花を愛でる

四季折々の花を愛でます、時折、亀吉の様子も

春、アブラナ科の花(3)

2022-03-19 | 植物 花

今日もアムラナ科の花を3種挙げてみます、「ムラサキハナナ」、「ハナダイコン」、「オーブリェチア」の花です。

皆、早春を彩」に」似た」に」似た可憐な花々です。

最初は、「ムラサキハナナ」の花です。

<「ムラサキハナナ」(紫花菜)>

黄色い色の「菜の花」に似ているので、謂わば、”紫色の「ナノハナ」(菜の花)” です。

但、「菜の花」は、同じアブラナ科でもアブラナ属ですので、別の植物ですが ・ ・ ・ 

分岐した茎の先端に総状花序をだして、淡い紫色の4弁花を咲かせます、花や葉は、食用になります。

黄色い色の雄蘂が6本、1本の雌蘂が着きます。

根本の葉は、羽状に深裂して、上部の葉は、茎を取り囲むように(耳のように茎を抱く)着きます。

江戸時代に中国から入ってきた外来種とのこと、今では、野生化しています。

別名に「オオアラセイトウ」が付いていますが、大きな「アラセイトウ」(ストック)に由来する由

亦、「ショカツサイ」(諸葛菜)の別名が、中国の諸葛孔明が、植栽を広めたからとか

アブラナ科、オオアラセイトウ属、耐寒性一年草、中国原産、学名 Orychophragmus violaceus

英名   Chinese violet cress

次のアブラナ科の花は、「ハナダイコン」です。

<「ハナダイコン」花大根>

最初に載せた「ムラサキハナナ / オオアラセイトウ」も「ハナダイコン」と称することが有る様ですが、別種です。

花弁の形をよく視ると、「花大根」の花弁は、名前の通り「大根」の花弁に一層似ています。

原産地のヨーロッパ、西アジアからアメリカに渡り、日本には江戸時代に渡来して、今は、野生化しています。

花色は、青紫や白色で、花径 1.5cm位、草丈 50~100cm位、可憐な感じです。

白色の花は、一層「大根」の花に似ています。

アブラナ科、ハナダイコン属、耐寒性多年草(一年草)、学名   Hesperis matronalis  

英名   Dame`s rocket、Sweet  rocket、Dame`s violet、Mather of the evening 

同じ名前でも、先日に挙げた「キバナスズシロ」の「ロケット / ルッコラ」とは別種です。

小さな花が多数咲くので、”花火(ロケット)” が、打ち上がった様子に見立てたかも

別名「ヘスペリス・マトロナリス」


 

次は、「オーブリエチア」の花です。

<「オーブリエチア」>

最近、人気のアブラナ科の花です、「スイートアリッサム」の花に似た小さな花です。

這性なので、マット状に茂るので、花壇の縁取りやロックガーデンに向いています。

主な品種は、 Aubrieta  deltoidea  を 元に改良した園芸種が多いようです。

花径は、2cm 位、4弁花で、花茎から6個位の花を着けます、学名の  Deltoidea 

”三角形” の意味とか、葉の形を著わしているようです。

花色は、名前の由来の<紫、青紫>ですが、白色の花も在り、八重咲きも

亦、葉に白い斑が入る「オーブリエダ `バリエガタ`」A. Variegata  、花色が、青、赤色、紫色と豊富な

「オーブリエダ `カスケード」A .Caskede  等が在ります。

学名の   Aubrieta  は、フレンスの植物画家 クロ-ド オーブリエダ 氏に由来するとか

アブラナ科、オーブリエ(ムラサキナズナ)属、耐寒性多年草(一年草)、南ヨ^ロッパ、イラン原産

学名  Aubrieta deltoidea = Aubrieta cultorum Hybrida

英名  Aubrietia 、別名  「ムラサキナズナ」、「オーブリエタ」



八重咲きの花も

 

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以下は、過去の載せた ”春色” と題した記事の再掲載です。

春色

冬の間、「ヤブツバキ」(藪椿)を楽しんできましたが、春になって種々の「椿」が咲き始めました。其の一つ 早咲きの「椿」、“西王母” が美しい姿を見せ始めました。中国の神話......

春、アブラナ科の花2種(2)

2022-03-16 | 植物 花

春のアブラナ科の花3種(1)

2022-03-14 | 植物 花

”春を告げる” アブラナ科の花3種を挙げてみました、「ナノハナ/菜の花」が、代表するアブラナ科の花です。

”アブラナ(油菜)” 別名「ナノハナ」(菜の花)、「ナタネ」(菜種)の別名ですので、春のイメージが、広がります。

「ロケット(ルッコラ)」、「イベリス・センペルビレンス」、「スイートアリッサムの花です。

次回に、アブラナ科の花(2)として、「アリッサム・サクサティル」、「エリシマム」の花を挙げる予定です。

 

