6月1日にグルジアのトビリシからイスタンブールに移動し、1日と2日はイスタンブールの街を観光した。イスタンブールは2度目なので、前回見たトプカピ宮殿、アヤソフィア、グランドバザールはスキップし、1日はブルーモスクと地下宮殿、2日は、ドルマバフチェ宮殿からはじまって、スュレイマニエ・ジャーミー等のモスク、それからフェリーに乗って初めてアジア側のユスキュダルに足を踏み入れた。ユスキュダルは、江利チエミの「ウスクダラ」という曲で名前も歌もメロディーもよく知っていたので、今回何としても行こうとしたもの。しっかり、ウスクダラの歌を口ずさみながら、フェリーの旅を楽しんだ。
ヨーロッパ側に戻ってから、これまた初めて新市街のイステイクラール通りを経て、タクシム広場まで行くことにした。世界一短い地下鉄(2分の区間のみ)に乗って、途中まで上がり、新市街を走る路面電車に乗ろうとしてビックリ。何と電車は運休中で車両も全く見当たらない代わりに、歩行者天国のように物凄い数の人々が道路を埋め尽くしていた。何の事情も知らないまま、タクシム広場の方に向かうと、旗を掲げたり、プラカードを持ったり、デモ行進をやっている印象であった。
はじめは、日曜なので、単なるお決まりのデモ行進でもやっているのかなと思いきや、広場に近づくとお店のガラスが割られたり、イタズラ書きがされていたり、建物が占拠されていたりして、異様な雰囲気を感じはじめた。その辺のお店の人に訊いたら、エルドアン首相の圧政に対する民衆による反対デモで、もう3日も続いているという。タクシム広場に着くと、広場も回りの建物も一般市民に占拠されていて、建物の屋上で旗を振ったり、アジ演説が行われたり、殺気立ったものすごい光景を目の当たりにした。
ホテルに戻ってインターネットでニュースを見たら、日本のメディアでも大きく取り上げられていたので、これまたビックリ。ニュースによるとタクシム広場でデモ隊と治安部隊の衝突があって、相当数のけが人が出たり、この反政府デモは、全国に広がっているようである。何の事前情報もなく、観光気分でそのまま反政府デモのど真ん中に入り込んでしまったようである。しかし、異様な雰囲気ではあったものの、歩いていて身の危険を感じるようなことは全くなかった。
この風景を見ていて、こんなところでオリンピックをやられたらたまらないという思いがよぎった。IOC委員もこの状況を見ていたら、イスタンブールには投票しないと思われる。これで、2020年は東京が有利になったなとも感じした。トルコがこんなに政情不安であることなど全く認識がなかったが、やはりイスラム世界はいろいろ問題を抱えていることがよくわかった。
一方、イスタンブ-ルは、観光地としては、物凄い魅力がある。華々しいトルコの歴史、由緒あるモスクがイスラム世界を彷彿、ヨーロッパとアジアのまさに架け橋なので、一種独特のエキゾチックに雰囲気に溢れ、世界中からたくさんの観光客が訪れている。反政府デモで地元の民衆が集まっていたが、観光客も街に溢れかえっていた。たった2日だけだが、その活気に圧倒された感じである。トルコの光と影の両方を同時に見た感じであるが、オリンピックにしても、EUにしても、明暗がどう出るかが今後とも注目される。
路面電車がとまり、デモ行進の道をかなり歩いたので、歩数計は41000歩になっていたが、歩き疲れの疲労感はほとんどなかった。この年になっても、まだまだ行けるかも。。。