久しぶりの合宿を終えて、いつもの生活に戻った。
合宿のよさは、人間関係が深まるということだろう。
よく「一宿一飯の恩とか、「同じ釜の飯」などのことわざにもある。
普段の練習では、私的なこと、練習曲以外の話をする機会はほとんどない。
長い時間、同じ時を共有し、ひとつところに、集って、同じような食事をする。
休憩時間もいつもよりたくさんあるので普段話さないことが話題にのぼったりする。
一日目は、同じ食堂でそれぞれに食事をした。
二日目の同じ食堂で、テーブルについたけれど、相席の顔ぶれが変わる。
表情も和やかさが一層深まるし、練習の成果に満足感もあるので、充実感が大きい。
合宿最後に、ゲネプロ風に、心を引き締めての演奏を行った。
合宿初日に、ばらばら感の大きかった演奏が、まとまってきているのがわかった。
音程も、しっかりしてきて、たった二日の練習で、大きく成長したことがわかった。
練習が終わって、荷物をまとめ、バス停に向かった。
20分以上の待ち時間。
皆でずらーっと列をなしながら、様々な話に花が咲いた。
20分の待ち時間もあっという間に終わった。
大きな荷物をかかえながらバスに乗り込む。
バスが発車すると、まだ学院生の指導者が丸二日の指導の疲れをものともせずに、バスに並んで
走り始めた。
少し坂のある道を全力疾走。
バスが追い越し始めた頃、先生は走るのをやめて、見送ってくれた。
別れが名残惜しいという、感覚が皆にもあったようだ。
余韻を残しながら駅に向かった。