28日に衆議院の3補選が行われ、政権与党の自民党は島根1区で惨敗、東京15区と長崎3区で不戦敗という完敗に終わったが、当然の結果である。裏金問題では、実態を明らかにしないまま、その深刻さを認識せず、いい加減な対応策しかとらない自民党・岸田政権にNoが突き付けられたものであるが、鈍感力抜群の岸田氏ならではの帰結である。保守王国島根でさえも、県民はやっと目覚め、馬鹿ではないということが証明されたようである。恐らく、国民の多くは、自民党や岸田政権に対し、呆れかえっているのではないかと思う。しかし、野党第1党の立憲民主党は、全勝したものの、反自民党の票がこぼれてきただけであり、まだ政権を担うほどの実力はない印象なので、野党が結束しない限り、政権交代は難しいような気もする。自民党の前代未聞の不祥事によるこんな事態は、滅多にあるものではないので、これを逃がしたら、あと何十年も自民党の金権・利権政治が続くものと思われる。
選挙の投票は20時に締め切られたが、それと同時に立憲民主党が当確で3勝したことが速報で流れたということは、接戦ではなくかなりの差があったものと思われる。まさに自民党の完敗で、存亡の危機にあるはずなのに、その党首は呑気に5月1日から6日まで、フランス、ブラジル、パラグアイに外遊に出かけるというからKYというか、無責任というか、敵前逃亡というか、日本にいられない窮地というか、全くもって自民党の最高責任者という自覚が感じられない。岸田氏は裏金問題も真相を究明することなく、中途半端な処分で、改革案もお粗末で、この難局を乗り切ろうとする後ろ向きの姿勢が国民から大顰蹙をかっていることに気が付いていないあたりが恐ろしい。また、内政の問題にきちんと対処できず、自分の好きな外交に逃げ込んでいるとしか見えないし、今回の外遊も卒業旅行のつもりでいるに違いない。責任感の強い心ある政治家であれば、自民党が非常事態にあると認識するならば、外遊を取りやめ、内政に力を入れるはずであるが、このタイミングで世界一周外遊とは呆れるばかりである。岸田氏を退陣させても、自民党政権が続く限り、金権、利権政治から脱却することはできないので、早期に政権交代を実現させる必要があるとひしと感じるし、その可能性も出てきた感もある。