ヨセミテへの入口
ヨセミテヴュウロッジ
部屋の窓から見る谷川
ヴィウロッジ事務所
今回のアメリカ旅行のもう一つの目的地ヨセミテ渓谷も20年ぶりの訪問だったが、今回は4つの幸運に恵まれた。
その一 案内のガイドが素晴らしかった。
その二 そのガイドの配慮もあったが、天候に恵まれた。
その三 めったに遭遇できない熊に出会えた。
その四 我々の観光が終えてから交通止めになった。
ガイドバスはワンボックスカーにすし詰め
朝8:30宿舎のヨセミテ・ビュー・ロッジで車を待つ。今日は一日ツアーを取って渓谷内の案内を頼んだ。やってきたのはライトエース位のワンボックスカー。そこにフルメンバーの9名つめこまれる。料金の支払をカードでしている時、突然、踊りだす不思議な老人がガイド?単なる運転手?隣の女性がガイド?(後にあの踊りはカードの認証に時間がかかるので、その間にお客に退屈をさせては申し訳ないという配慮。隣の女性は助手、ということを説明してくれた)
ロッジ内のレストラン この前に集合
最初の説明地 森と壁が早くも現れる
とりあえず渓谷の全貌を軽く紹介
山の上から二つの滝を見下ろす
このガイドは最初の説明場所で道端の石ころを拾い、次の説明地では傍の木から葉っぱを取って説明を始めた。花崗岩の生成や木々の植生など、何か理科の野外実習みたいな説明だ。この人の説明では、山火事さえも自然界では意味がある(焼き畑農業と同じ原理で森林の再生に必要なのだそうだ。だからここでは山火事は大規模にならない限り見守る方針なのだそうだ)やがてグレーシャーポイントの展望台に来た時、この渓谷の開発者が彼の曽祖父だったこと、ルーズベルトが大統領になる前にこの地を訪れた時の案内はその人がしたことなど、由緒ある家柄の人だということがわかった。さらに彼はクライマーでもあり、このあたりの峰々はほとんど登っているらしい。ハーフ・ドームと呼ばれる巨岩の峰の上には数人の人影が見えた。そこは危険だが一応ハイキング(クライミング?)コースになっているらしい。
グレーシャーポイントとハーフドーム
足元で遊ぶ雷鳥
ここからの眺めは見飽きない
次の展望台では、ヨセミテ最大のロック・クライミング・ゲレンデと滝を見るところだ。彼はここを6日と半日で登り切ったそうだが、最近の記録では2時間半で登ったクライマーがいるそうである。あとで息子から聞いた話では、その記録は日本人だそうで、それまで、破られないだろうと思われた2時間40分の記録を破ってしまった。ガイドの話によると道具とトレーニングの仕方の進歩が大きいとのことだ。ガイドはクライミングルートを知っているので、現在クライミング中の人間がいるかどうかを双眼鏡で確認し、二組のパーテイがいると指さした。我々も双眼鏡を使ってみると、確かに3名と4名のパーテイが中腹のクラック(岩の裂け目に)取り付いていた。滝の方は最近の日照りで、間欠的にしか水が落ちていない珍しい状況だった。
岩登りのメッカとなっている垂直の岩
ハーフドームと向き合う崖 少し高いところから撮影 左側の岩の中腹にクライマーが張り付いていた
草原 昔はここは沼だったそうだ
この展望台はまだ順序としては後に来るコースになっているのだが、ガイドは雲の状況を見て午後には雨が来ると読みここを先にした。このあとは①広い草原と2重滝、途中にメドウと呼ばれる草原空き地を挟んで②滝直下の予定である。
ところで、グレーシャーポイントで二つの出来事があった。
見えた!ブラウンベアだ。
ひとつはお弁当を食べていた時のこと。ミネラルウオーター、サンドイッチ、フルーツ、ポテトチップスの昼食セットが支給され、展望のきくところでハーフドームや、他の岩峰、滝などを眺めながら楽しんでいた。すると足元にかわいいリスがちょろちょろと走る。同行の義姉が「可愛いね」と言いながら弁当の一部を投げ与えようとしたら、近くにいたガイド氏が「ノー」と大声をあげた。野性の動物に餌をやるのは自然界ではご法度である。それをためらわずに注意するのは筋金入りのナチュラリストである。説明ポイントで見知らぬ人がガイド版を見て首を傾げていると進んで説明をしてあげている。ヨセミテが心底好きらしい。ここでは雷鳥にも出会えた。人懐こくすぐ横に来て、グルルグルルと鳴く。日本でもおなじみで、警戒心が薄い鳥だ。
2つ目はグレーシャーポイントから引き上げる際、同行のスペイン語をしゃべる若い女性が突然「ベアー」と叫び走りだした。緊急の時にも母国語ではなく英語で喋るのはさすが国際人である。向こうの林の中を指さしながらガイドも走る。みると、茶色の毛皮が動く塊となって100m先を横に進んでいる。中型の熊だ。ガイドは口に手を当てて、熊はシャイだから騒がないように静かに近づけと囁く。別のグループの中国人や白人がガイドの制止にも構わずグングン近づく。熊は大きな松の根元のウロに首を突っ込みなにか掘り出そうと必死だ。時々こちらに頭を向ける。2,3分餌漁りをしていたが、やがて人が近づいてきたのを確認して森の奥に向かって歩き去った。ガイド助手の女性に聴くと自分自身、生の熊に遭遇したのは初めてだそうで、少し興奮気味だった。
雨がかなりの勢いで落ちてきた
すぐ近くに滝が落ちている
更に奥へ行く橋
