京浜急行は3月22日、旧シナガワグース跡地(東京都港区)における「品川駅西口地区A地区新築計画」の事業化を決定したと発表した。同計画では、トヨタ自動車が共同事業者となる。羽田空港の近くかつ、リニア中央新幹線が停まる品川駅前のポテンシャルを最大限活用し「国際交流拠点としての品川」の実現を目指すという。同時に、トヨタ自動車も東京本社(現在文京区)を2029年度に品川駅の西口地区に開業する複合施設に移転すると発表した。
本計画では、オフィス、商業、ホテル、MICE(カンファレンス、多目的ホール)などが入居する地下4階、地上29階建ての複合施設を整備する。2025年度の新築工事着工、29年度の開業を予定している。計画エリアの特徴は、ターミナル駅前ながら自然に恵まれた環境であること。旧宮邸や大名屋敷など古くからの迎賓の地としての役割を継承し、国際交流拠点としての品川の顔にふさわしいまちづくりを目指すとしている。品川駅西口地区では大規模な再開発が計画されており、高輪ゲートウェイ地区の再開発と相俟って、今後大きく飛躍していくことが期待される。我が家からも比較的近いロケーションにあるので、再開発に大いに期待している。
画像は、複合施設の完成図
JR東日本は6日、「高輪ゲートウェイシティ」の、2025年3月開業予定の複合棟Ⅰ「THE LINKPILLAR 1 NORTH/SOUTH」の一部をメディア向けに初公開した旨、テレビのニュースでも紹介されていた。「高輪ゲートウェイシティ」は、品川駅~田町駅(高輪ゲートウェイ駅周辺)間に周辺地域と連携した国際的に魅力的なまちづくりを行う「品川開発プロジェクト」として進められてきた。高輪ゲートウェイ駅前から田町駅方面にかけて1~4街区の4つにエリア分けされ、それぞれ住宅棟・文化創造棟・複合棟Ⅰ・ IIなど超高層ビルが建設され、約13ヘクタールに及ぶ新しい街となる。文化創造棟は建築家の隈研吾氏によるデザインで、緑豊かな木々によって彩られたスパイラル状の建物が、美しい日本の四季を表現され、憩いの場・交流の場となるようである。
開発コンセプトは「Global Gateway」。高輪の歴史を継承しつつ、新たな未来を共創する国際交流拠点として都市機能を整備するという。国際会議も可能な大規模カンファレンス・ビジネス支援施設や、国際水準のホテル・住居・文化施設、商業施設や駅周辺広場、歩行者デッキも整備される予定で、先導的な環境都市となるようで、立地のよさから国内外へのアクセスも抜群である。
東海道五十三次に着想を得た「53 Playable Park」をコンセプトに、広場や駅からなるエキマチ一体型の「Park(遊び場)」を整備し、にぎわいを創出し、約2.7ヘクタールのグリーンを配置し、周辺の水系・地形・植生を取り込んだ緑あふれる景観を形成するという。また高輪ゲートウェイ駅には南改札を新設し、周辺には店舗も開業予定。2020年に再開発区域内で発掘された「高輪築堤」も公園部で現地保存・展示を行い、明治時代の鉄道の歴史とロマンを感じる空間が創出されるという。
JR東日本のテレビCMでも、明治初期に日本初の鉄道が走ったイノベーションの地であることなどを踏まえ、「高輪ゲートウェイシティ」を「100年先の心豊かなくらしのための実験場」として位置付けていることをPRしている。それぞれの街区を繋ぐ広場や歩行者デッキも整備され、高輪ゲートウェイ駅を含む街全体を一体化する予定という。
高輪ゲートウェイ駅は、家から自転車で20分位のところにあり、2020年3月14日の開業の時も足を運び、最初に電車から駅に降り立った一人となったが、こんな壮大な都市計画があることはあまりよく知らなかった。高輪ゲートウェイシティは、リニア新幹線の始発駅となる品川と一体となって、交通の要所の利点を生かし、先進的な未来都市になるものと期待される。
JR東日本テレビCM: https://www.youtube.com/watch?v=NRCGEighZEo
Yahooニュース(3/6): https://news.yahoo.co.jp/articles/6354b8a3b9c794a1117d6891b9cd009d5a33336c
2月28日、リクルートでは、 首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県)に居住している20歳~49歳の9335人を対象に実施した「SUUMO住みたい街ランキング2024 首都圏版」を発表した。住みたい街(駅)ランキングの結果は以下の通り。
( 代表的路線 )
1位 横浜(JR京浜東北線) 1683点
2位 大宮(JR京浜東北線) 1054
3位 吉祥寺(JR中央線) 996
4位 恵比寿(JR山手線) 952
5位 新宿(JR山手線)※1 777
6位 目黒(JR山手線) 690
7位 池袋(JR山手線) 666
8位 品川(JR山手線) 634
9位 東京(JR山手線) 619
10位 浦和(JR京浜東北線) 602
11位 渋谷(JR山手線) 568
12位 鎌倉(JR横須賀線) 556
13位 中目黒(東急東横線) 552
14位 武蔵小杉(東急東横線) 506
15位 流山おおたかの森(つくばエクスプレス) 503
16位 舞浜(JR京葉線) 482
