2019-10-22 | 植物 花

<秋、色着く>シリーズ № 1

「アキグミ」(秋茱萸)が、赤く熟れてきました。

北原白秋作詩の童謡<砂山>に詠まれている ”かえろ かえろよ ぐみはらわけて” の ”ぐみはら(茱萸原)” は

此の「アキグミ」を指すとか、砂山に生茂った茱萸の木の間を掻き分けて

家路に着く子供達の姿が目に浮かびます。

長楕円形の「ナワシログミ」(苗代茱萸)や「ナツグミ」(夏茱萸)に比べて

小さく球状で、表面を銀粉で塗した様に白い沢山の斑点が浮き出ています。

初夏に色づく他の「グミ」に対して、秋に色ずく故の命名とか

砂防の為に、海岸に多く植栽した由、童謡 ”砂山” の歌詞が頷けます。

他の茱萸同様、食べられます、子供の頃のお八つでした、甘くて少し渋い味がします、ホロ苦い味かな。

グミ科、グミ属、落葉低木、日本、東アジア原産、学名 Elaeagus umbellata、英名 Japanese Silverberry


 ”ピンク色の花” は、「ルクリア・ピンセアナ」の花です。

 秋から初冬に懸けてが、開花期です。

香りが有り、ピンク色が「桜」のイメージで、アッサム地方原産なので、流通名が「アッサムニオイザクラ」とか

花弁は、五弁で、20輪位が球状に着けます。

園芸種も多いようで、花色は、白、ピンク、濃いピンク色が有ります。

アカネ科、ルクリア属、半耐寒性常緑低木、ヒマラヤ、中国原産、学名 Luculia pinceana

次は、「コルチカム」の花です、秋の陽にピンク色が映えます。

<「コルチカム」Colchicum Hybrids

ユリ科の「サフラン」や「クロッカス」に似た花を咲かせます。

60種位の原種が在る中から、園芸種が多く作出されているようですが

基本種は、「イヌサフラン」の名前の「コルチカム・オータムナーレ」種 Colchicum autumnale

と「コルチカム・スペシオサム」種 C.speciosum とのこと、一重が主ですが、八重咲きの花も

亦、花色は、ピンク、藤色が主ですが、白色、黄色も有ります。

春に披針形の葉を出しますが、夏には枯渇して無くなり、秋に球根から蕾を出して花を咲かせます。

似た花で同じ秋に咲く「サフラン」、春に咲く「クロッカス」との違いは

「コルチカム」は、ユリ科、「サフラン」、「クロッカス」は、アヤメ科

「コルチカム」は、花と葉が同時に着かない、「クロッカス」は、糸状の長い赤い雌蘂が目立ちます。

イヌサフラン(ユリ)科、イヌサフラン(コルチカム)属、耐寒性球根

ヨーロッパ、北アフリカ、地中海沿に自生、学名 Colchicum Hybrids、英名 Autum crocus、Meadow saffron

別名「イヌサフラン」、「オータム・リリー」、「オータム・クロッカス」等々

 

八重や白色の品種も

<p>亀吉

<各画像は、クリックで拡大表示します>

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過去の記事の再掲載です、>続きを読む から入って下さい。

 
季節の花「ケイトウ」(鶏頭)2種
「マルバルコウソウ(留紅草)」が、畑の畦に一杯咲いています、秋たけなわです。「ルコウソウ」や「はごロモルコウソウ」に比べて粗野な感じがして、繁茂力が強いので侵入外来種と......
 

秋、色付く

2019-10-15 | 植物 花

「ウリ」(瓜)の名前が、”カラスウリ” と ”スズメウリ” なので、サイズの違いからかと思っていましたが

実は、「カラスウリ」(烏瓜)は、烏が好んで食べるから此の名前になったとのこと

同じ様に、「スズメウリ」(雀瓜)は、雀が好んで食べるからとなるのですが

雀は、此の果実を好んで食べることはないので

「スズメウリ」の名前の由来は何でしょうか、矢張りサイズの大小からかと、勝手に判断しておきます。 

 

「スズメウリ」(径約2cm)

「カラスウリ」(径約20cm)

 

「カンレンボク」の実が、黄色に色着いてきました。

<「カンレンボク」(旱蓮木)>

黄色や黄緑色の集合果が、バナナの房の様に撓わに垂れ下がります。

「ハンカチノキ」の仲間なので、葉の形や大きさが似ています、大きな葉です。

夏に、球形花序に小さな花が密生させます、最初は、雄蘂が目立ちますが、雄蘂が落ちた後に雌蘂が大きくなります。

「バナナ」の様な実を沢山着けるので、中国では、縁起の良い樹木として「喜樹」の名前が着いています。

「バナナ」程ではないのですが、ホンノリ甘い味がします。

オオギリ科、カンレンボク属、落葉低木、中国雲南省原産、別名「キジュ」(喜樹)

