4月13日のTBS、THE世界遺産は、ドナウの真珠と謳われるハンガリーの首都ブダペストの世界遺産めぐりの旅であった。ドナウ川を挟んで、西側の丘の上に広がるブダの街と東側の平らなペストの街を合わせて、ブダペストという街が誕生した。川を挟んで広がる二つの街を繋ぐのが、ブダペストの象徴でもある「セーチェーニくさり橋」で、ブダペストの街は世界一美しい夜景の一つとも言われている。
丘の上のブダには、ブダ王宮(世界遺産)や国会議事堂やマーチャーシュ教会があり、対岸のペストには、聖イシュトヴァン大聖堂(世界遺産)や国会議事堂やシャンゼリゼ通りを参考にした画期的な大通りである「アンドラ-シ通り」(世界遺産)がある。通りの地下には、世界初の電気式地下鉄が走っている。
また、ブダペストは石灰岩で出来たカルスト地形で、洞窟がいくつも存在し、世界的にも珍しい温泉水によって作られた洞窟もある。また、ハンガリーは、16世紀にはオスマン帝国に支配され、その後はハプスブルグ帝国に支配された歴史があり、その後自治権を獲得してハンガリー独自の街並みが形成されたものである。
ブダペストの街を訪れたのは、1988年3月と2012年5月の2回であるが、1988年の時は、家族旅行で、芥川賞作家、宮本輝さんの「ドナウの旅人」という小説本を手に持って見て回ったものである。この本は、フランクフルトから出発し、ドナウ川に沿って旅を続け、ブダペストにも立寄り、最後は、黒海まで抜ける壮大な旅行記で、テレビドラマ化もされた。宮本氏とは、フランクフルト駐在時代、仕事上、お付き合いもあり、彼の文化講演会を企画したり、食事を共にしたこともあるので、一層親しみを感じているが、ブダペスト、ドナウ川の名前を聞くと、彼の作品が真っ先に頭に浮かんできた。