17位 船橋(JR総武線)※2 469
18位 中野(JR中央線) 443
19位 桜木町(JR京浜東北線) 431
20位 表参道(東京メトロ銀座線) 418
21位 さいたま新都心(JR京浜東北線) 409
22位 立川(JR中央線)※3 407
23位 北千住(東京メトロ千代田線) 404
24位 みなとみらい(みなとみらい線) 373
25位 柏(JR常磐線) 371
26位 有楽町(JR山手線)※4 367
27位 自由が丘(東急東横線) 365
28位 つくば(つくばエクスプレス) 359
29位 秋葉原(JR山手線) ※5 335
29位 川越(東武東上線) 335
31位 藤沢(JR東海道本線) 321
32位 川崎(JR京浜東北線) 318
33位 三鷹(JR中央線) 314
34位 二子玉川(東急田園都市線) 311
35位 海老名(小田急小田原線) 309
35位 和光市(東武東上線) 309
37位 千葉(JR総武線)※6 304
38位 荻窪(JR中央線) 282
39位 新浦安(JR京葉線) 280
39位 水戸(JR常磐線) 280
41位 浦安(東京メトロ東西線) 267
42位 所沢(西武池袋線) 266
43位 代々木上原(東京メトロ千代田線) 265
44位 銀座(東京メトロ銀座線) 260
44位 たまプラーザ(東急田園都市線) 260
46位 三軒茶屋(東急田園都市線) 257
47位 津田沼(JR総武線) 253
48位 練馬(西武有楽町線) 250
49位 江ノ島(江ノ島電鉄線) 245
50位 新横浜(JR横浜線) 237
数路線が乗り入れている駅の代表的な沿線は、回答時に選択された路線のうち最も多い得点を獲得した路線を表示
※1:新宿 西武新宿 新宿西口の得点を合算
※2:船橋 京成船橋の得点を合算
※3:立川 立川北 立川南の得点を合算
※4:有楽町 日比谷の得点を合算
※5:秋葉原 岩本町の得点を合算
※6:千葉 京成千葉の得点を合算
特徴として、「横浜」が大幅得点UPで7年連続1位 。「大宮」は過去最高の2位と、初めてTOP2を東京都以外が占める 。東京都では「秋葉原」「北千住」が大きく得点を伸ばしているという。
自分の住む品川は、過去2018年4位、2019年~21年6位、2022年8位、2023年11位であったというから、ほぼほぼ安定した人気があるといえる。調査対象年齢が20~49歳という若者世代なので、何とも言えないが、品川は、交通の便が抜群によく、高層ビル群の近代都市と江戸情緒が入り混じる未来と過去の「いいとこ取り」の街でもある。交通の便として、最寄駅から東京まで17分、銀座まで14分、新宿まで24分、横浜まで19分、お台場まで5分、ディズニーランドまで20分、羽田空港まで19分、成田空港まで1時間18分といった具合で、車は不要で、カーシェアで十分である。周辺には神社仏閣も多く、緑と静けさも十分といえる。調査結果は、いつも8位前後のようであるが、実際に長く住んでいる者にとっては、もっと上位ランキングにあってもおかしくないと感じる。
最近、大田区にある洗足池界隈に行く機会が増えた。それは、タイから帰国した次男ファミリー(奥さんと孫)が界隈に住まいを借りたからである。我が家から車だと15~20分位であるが、この界隈とは昔から縁があり、馴染み深い。結婚して長男が生まれた頃、この界隈に会社の社宅があり、3年ほど住んでいた。池上線の長原と洗足池の間位の閑静な住宅街にあり、近くには淡谷のり子さんの家もあった。
洗足池の公園は、桜や梅の名所でもあり、卓球クラブのお花見で何回か訪れたこともある。池の畔には、勝海舟のお墓や記念館もあり、今は梅が見頃を迎えている。池の大きさもほどよく、ボートが楽しめたり、水鳥が多数生息し、神社もあったりして、落ち着いた閑静な雰囲気は大変魅力的である。勝海舟は、「咸臨丸」で渡米し、海軍の育成に努めるなど革新的な幕臣で、「江戸無血開城」を実現させたことも有名である。彼は、江戸城の明け渡しについて、新政府軍の本陣があった池上本門寺へ向かう途中、洗足池付近で休息をとった際、周辺の風景を大変気に入り、1891年に「洗足軒」といわれる別荘を構えたという。本人の遺志により、この地に葬られたものの、一時は青山墓地に移ったようであるが、今は、この地に改葬され、二つの五輪塔が並んだ「勝海舟夫妻墓所」として親しまれている。
この界隈の住所は、「千束」という文字が使われているが、なぜ「洗足池」のように、「洗足」という文字が使われているか疑問に思い、調べてみたら、この地は、永らく「千束」とされていた。千束とはこの地にある大池(現在の洗足池)が水源地として灌漑に利用されていたので、1000束分の稲が免税されたためという説が有力なようである。その後、身延山久遠寺から両親の墓参のため常陸へ向かう日蓮聖人が、「千束郷の大池」のほとりで休息し、足を洗ったという言い伝えから、その池を「洗足池」と改めたとのことである。東急線の駅名も、「北千束」あり、「洗足池」ありでわけがわからない。孫の面倒で、この界隈に行く機会が増えそうだが、3月末のお花見が楽しみである。勝海舟記念館にも足を運び、歴史探訪も楽しんでみたい。
画像は、歌川広重「名所江戸百景 千束の池袈裟懸松」