
11月16日に、今回の旅行の最大の目的であるテレサ・テンのお墓参りを行った。交通の便を考え、当初、現地ツアーを利用しようと申込みを行ったが、参加者が自分以外に誰もなくツアーは催行中止となった。その連絡が前日にあったので、若干の準備不足の感もあったが、急遽、電車とバスを使って自力で行くことにした。
彼女のお墓は、台北から車でも1時間半ほどかかる北部海岸近く、新北市の金宝山にある墓園にあり、タクシーを使わずに行くには大変そうなイメージもあったが、結果的には、極めてスムーズに行くことができた。
まず、台北からMRTに乗って、淡水という街に行き、そこから皇冠北海岸線という観光スポットに立ち寄っていく路線バスに約1時間乗り、Yun Gardenというところで降りると目の前が彼女のお墓のあるテレサ・テン紀念公園になっている。
ネットでは、淡水や金山という街からタクシーをチャーターするような情報が多いが、今は、路線バスで簡単に行けるので、タクシーなんて不要である。
墓園には大きなピアノの鍵盤、テレサのゴールドの像があり、お墓そのものは大きな大理石でできていて、墓石の上に、マリア様が見守っている。火葬が基本の台湾で、土葬されているのは、蒋介石と蒋経国(蒋介石の子供で6、7期の中華民国総統)とテレサ・テンの3人にしかいないことからも、台湾では物凄い存在であることがわかる。
墓園には、絶えずテレサ・テンの歌声が流れている。中国語、日本語、英語の歌が1時間交代で流れており、そこに彼女がいて歌っているような錯覚に陥るほどである。
墓前には毎日ボランティアでお墓を綺麗にしてくれているテレサ・テンの大ファンのおじさんがいる。NHKでも紹介されたことがあるので、その存在は知っていたが、基隆から毎日やってきているという。墓参りに来る人皆にお線香をくれる。もちろんお金なんか請求しないし、純粋な気持ちでお墓にお線香をあげてほしいという思いだそうである。
没後、20年の節目の2015年にして、初めてテレサ・テンの墓参りを実現することができた。20年という歳月は長く、高雄にあった彼女の博物館が閉鎖されたり、雲林県にある生家がクローズになっていたり、「去る者、日々に疎し」で、今後の行く末が少し心配であるが、立派なお墓は健在であることがわかったので、テレサ・テンのファンであるなら、せめてお墓参りに行ってほしいと願う。
高いお金を出して、ツアーに入る必要もないし(今回の費用は300台湾ドルちょっとで、ツアーより2400台湾ドルも安く行けた)、お墓といっても日本のように暗いイメージは全くなく、紀念公園になっているほど綺麗に整備されているので、彼女のコンサートに行くような気分で訪ねることをお奨めする。いろいろな歌を三か国語で3時間は聴くことができるので、こんな素晴らしいコンサートはないともいえる。
お墓参り前後の旅行アルバム: https://youtu.be/LGGcBDuLL_8
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