最初は、「ロケット(ルッコラ)」の花です。

<「ロケット」>

<ロケット>とは、物騒な話ですが、飛行体ではなく、葉野菜です。

別名では、イタリア語「ルッコラ」 Rucola、和名「キバナスズシロ」(黄花蘿蔔)

学名から「エルカ」 Eruca、英名「ロケットサラダ」 Rocket salad  等の名前も付いています。

英名「ロケット] 」Rocket  の名前は、此の野菜のフランス語 <Roquette> に由来するようです。

惚薬の効能が有るとかで、ローマ時代から栽培されていた由

クリーム色の4弁花は、十字型で、花弁には、紫色の筋が入り、中央は、黄色い色をしています。

葉は、胡麻の香りがして、若葉は、主にサラダの材料とされます。

アブラナ科、キバナスズシロ属、耐寒性一年草、地中海沿岸原産、学名   Eruca vesicaria



十字形の花弁には、淡い茶色の筋脈が入り一層の魅力を


 「ロケット」は、花より葉のサラダ等の食材として人気が有ります、”花より団子” なのです。

 

次のアブラナ科の花は、「イベリス・センペルビレンス」の花です。

花径が1CMと小さい花が集まって、半球状になって咲く可愛らしい花です、甘い香りもします。

4枚の花弁のうち、大きな外側の花弁が2枚、内側が外側よりも小さい花弁が2枚、葉は、細長です。

這性で、花の色は、白、ピンク色が有ります。

「エベリス」は、種類が多いようで、「イベリス・センペルビレンス」の他によく知られている品種は

白い花の一年草「イベリス・アマラ」、赤、桃、紫色の一年草「イベリス・ウンベラタ」I.nmbellata 等が有ります。

皆、英名の 最初  Candytuft (砂糖菓子) の様に可愛らしい花です。

「イベリア」の名前は、昔のスペインの国名<イベリア>由来していて

この国に多く自生していた故の命名とか

アブラナ科、イベリス属、一年(多年草)、西アジア、ヨーロッパ、地中海沿岸原産、学名   Iberis sempervirens

英名 Evergreen candytuft、別名 「トキワナズナ」(常盤薺)、「マガリバナ」(屈曲花)*

*太陽に向かって、花茎が曲がるので付いた漢名のようです。

英名の「キャンディータフト」は、最初は、「イベリス・アマラ」に付けた名前でしたが

今は、「イベリス」全体を別名の此の名前で呼んでいるとのこと


 

次のアブラナ科の花は、「スイートアリッサム」の花です。

<「スイートアリッサム」>

白い色の小花が、集まりカーペット状に這え広がります、甘い香りがします。

秋、冬から初夏にかけて、花壇の縁取りに植栽されることが多いようです。

「アリッサム」の名前も付いていますが、本当の「アリッサム」は、アリッサム属で、黄色い花を咲かせる

「アリッサム モンタナム」(Alyssum montanum)等が有り

園芸種には、赤、紫、ピンク、黄色などの花色で多彩です。

アブラナ科、ニワナズナ(ロブラリア)属、耐寒性一年草(這性)、地中海沿岸原産

学名 Lobularia maritima、英名 Sweet alyssum

別名「ニワナズナ」(庭薺)、「ニオイナズナ」、「ロブラリア」




下図は、黄色い花を咲かせるロブラリア属の「アリッサム・モンタナ」です。


春のキンポウゲ科の花

2022-03-11 | 植物 花

春を象徴する様な明るい色彩の花を2種挙げてみました、彩り豊かな花色で溢れます。

「ラナンキュラス」と「アネモネ」です。

未だ、寒い日が続きますが、明るい花の色で春の近さを感じます。

 

初めは、花弁が、幾重にも重なり合って、色の濃淡の妙を愉しみます。

<「ラナンキュラス」>


 

品種改良も有って、色、形も増え続けています、多数の種類の中、「ラナンキュラス」と呼ばれているのは

「ラナンキュラス・アシアテクス」 Ranunculus asiaticus  とのこと

キンポウゲ科、キンポウゲ(ラナンキュラス)属、半耐寒性多年草、地中海沿岸、ヨーロッパ南部原産

英名   Persian buttercup、別名「ハナキンポウゲ」(花金鳳花) 

尚、「ラナンキュラス」とは、ラテン語で蛙の手を意味で、葉の形が、蛙の手の形に似ているからとか(下図)

他に、名前の由来は、蛙が住んでいる湿地に多く生えるからとの説も、蛙の手に見えるかな ・ ・ ・ 

 

薄い花弁が、ペーパークラフトの様な質感です。




次は、「アネモネ」です。

<「アネモネ」>

一重、八重、花色は、ピンク、青紫、赤、白と豊富で、交雑種も多数です。

花弁の様に見えるのは、立派な萼片で、花弁が無いのも面白いものです。

一般に「アネモネ」と呼ばれているのは、「アネモネ・コロナリア」(Anemone coronaria)

