<秋に稔るシリーズ>
豊穣の秋、大きな大きな実が実ります。
上段左=「カリン」(花梨)の実、上段中央=「ハヤトウリ」(隼人瓜)の実、上段右=「シシユズ」(獅子柚)の実
下段左=「チキュウカン」(地球柑)の実、下段中央=「エァーポテト」(*)の実、下段右=「マルメロ」の実
*下段中央の「エァーポテト」の実は、“ジャンボムカゴ” と称されて、5~8cm位の大きさになるヤマイモ科です。
夏は、日除けに最適な大きな葉を着けます、東南アジア原産、学名 Dioscorea bulbifera
別名 「空中芋」、「宇宙芋」で、蔓に生る山芋の子供「ムカゴ」(零余子)に似ています。
秋には、他に、種々の小さな実も稔ります、多彩に色着き、熟します。
最初は、ブルーや濃い黒紫色に熟する果実から載せてみました。
シリーズ第1回目は、「ノブドウ / 野葡萄」と「アオツヅラフジ / 青葛籠藤」の実です。
<「ノブドウ」(野葡萄)>
紅葉が、始まる草木を背景に、コバルト色が、映えます。
「ヤマブドウ」(山葡萄 、Vitis coignetiae と間違いやすいのですが
同 じブドウ科でも、「野ブドウ」は、ノブドウ属で
「ヤマブドウ」のブドウ属とは、別属の植物になります、葉は、「ヤマブドウ」の葉に似て、3~5裂します。
夏に、「ヤブガラシ」に似た淡い緑色の小さな花を咲かせます。
果実の着き方も、「ヤマブドウ」が、房状に着きましが、「野ブドウ」は、葉と交互に疎らに着きます。
秋に、球形の果実を着けますが、全てが、紺碧色ではなく、白や紫色の果実が混在します。
熟さない頃の白色から徐々に紫、コバルト色に変化するからです。
蜂の幼虫が、此の実に寄生するとのこと、当然、食用には不向きで、食べても不味い味がします。
ブドウ科、ノブドウ属、蔓性落葉低木、日本、サハリン、千島、中国に自生
学名 Ampelopsis glandulosa var.heterophylla、英名 Porcelain berry
別名「イヌブドウ」(犬葡萄)、「カラスブドウ」(鴉葡萄)、「ジャブドウ」(蛇葡萄)
次は、「アオツヅラフジ / 青葛籠藤」の実です。
此の時季には、淡い緑色の若い実とブルーや青紫色の熟した実を同時に視ることができます。
夏に、円錐花序に、淡い黄色の花を咲かせますが、目立ち難い小さな花です。
名前の由来は、蔓を葛篭(つづら)の材料にしたからとか、光沢の在る葉の形は、卵型、ハート型等々で互生します。
果実は、「ブドウ」の様に房状に付き、球状の核果が、緑色から、今頃に青色に変化します。
熟すと黒色になります、「ブドウ」の様ですが、有毒なので食べられません。
種子は、かたつむり、アンモナイトの様なユニークな形をしています。
ツヅラフジ科、アオツヅラフジュ属、蔓性落葉木本、雌雄異株、日本、沖縄、台湾、朝鮮半島原産
別名 「カミエビ/神海老」、学名 Cocculus orbiculatus、英名 Snailseed、Moonseed
下図は、「アオツヅラフジ」の種子です、英名で Snailseed、Moonseed の名前が付いているのも頷けます。
<借用画像>
花は、小さく(花径)見栄えが、イマイチ です。