東京駅での出迎え時、メキシコの役員からKLMでモロッコからアムステルダムでの乗り継ぎで成田まで来たが、預けたスーツケースの破損が発生し、どうしたらいいか相談を受けた。空港では出迎えもあったため、破損の申し出をしないまま、東京まで来てしまったのである。皆さんだったらどう対処しますか?
この辺の段取りはある程度わかっていたので、KLMの市内のオフィスに電話をかけ、市内で対応するよう求めた。修理してその代金を請求してほしいと言われたが、滞在中はそんな時間もないため、東京で破損の申し出を受理した旨、オンライン上にファイルしてもらい、メキシコに戻ってから、アクションが可能となるように段取りしてもらった。修理にかかった費用は航空会社が負担することになるが、もし修理不能な場合は、同等の新品のスーツケースを代替品として購入することができる。空港で申し出なくても、1週間以内に市内のオフィスに申し出れば、対応可能なのである。
最初からトラブル対応となったが、東京から北上までの新幹線の切符についても、問題が発生した。大会事務局から3人の切符を買って手配してほしいと言われたので、前もって3人分の切符を買っていたが、先に到着したイギリスからの役員が、切符については、会長が事前にオーストラリアで手配しているはずとの情報が入り、事実関係を確認するため、当初予定していなかったが、17日夜7時に成田に到着したオーストラリアの役員についても東京駅で出迎えることにした。
切符の件を訊くと、オーストラリアで3人分のJapan Rail Passを購入してきたという。そのレイルパスの方がはるかに安く旅行できるので、事前に買った切符については、急遽、取消手数料(一人1800円)を払って払戻しを行った。翌朝はホテル出発を早めて、東京駅にある引替所でバウチャーからレイルパスに引き替えたが、混んでいたため、並んだ座席が取れず、やむを得ず、自由席に乗ることにした。レイルパスはバウチャーだけでは、乗れず、指定の交換所(数は少ない)で、有効期間の日付の入ったレイルパスに交換する必要があるのである。事前確認していなかったら、当日、混雑で交換に手間取り、列車に乗り遅れることもあり得たので、前日夜遅くなったが、確認しておいてよかった。
マスターズ陸上とは、参加資格は35歳以上で、5歳刻みの年齢カテゴリーで、競技を競うもので、今回は、19カ国から約900人(日本マスターズ大会を兼ねているので、全体では約2900人)が参加した。北上市では、市長はじめ地元の盛り上がりは大変なもので、街での歓迎パレードや競技場前での肉のフェスタ等のイベントも同時開催され、アジア各国からの選手と地元の人々の交流風景が見られた。初日は雨と晴れが急激に変化する天気だったため、珍しい二重の虹を楽しむこともできた。また、2日目以降は好天気に恵まれ、爽やかな天気の下で大会が進行した。
当初、今回の大会の目玉は3つあったが、116歳のインド人の参加とタレント武井壮の参加については、実現しなかった。116歳インド人については、マスコミでも取り上げられたが、健康上の理由で日本へのビザ申請をしなかったとのことで結局は来日せず。武井壮については、体調不良とのことで、エントリーはしたものの欠場となった。
唯一、実現したのが、22日に行われた100歳以上の部の100mに出場した最高齢の宮崎秀吉さん(京都)の力走であった。タイムは、34秒61。折しも、この日は、宮崎さんの104歳の誕生日。自己の持つ29秒83(100歳以上の部)という世界記録こそ更新できなかったが、その素晴らしい走りに誰しもが感動した。100歳を超える人は、多数いると思うが、歩けるだけでもすごいのに、何と100mを走り切るのだから、その姿は圧巻である。皆さん、100mをそのタイムで走れますか?陸上は92歳から始めたというから、まさに脱帽である。
競技後、マスコミからインタビューをいっぱい受けていたが、テレビでも放映されたので、ご覧になった人もいるのでは? 表彰後に、長寿をあやかろうと世界マスターズの役員といっしょに写真も撮らせてもらった。