12月2日から紙の健康保険証の新規発行が停止され、原則としてマイナ保険証への一本化がスタートした。現行保険証は、廃止後も最長1年間は猶予期間としてそのまま利用でき、マイナ保険証を持っていない人には保険証の代わりとなる「資格確認書」が発行される。ただ、仕組みは複雑で、医療現場では混乱も予想される。
マイナ保険証への一本化は、前のデジタル大臣であった河野氏がマイナカードを普及させようとして、強引に紙の保険証の廃止を法制化したもので、様々な問題点を引き起こしている。紙の保険証も資格確認書も実質同じもので、制度を複雑化させているだけである。マイナカードの作成は元々義務化されたものではなく、希望する人が任意に作成するという位置づけであったはずであり、政府の強引な施策は正当性に欠けるものだが、法制化してしまったので、後戻りできない事態に陥っているものと推察する。
10月末現在で、マイナカードの保有率は、75.7%で、その内、マイナ保険証に登録している人は約82%もいるが、保険証として利用している人は、12%台にとどまっている。マイナ保険証より、紙の保険証のほうが便利で使いやすいということを意味する。マイナ保険証の問題点や政府方針の問題点については、ネットメディアで大きく取り上げられている。自分自身、マイナ保険証を持っているが、医療機関への受診や調剤薬局の利用にあたっては、紙の保険証を使っている。いろいろ自分で操作するのは面倒だし、紙の保険証のほうが便利で使いやすいからである。受診病歴、服用薬などプライバシーの公開には反対だし、服用薬の記録も3年分しか見られないので、お薬手帳の方がはるかに便利である。政府の強引なやり方には全く賛同できないので、マイナ保険証は使うつもりはない。紙の保険証が来年夏頃まで使用可能なので、それまでに、マイナ保険証の登録を解除し、保険証として使える資格確認書なるものを発行してもらう予定である。
マイナカードにすべて一本化して、国民に常に携帯させることは極めて危険なことであり、世界中でそんな国はどこにもないらしい。カードを紛失したら、本人確認書類もなくなってしまう。また、運転免許証も来年3月からマイナカードと一体化することができるようになるが、今の政府は信用ならないので、いつ一本化が強制化されるかわからない。マイナ保険証については、反対の声も強いので、方針の見直しが行われることを強く期待するものである。