学名  Camptotheca acuminata、英名  Happy tree、Cancer tree(*)Tree of life

(*)Cancer tree の名前は、果実や根に抗癌作用の物質が含まれていて

抗癌剤の原料になるからとか、現在も研究が、続けられている由。



7~8月頃に球状花序に小さな花を多数咲かせます。

<各画像は、クリックで拡大表示します>


秋の宝石(1)

2019-10-12 | 植物 花

秋の ”宝石” は、<サファイア> に見立てた果実を載せてみました。

「ノブドウ」、「ビバーナム・ティヌス」、「アオツヅラフジ」の果実です。

<「ノブドウ」(野葡萄)>

 「ヤマブドウ」(山葡萄 、Vitis coignetiae ) と間違いやすいのですが、同 じブドウ科でも、「ノブドウ」は、ノブドウ属で

「ヤマブドウ」のブドウ属とは、別属の植物になります、葉は、「ヤマブドウ」の葉に似て、3~5裂します。

夏に、淡い緑色の小さな花を咲かせますが、目立たない花です。

果実の着き方も、「ヤマブドウ」が、房状に着きましが、「ノブドウ」は、葉と果実が交互に疎らに着きます。

秋に、球形の果実を着けますが、全てが、紺碧色ではなく、白や紫色の果実が混在します。

蜂の幼虫が、此の実に寄生するからとのこと、当然、食用には不向きで、食べても不味い味がします。

ブドウ科、ノブドウ属、蔓性落葉低木、日本、サハリン、千島、中国に自生

学名 Ampelopsis glandulosa var.heterophylla、別名「イヌブドウ」、「カラスブドウ」

次の “サファイヤ” は、「ビバーナム・ティヌス」の実です、メタリックな輝きです。

4月頃に、集散花序に、蕾が、ピンクの白い花を咲かせます。

日本の「ガマズミ」(莢蒾) Viburnum dilatatum の仲間ですが、「ガマズミ」が落葉低木に対して

「ビバーナム・ティヌス」は、常緑低木の違いが有ります。

スイカズラ科、ガマズミ属、地中海地方原産、学名 Viburnum tinus 、別名 「トキワガマズミ」

「ジョウリョクガマズミ」、「セイヨウガマズミ」等々

下図は、「ビバーナム・ティヌス」の花です。

最後の “サファイヤ” は、「アオツヅラフジ」の実です。

夏に、円錐花序に、淡い黄色の花を咲かせますが、目立ち難い小さな花です。

名前の由来は、若い蔓が、青(緑)色をしていて、葛篭(つづら)の材料にしたからとか、蔓の色が、徐々に

茶色になるので、葛篭の材料にしたのは、年を経た蔓だとは思うのですが ・ ・ ・

葉の形は、卵型、ハート型等々変異が有ります。

果実は、「ブドウ」の様に房状に付き、球状の核果が、緑色から、今頃に青色に変化します。

また、熟すと黒色になります、「ブドウ」の様ですが、有毒なので食べられません。

種子は、かたつむり、アンモナイトの様なユニークな形をしています。

ツヅラフジ科、アオツヅラフジュ属、蔓性落葉木本、雌雄異株、日本、沖縄、台湾、朝鮮半島原産

別名 「カミエビ」、学名 Cocculus orbiculatus、英名 Snailseed、Moonseed

 

 下図は、「アオツヅラフジ」の種子です、英名で Snailseed、Moonseed の名前が付いているのも頷けます。

亀吉

次の ”宝石" は、「クサギ」(臭木)の実です。 

8月頃に集散花序をだして、花弁が、萼から突き出た花を咲かせます、花の色は、白、紅色などが有ります。

山路などを歩くと、何処からとも無く、芳しい香りが漂ってきます、「クサギ」の花の香りです。

此の香りが、名前の由来かと思えば、実は、茎や葉を揉んだ時の異臭からとか、<香木>ではなく

<臭木>の名前の由来に納得する一種異様な臭いです。

実は、初め黄緑色ですが、熟すと紺碧に変わります、花が、終わった後には、萼が残り、赤やピンク色に染まります。

花や実は、仲間の「ボタンクサギ」(牡丹臭木)、「ゲンペイカズラ」(源平葛)に似ています。

果実は、オクナ科の「ミッキーマウスの木」の果実にも似ているかな

目立つ色形は、鳥の目に留まり易く、種子分散に役立つようです。

シソ(クマツヅラ科、クサギ属、落葉小高木、日本、中国、台湾、朝鮮半島原産

学名 Clerodendrum trichotomum、 英名 Harlequin grory bower



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「スズメウリ」を育てる №13

未だ、花が、咲いていたり、なりたての実や、若い実や、赤く熟した実が混在しています。

<各画像は、クリックで拡大表示します>