花を愛でる

四季折々の花を愛でます、時折、亀吉の様子も

晩秋の夕陽色(2)

2022-10-31 | 植物 花

"夕陽色(2)として、「レオノチス」と「シーマニア」の花です、此の花達も "夕陽色" です。

最初は、”ライオンの耳”  の名前が付いた、「レオノチス」が、盛りです、他に ”火焔”  の名前が付いています。

「カエンキセワタ」(火焔被綿)です、火焔の様な秋の夕陽色です。

<「レオノチス」>

鮮やかなオレンジ色の細長い花が、輪状に咲き、此の花序が、2~3段に輪生します。

花序径は、10cm位になり、草丈は、2m位になって壮観な感じがします。

花冠は、2唇形で上唇が1枚、下唇が3裂します。

披針形の葉には、芳香が有ります、丸味を帯びた4稜形の茎は、ビロードに覆われた様で滑らかです。

花色は、橙が主ですが、白色も有ります。

花後に、多数の萼が、球状に集まって残りますので、ドライフラワーとして利用されます。

亦、円筒形の萼が、花が、咲いた様に残るので、面白い形です。

萼の先端が、裂開して尖るので、”河童の頭の皿” にソックリです。

シソ科、レオノチス(カエンキセワタ)属、半耐寒性半常緑低木、南アフリカ原産、学名   Leonotis leonurus

英名   Lion's ear、Lion's tail、Wild dagga、別名「ライオンズイヤー」、「カエンキセワタ」(火焔披綿)

学名の Leonotis は、ギリシャ語の ”ライオンの耳” を意味するとのことです。

”ライオンの耳” より 英名の   Lion's tail ”ライオンの尻尾” の方が、的を射てるかな




<「シーマニア」>

花期が、春から来春へと長く、花が少ない冬でも愉しめる花です。

短日植物なので、冬でも咲きますが、耐寒性は、弱いので、冬でも室内で充分咲かせることができます。

葉脇から花柄を出して、外側が、赤やオレンジ色、内側が、黄色の筒状花を咲かせます。

花冠は、5裂して少し反り返ります、内側に多数の小さな斑点が視られます。

「シーマニア」Seemania の名前は、以前のシーマニア属に分類されていた事の名残とか

イワタバコ科、グロキシニア属、非耐寒性多年草、アルゼンチン、ペルー、ボリビア原産

学名   Gloxinia nematanthodes=Gloxinia sylvatica、英名 Bolivian sunset

別名「グロキシニア・シルヴァティカ」



晩秋の夕陽色

2022-10-30 | 植物 花

花 は、「マネッチア」と「キンギョノキ」の花です、夕陽を想わせる綺麗な色の花達です。

<「マネッティア」(「マネッチア」)>

花期が長く、初夏の頃から露地で咲き続けた「マネッチア」も今月で咲き終わります。

冬でも、室内で管理すると、濃いグリーンの葉とオレンジ色の花を愉しむことができます。

勿論、植物園の温室などでは、周年視ることができます。

赤い筒状花で、花冠が黄色で4裂、赤と黄色のツートンカラーが美しい花です。

炎が、燃え盛る様な鮮やかな赤と黄色が、印象的です、葉は、卵形で無毛、光沢が有ります。

亦、花冠が、反り返るので、可愛さを増幅させます。

肉厚の花の表面には、粗い毛が生えていて、別名「アラゲカエンソウ」(荒毛火焔草)の名前の由来です。

空が澄み切った初冬の夕陽の様に鮮やかです。

アカネ科、マネッチア(カエンソウ)属、非耐寒性蔓性多年草、パラグァイ、ウルグァイ、ブラジル原産

英名    Manettia luteorubra、英名    Firecracker vine、Brazilian firecracker、Cigerflower

Candy corn vine、別名「アラゲカエンソウ」(粗毛火焔草)

赤い金魚と擬えたのは、イワタバコ科の「キンギョノキ」(金魚の木)、別名「ヒボシルタ」の花です。

「キンギョノキ」

花筒の先が、小さく窄んで、胴体が、膨らんでいるので、金魚を彷彿とさせます。

初めの頃は、額が、花弁を囲んでいるので、花を視えません。

露地では、開花期が、晩秋頃迄ですが、花が少ない此の時季には、室内で咲かせて愉しみます。

鮮やかなオレンジ色の花と葉も肉厚で光沢が有ります、水草の間を泳ぐ金魚に見えます。

花冠が、開いた様子が、”オチョボグチ” 、花弁の膨らみが金魚の形です、命名の由来です。

下に載せる「シーマニア」の花に似ていますが、筒の脹らみが「シーマニア」より大きいので区別が、容易です。

イワタバコ科、ネマタンサス属、半耐寒性多年草、南アメリカ原産

学名    Nematanthus gregarium =Hypocyrta nummlaria

英名   Hypocyrta、Goldfish plant、Clog plant (*)

