遅いことは猫でもやる

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人間の善意を感じる大会

2015-08-09 17:55:50 | 行ってきました
    大会会場 ロス五輪スタジアム
 出場アスリートたち この後ハイタッチ!
    セキュリティーゲート前の人混み
   スタジアム内部 まだ人が入っていない

今回の旅行での一番の目的、スペシャルオリンピックス(SO)世界大会開会式への出席は7/25日の夕方であった。とは言えロスアンゼルス、開会の6:30はまだ日が高く、暑気が漂っている。

会場は30年前オリンピックが開かれたスタジアム。開会式で人間が羽も無しに飛んできた映像を思い出す。アメリカらしく入口前にはセキュリテイチェックのゲートが並び、かなりの人が行列を作っていた。時折選手団が集団で通り過ぎるがみんな明るく、掛け声を上げながら笑顔でハイタッチしあう。ここからして通常の競技会とは違う。

空にはヘリコプター、飛行船がゆったりと浮かぶ。鮮やかな原色に彩られたテープでぶら下げられた身分証明書のボランティア、大会係員、警官さえもみんな笑顔だ。案内ボランティアの親切なこと、何を聞いても親切に教えてくれ、案内してくれる。これは翌日訪問した会場でも変わらなかった。担当が違うとわざわざその担当を呼びに行ってくれる。

    すっかり陽に焼けてしまった
    「わたくしたちは、精一杯力を出して勝利をめざします。たとえ勝てなくても、がんばる勇気を与えてください」とするスローガン
    空には飛行船がマスコミの取材用か
  アスリートによるチアーダンス    

会場に入るが、まだ3分の入り。グラウンド平面には何千というパイプ椅子が敷き詰められている。アスリート(SOでは障害者の競技者をこう呼ぶ)で編成するチアーの演技、若手のシンガー・ソング・ライターのギター演奏と歌、DJの放送などが、準備で会場を走り回っている関係者を尻目に繰り広げられる。何となくここまではアバウトでおおらかなところが緊張感がなくっていい。

   いつの間にか会場は人で埋まってきた

少し音楽の曲調がかわり、かなりハイレベルで衣装も派手な新体操の演技団が入ってくると会場は自然に静になる。いつの間にか座席は8分以上埋まってきたていた。黄昏れてきた会場中央通路のスポットライトに浮かぶ白のドレスの歌手が国歌をアカペラで歌いだした。もの凄いテクニックと声量だ。確かに「君が代」とは違い、戦いの前にはふさわしい。きっと名のあるプロなのだろう。

   いよいよ入場行進   色とりどりのユニフォーム
   スタジアムの一角にはTV局の報道ブースが
   まだまだ続く入場行進

いよいよ選手団の入場行進。大歓声の中を次々とナショナルカラーでデザインされたユニフォームの選手団が入場する。ジャマイカの次が日本だろうと期待していたら、Jが終わっても出てこない。ニカラグアの次に日本・ジャパンと紹介され、出てきた。有森裕子理事長が手を大きく振りながら先頭に立ち、前理事長の三井さんもキャロライン・ケネディと何か話しながら行進してくる。アスリートたちも思い思いに手を振り、カメラを構え、ダンスを踊り実に楽しそうだ。これだけの大観衆が自分たちを主役にしてくれているという喜びを感じているのだろう。
出場選手枠は、国内のSO日常活動登録数に比例して決められているので、この選手団の数がSO活動をほぼ表していると言える。日本はカナダより少ないし、中国などは日本よりはるかに少ない。選手団の数はそれぞれの国の知的障害者に対する優しさ、ゆとり見たいなことを表しているのだろう。その点アメリカは全参加選手の2割相当くらいの参加者で他を圧倒していた。またどの国の参加者にも入場のたびごとに歓声を上げ、応援をしている。発祥の地とはいえ、この国の懐の深さを感じた。

   プロによるラテンダンス かなりのレベルだ
   ティモシー等の挨拶
   オバマ夫人の開会宣言

開会式セレモニーではロス市長,SO国際本部会長ティモシー・シュライバ-(SO創設者ユニス・ケネディ・シュライバー=ケネディ大統領の妹=の息子)などの挨拶があり、スティービーワンダーの演奏、プロダンシングチームのダンス、その他沢山のエンターテイメントが続き、やがてミシェル・オバマ大統領夫人の開会宣言、トーチ入場・点火で打ち上げ花火が夜空を飾り開会式セレモニーは終わった。

この大会はチャンピオンシップ(選手権戦)ではなくワールドゲームである。スタジアム正面には次のようなスローガンが掲げてあった。「わたくしたちは、精一杯力を出して勝利をめざします。たとえ勝てなくても、がんばる勇気を与えてください」開催側はこの趣旨のごとくみな優しく親切である。歓声一つ、案内一つに優しさを感じる。人間の優しさ、善意を結集するとこんな素晴らしいイベントが出来るのだと証明している。