4月1日はエイプリル・フールであったが、今年は世間を騒がすような大嘘が何かあったのであろうか?個人的には、エイプリル・フールではないが、1日夜、パソコンで「大谷翔平がJAL入社式に映像でサプライズ登場」というネットのニュースが流れていて、「節目といえば、JALも今年、国際線70周年ですね。お互いこれからも新しい世界に向かって飛び続けて、どんな時も前向きに明るく元気な未来を目指して頑張りましょう」と紹介し、2600人の新入社員に力強いメッセージを送っていた。ニュースを読みながら、どんなビデオメッセージを送ったのかに興味があって、映像が見られそうなアイコンをクリックしたところ、突然、「あなたのパソコンはトロイの木馬に感染しました」と女性の大きな声が鳴り響き、警告メッセージや今すぐ電話をかけてくださいという趣旨が画面に表示された。
マウスのカーソルが全く動かず、画面を消すことができなかったので、止むを得ず、パソコンの電源を切ったが、再度電源を入れたら、またもや女性の大きな声での警告画面が現れた。電源を切っても消せないので、本当に感染したのか、偽警告なのかわからず、あせりまくり、あわてて、スマホで警告画面と音声だけは記録に残した。その画面を消せなければ、パソコンを再使用することができないので、途方にくれたが、一か八かでCtrl + Delete キーの同時押下でサインアウトを試みたら、ラッキーにもサインアウトでき、その悪魔の画面は消失した。電源をオフにしても駄目だったので、もう無理かなと諦めかけていたが、幸運にも脱出できた。
あとで調べたら、このトロイの木馬への感染警告メッセージは、数年前から猛威を振るっている偽警告サイトであることがわかった。警告メッセージの声が異常に大きく、ドキッとして、慌てふためくばかりで、どうしていいかわからないので、電話をかけてしまう人もいるのではないかと感じた。電源を切っても消せないのは極めて悪質である。今回、サインアウトが成功したが、本来のとるべきアクションはどうなのであろうか?1日夜であったので、エイプリル・フールも頭をよぎった。寝る前の恐怖の出来事だったので、解決した後も、睡眠導入剤を飲んでベッドに入った。
ところで、パソコンのウィールス感染で、どうして「トロイの木馬」という言葉が使われているのか気になり調べて見たら、こう解説されていた。
「トロイの木馬」とは、有益なソフトウエアのふりをして、コンピュータに侵入し、安全上の脅威となるソフトウエアのことである。ギリシャとトロイの戦争において、ギリシャ勢の攻撃が手詰まりになってきたとき、ギリシャ神話の英雄で知将とされるオデュッセウスが木馬を作って人を潜ませ、それを城内に運び込ませて陥落させたというギリシャ神話に由来する。 この時に使われた木馬を「トロイの木馬」という。この神話で語られるように、コンピュータにおけるトロイの木馬も、ユーザーによってコンピュータに引き入れられるという特徴がある。潜伏し、ユーザーに実行されることによって、初めて攻撃を開始することがほとんどであるという。実際に、トロイの木馬がコンピュータに与える被害としては、プログラムやデータの追加・消去やファイルの外部流出、他のコンピュータへの攻撃、アンチウイルスソフトの無効化、パスワードの奪取などで恐ろしいが、今回のような偽の「トロイの木馬」があることも初めて知った。
「トロイの木馬」については、2009年2月のトルコ旅行の際、トロイに立ち寄り、復元されたトロイの木馬を見学したことがある。大変大きな木馬であったが、それがまさにコンピュータウィルスの名前に使われているのは驚きである。そのウィルスの内容が神話そっくりだったから命名されたと思うが、実際に感染したらどうしたらいいのであろうか?とにかく、今年の4月1日は、縁起が悪かったようである。
トロイの木馬(2009年撮影)