別名「ネマタンサス」、「キンギョノキ」(金魚の木)、(*)Clog は、木靴

尚、旧学名の  Hypocyrta は、ギリシャ語の  Hypo (下)cyrta は、(膨らみ)を

意味するとか、”下膨れ” の金魚の体型です。

如何でしょうか、金魚をイメージできますか、クリックすると亀吉が ・ ・ ・ 

亀吉の友達

 


秋、”豊穣シリーズ” (17)

2022-10-28 | 植物 花

今日のシリーズには、「サンシュユ」と「ミカイドプ」の果実です、艶やかな深紅に熟してます。

 

<「サンシュユ」(山茱萸)>

朱色に輝く楕円形の実は、美味しそうですが、食用(渋い味で不向き)より

乾燥した果肉を薬用、生薬として利用するようです。

唯、”ヨーグルトの木” の名前も付いていて、暖めた牛乳に、此の「サンシュユ」の木の枝を挿して

一夜置くとヨーグルトが出来る記事が載っていました。

ブルガリアでは、「ヨーグルトの木」として、実際にヨールルトをつくる由 

ミズキ科、ミズキ属、耐寒性落葉小高木、中国、朝鮮半島原産、学名   Cornus officinalis 

別名「ハルコガネバナ」(春黄金花)、「アキサンゴ」(秋珊瑚)、「ヤマグミ」(山茱萸)

尚、「サンシュユ」の名前は、「山茱萸」の音読みで「サンシュユ」になった由

「春黄金花」は、春に咲く花の姿を、「秋珊瑚」は、赤色が珊瑚を

「山茱萸」は、「茱萸」の実に似ているから付いた名前とか

九州宮崎の民謡<稗搗節>に詠われている<サンシュユ>は、「サンショウ」(山椒)のことで

此の「山茱萸」とは違うとのこと、此の地方では、「山椒」を<サンシュユ>と称するとのこと


他をの画像は、下に載せてみました。

花は、”春告げ花” の一つで、葉が出る前、2月~3月の頃に、散形花序に、多数の黄色い小花を咲かせます。

樹木全体が、黄金色に輝きます、別名「ハルコガネバナ」(春黄金花)の名前の由来です。




次も、赤く照り輝く「ミカイドウ」の実です、”小さな林檎” です。

<「ミカイドウ」(実海棠)>

「カイドウ」(海棠、花海棠)と似た花を咲かせますが、果実は、「カイドウ」より大きな実になります。

「ズミ」(酸実) 、「ミヤマカイドウ」(深山海棠)等の名前も付いています。

「ヒメリンゴ」(姫林檎)の近縁とのこと、「ヒメリンゴ」の実より小さいのですが、似ています。

「リンゴ」(林檎)の野生種になるとか

尚、「ズミ」の名前には、には、<酸実>、<染み>の字が、当て嵌められていますが

果実が、酸っぱい味がすること、樹皮から黄色い染料を採ったことからとか

盆栽仕立てで、愉しむ方が多いようです。

バラ科、リンゴ属、中国原産、学名   Malus toringo

英名   Toringo crabapple、Siebold's crabapple

別名「コリンゴ」(小林檎)、「ナガサキリンゴ」(長崎林檎)、「ヒメカイドウ」(姫海棠)等々


下図は、初夏の頃に咲く花です、ピンク色の蕾が、開花すると白色に変色します。


今日も過去の記事の再掲載です、今盛りのキク科の花を挙げていました。

今、キク科の花(6)

”今、キク科の花(6)として「ムラサキルーシャン」と「ダルマギク」を挙げてみました。<「ムラサキルーシャン」>鮮やかな青紫色が、緑の葉に映える美しい姿を楽しみます......

秋、”芳醇シリーズ” (16)

2022-10-26 | 植物 花

姿が似ている「マルメロ」(左図)や「カリン」(右図)も豊穣の時季を迎えます。

 

 

<「マルメロ」> 

バラ科、マルメロ属、中央アジア原産、学名  Cydonia obionga、英名  Quince、「マルメロ」の名前は

ポルトガル語の<マルメイロ>  Marmeleiro  からとか。

<「カリン」>

バラ科、カリン属、中国原産、学名   Pseudocydonia sinensis 、英名  Chinesequince 

両者、大変良く似ているのですが、簡単な判別方法 ・ ・ ・ 

(1)、「マルメロ」の葉の縁には、ギザギザが、無い。

(2)、「マルメロ」の果実の表面には、綿毛が生えていて、花色は、淡いピンク。

(3)、「カリン」の葉の縁には、ギザギザが、有る。

(4)、「カリン」の果実の表面には、綿毛が生えて無い、花色は、濃いピンク色。

 

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今日は、赤く熟した「ウメモドキ」と「ジュズサンゴ」の実です、小さな球状の実が、秋の豊穣の情景です。

<「ウメモドキ」梅擬>

小鳥の好物「ウメモドキ」の赤い実が照り映えます、葉や枝が「梅」に似ているので、漢字名は、「梅擬」とか

花は、初夏に咲く淡い紫色の小さな花です、花も「梅」の花に似ているので

「ウメモドキ」の名前の由来の一つですか。

モチノキ科、モチノキ属、落葉低木、雌雄異株、日本原産、学名   Ilex serrata、英名   Japanese winterberry

尚、仲間のモチノキ科、モチノキ属には、「モチノキ」(黐の木)、「クロガネモチ」(黒鉄黐)、「ソヨゴ」(冬青)