「アネモネ・ホルテンシス」(A.hortensis)と「アネモネ・パポニア」(A.pavonia)の交雑種とのこと。

キンポウゲ科、イチリンソウ属、耐寒性球根、地中海沿岸原産、英名 Anemone

 別名「ボタンイチゲ」(牡丹一華)、「ハナイチゲ」(花一華)、「ベニバナオキナグサ」(紅花翁草)

「アネモネ」の名前は、ギリシャ語で<風(Anemos)に由来する由

風通しが良い場所を好むから、風が多く吹く季節に花を咲かせるからとの説が有りましたが

真偽の程は、解りませんが、熟した種子が、長い綿毛を着けて

風に乗って遠くまで運ばれるのは、確かです。

<「アネモネ」>

一重、八重、花色は、ピンク、青紫、赤、白と豊富で、交雑種も多数です。

花弁の様に見えるのは、立派な萼片で、花弁が無いのも面白いものです。

一般に「アネモネ」と呼ばれているのは、「アネモネ・コロナリア」(Anemone coronaria)

「アネモネ・ホルテンシス」(A.hortensis)と「アネモネ・パポニア」A.pavonia)の交雑種とのこと。

キンポウゲ科、イチリンソウ属、耐寒性球根、地中海沿岸原産、英名 Anemone

 別名「ボタンイチゲ」(牡丹一華)、「ハナイチゲ」(花一華)、「ベニバナオキナグサ」(紅花翁草)


花弁の多彩な色彩と斑模様が、此の花の見所です、拡大すると一層




春色、黄色

2022-03-08 | 植物 花

今日は、”春の黄色い樹木花” と題して「レンギョウ」と「オウバイ」にしました。

最初は、「レンギョウ」です、蝶型の花は、宛ら、黄色い蝶が飛んでいる様です。

<「レンギョウ」>

「レンギョウ」(連翹)も “春告げ花” です、黄色い花冠は、筒状で先端が4裂します。

葉が出る前に花を咲かせ、葉は、幅広の卵型、互生します。

「レンギョウ」(連翹)とは、モクセイ科、レンギョウ属の総称とか   

一般に、「レンギョウ」は、学名    Forsythia suspensa 、と其の改良品種を指すと有りました。

「レンギョウ」(連翹)は、中国名の音読みからで、中国名<レンギョウ>は、「オトギリソウ」を指すとのこと

中国名は、「黄寿丹」の漢名が付いています。 

モクセイ科、レンギョウ属、耐寒性落葉低木、中国原産、学名 Forsythia spp. 

英名   Golden bells flower、別名 「レンギョウウツギ」(連翹空木)

尚、学名の Forsythia (フォーサイシア)は、イギリスの園芸家    William A.Forsyth に由来する由

他の品種には、Forsythia suspensa  以外に、中国原産の「シナレンギョウ」 Forsythia virissima

朝鮮半島原産の「チョウセンレンギョウ」  F.ovata=F.coreana=F.virisissima var.koreana

日本原産の「ヤマトレンギョウ」  F.japonica「ショウドシマレンギョウ」  F.togachii

バルカン半島原産の「セイヨウレンギョウ」  F.europaea   等々が有るとのこと

 


 

次の ”黄色い樹木花" は、「オウバイ」(黄梅)と「ウンナンオウバイ」(雲南黄梅)の花です。

<「オウバイ」(黄梅)>

別名 其の名も “ゲイシュンカ(迎春花)”、題名に相応しい花です。

早春、葉が展開する前に、「梅」の花に似た5弁~6弁の花を下垂する細い枝に咲かせます。

枝は、緑色をした4角形、 3出複葉の葉が、対生します。

次に載せる常緑の「ウンナンオウバイ」(雲南黄梅)より花序が、ひとまわり小さいので区別できます。

亦、「オウバイ」が、落葉性に対して、「ウンナンオウバイ」は、常緑性です。

黄色い花で、「梅」の花に似ているので此の名前が付いた由

「梅」の名前ですが、バラ科ではなく、モクセイ科ですので、「梅」では無いことが、解ります。

モクセイ科、ソケイ(ジャスミン)属、半蔓性落葉低木、中国原産、学名   Jasminum nudiflorum

英名   Winter jasmine、別名「迎春花」、「ウインター ジャスミン」


艶々で、太く膨らんだ蕾は、赤茶色で綺麗です、開花前も充分に愉しめます。

 

 <「ウンナンオウバイ(雲南黄梅)」>

「オウバイ」より大きな花で 、八重咲きも有り、花着きも多少疎らです。

「オウバイ」の落葉性と違って、常緑性なので、花と濃い緑色の葉を同時に視ることができます。

モクセイ科、ジャスミン属、耐寒性常緑低木

学名   Jasminum mesnyi英名   Primrose jasmine、Chinese jasmine

中国原産、別名「オウバイモドキ」(黄梅擬)

<各画像は、クリックで拡大表示します>