「アカミノイヌツゲ」(赤実の犬黄楊)が有ります。

赤く熟す時季が多少違いますが、皆、赤く照り輝く球状の実達です。


初夏の頃に咲く薄紫色の小さな花です。

次は、”赤い珊瑚玉” が、数珠状に連なって様な「ジュズサンゴ」の実です。

<「ジュズサンゴ」(数珠珊瑚)>

「クコ」と同様、花と実を同時に見ることができる植物です。

総状花序に淡い緑色の小さな花を沢山着けます、花弁が無く、裏が緑色をした萼が花びらの様に見えます。

“数珠珊瑚” の名前の由来は、赤い珊瑚玉が数珠の様に連なって着く様子からとか

ヤマゴボウ科、リヴィナ属、非耐寒性常緑低木、メキシコ、ブラジル原産、学名 Rivina humillis

別名 「リビナ」、英名 bloodyberry , rouge plant

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花と果実を同時に視ることが出来ます、可憐な白い小さな花です。

今日も過去の記事の再掲載です、キク科の花を挙げていました、季節の花です。
今、キク科の花(5)

今日のキク科の花には、「シオン」と「ジニア・リネアリス」です。小輪の花が、清楚さを醸し出します、秋空の様に爽やかです。最初は、今月一杯愉しめる「ジニア・リネアリス......

秋、”豊穣シリーズ” (15)

2022-10-25 | 植物 花

「カボチャ」も色着いています、熟すとオレンジ色が主ですが、豊富な色があります。

当初、ポルトガル人が、カンボジア(ポルトガル語=Camboja)の産物として日本に持って来たので

カンボジアが、「カボチャ」に訛化したとのこと、学名   Cacurbita maxima / C.moschata

英名    Pumpkin / squash、ウリ科、カボチャ属、南北アメリカ原産、中国語「南瓜」

 

今日は、「ビナンカズラ」と「マツブサ」の実です、赤色と黒色になって熟します。

どちらも、マツブサ科で蔓性です、“美男” と ”牛” では、比較が、適当ではないのですが

亦、マツブサ科の科名も珍しいものです。

<「ビナンカズラ」美蔓蔓>

秋、紅葉が始まった木に絡み付いて、緑濃い葉の間から一層鮮やかな赤い実が顔をだします。

球状の集合果が、枝から下垂します、別名「サネカズラ」(実葛)の名前も、此の実(サネ)の見事さからの命名とか

葉も濃緑で光沢が有ります、花は、夏に雄花、雌花を咲かせますが、小さいので見落としがちです。

雄花は、花の中心に紅色の雄蕊が小球状に着き、雌花は、黄緑色の雌蕊が小球状に着きます。

マツブサ(モクレン)科、サネカズラ属、常緑蔓性本木、日本、朝鮮半島、中国原産

学名   Kadsura japonica、英名   Kadsura

別名の「ビナンカズラ」(美男葛)は、昔、枝や樹皮を水に浸して抽出した液を男性の整髪料に

薄めてシャンプーに用いた故の命名とか、美男の条件には、髪形も大切なのか ・ ・ ・ 

学名のKadsura は、<蔓(カズラ、ツル)>からの命名とのこと

滋養強壮の生薬(五味子)は、実を乾燥したものとのことなので

毒ではないと思って生食すると、シャキシャキした食感で味が無く、見た目の美味しさとは、懸け離れたものでした。

尚、マツブサ科には、「マツブサ」、「チョウセンゴミシ」(朝鮮五味子)等の植物が有ります。

どちらも、「ビナンカズラ」に似た花、実を着けます。

亀吉

下図は、雄花(左)と 雌花(右)

花は、雌雄異花でクリーム色の花を咲かせますが、同じ様な花に見えますが

雄花は、赤茶色の雄蕊を集結させ、雌花は、薄緑色の雌蘂を集結させます。


 

次は、上に載せた「ビナンカズラ」と同じマツブサ科の植物「マツブサ」<松房>を挙げてみました。

<「マツブサ」>

馴染みが無い植物ですが、上に挙げた同じ科の「ビナンカズラ」 styleと同様に青黒い果実を着け始めました。

名前の由来は、”樹皮が、松の樹皮の様に割れ目が入り、液果が、青黒く熟して

「葡萄」の様に、房状に垂れ下がる” からとか

雌雄異株で、夏に、「ビナンカズラ」の花に似た黄色い花を咲かせます。

蔓性なので、樹木に絡みながら、立ち上がります。

マツブサ科、マツブサ属、落葉性蔓性木本、日本全国、朝鮮半島に自生、学名   Schisandra repanda=S.nigra

別名「ウシブドウ」牛葡萄、「マツブドウ」松葡萄、「クロミマツブサ」黒実松房 



「ビナンカズラ」の花に似ています、花弁が肉厚の淡い黄色い花です。