ロッククライミングのメッカの岩壁から次の草原に来た頃黒い雲が頭の上を覆い、その次のポイントに着いた頃は雨がずいぶん降ってきた。「行っても行かなくてもどちらでもいいよ」とガイドが言うくらい雨足が強くなってきた。「行く」といったのは9人の内私と義弟の二人だけ。まあ豪雨と行っていい中、ガイドと3人で歩き始めた。沢山の人が帰ってくる。しかしよく見ると欧米系の人は濡れるのを楽しんでいるようで雨をあんまり気にしない。それに比べ、中国系、韓国の人達は急ぎ足やら、シートを被るやら、雨を避けようと必死である。
滝の下近くの橋までつくと、滝が前方に迫る。雨なのでここまでで引っ返す。義姉が貸してくれた傘が殊の外役に立った。それにしてもガイドの天候判断は的確で、ここの自然を愛する者だけのことはある。この雨はしばらく続き、翌日ロッジの傍を流れる渓流はチョコレート色に濁ったままである。しかも、義弟が朝の散歩で近くに出かけたら、上流に向けて交通止の標識が出ており、昨日通った所へは行けない。一日違いで我々はセーフ。午後からの豪雨で土砂崩れしたのか、危険性が増したのか、いづれにしても通行止めになっていた。4番目の幸運である。
新しいぶどう園
風車の林
いずれにしても、幸運に見まわれ楽しいヨセミテ公園であった。次の訪問地ソノマへ向かって茶色に枯れた丘の間を縫って走る。丘の上には風力発電の風車が林立し、通り過ぎると、ゴルフ場や果樹園が現れる。果樹園と行っても半端な広さではない。東京ドームの何倍も有りそうな広さの緑が続き、路傍にはフルーツスタンド(マーケット)がならぶ。ちょっとしたモールが出てきたところで休憩がてら昼食に立ち寄る。最近開店したメキシコ料理へ入る。ここはアルコール免許のない店で、料理のみ。但しその量が多い。五人で五皿頼んだのだが、結局一皿はテイクアウトにしてもらった。(結局はそれもゴミ箱行きだったが)
最近開店した料理屋さん
メキシカン料理
味はいいのだが量が多い
ヨセミテヴュウロッジ
部屋の窓から見る谷川
ヴィウロッジ事務所
今回のアメリカ旅行のもう一つの目的地ヨセミテ渓谷も20年ぶりの訪問だったが、今回は4つの幸運に恵まれた。
その一 案内のガイドが素晴らしかった。
その二 そのガイドの配慮もあったが、天候に恵まれた。
その三 めったに遭遇できない熊に出会えた。
その四 我々の観光が終えてから交通止めになった。
ガイドバスはワンボックスカーにすし詰め
朝8:30宿舎のヨセミテ・ビュー・ロッジで車を待つ。今日は一日ツアーを取って渓谷内の案内を頼んだ。やってきたのはライトエース位のワンボックスカー。そこにフルメンバーの9名つめこまれる。料金の支払をカードでしている時、突然、踊りだす不思議な老人がガイド?単なる運転手?隣の女性がガイド?(後にあの踊りはカードの認証に時間がかかるので、その間にお客に退屈をさせては申し訳ないという配慮。隣の女性は助手、ということを説明してくれた)
ロッジ内のレストラン この前に集合
最初の説明地 森と壁が早くも現れる
とりあえず渓谷の全貌を軽く紹介
山の上から二つの滝を見下ろす
このガイドは最初の説明場所で道端の石ころを拾い、次の説明地では傍の木から葉っぱを取って説明を始めた。花崗岩の生成や木々の植生など、何か理科の野外実習みたいな説明だ。この人の説明では、山火事さえも自然界では意味がある(焼き畑農業と同じ原理で森林の再生に必要なのだそうだ。だからここでは山火事は大規模にならない限り見守る方針なのだそうだ)やがてグレーシャーポイントの展望台に来た時、この渓谷の開発者が彼の曽祖父だったこと、ルーズベルトが大統領になる前にこの地を訪れた時の案内はその人がしたことなど、由緒ある家柄の人だということがわかった。さらに彼はクライマーでもあり、このあたりの峰々はほとんど登っているらしい。ハーフ・ドームと呼ばれる巨岩の峰の上には数人の人影が見えた。そこは危険だが一応ハイキング(クライミング?)コースになっているらしい。
グレーシャーポイントとハーフドーム
足元で遊ぶ雷鳥
ここからの眺めは見飽きない
次の展望台では、ヨセミテ最大のロック・クライミング・ゲレンデと滝を見るところだ。彼はここを6日と半日で登り切ったそうだが、最近の記録では2時間半で登ったクライマーがいるそうである。あとで息子から聞いた話では、その記録は日本人だそうで、それまで、破られないだろうと思われた2時間40分の記録を破ってしまった。ガイドの話によると道具とトレーニングの仕方の進歩が大きいとのことだ。ガイドはクライミングルートを知っているので、現在クライミング中の人間がいるかどうかを双眼鏡で確認し、二組のパーテイがいると指さした。我々も双眼鏡を使ってみると、確かに3名と4名のパーテイが中腹のクラック(岩の裂け目に)取り付いていた。滝の方は最近の日照りで、間欠的にしか水が落ちていない珍しい状況だった。
岩登りのメッカとなっている垂直の岩
ハーフドームと向き合う崖 少し高いところから撮影 左側の岩の中腹にクライマーが張り付いていた
草原 昔はここは沼だったそうだ
この展望台はまだ順序としては後に来るコースになっているのだが、ガイドは雲の状況を見て午後には雨が来ると読みここを先にした。このあとは①広い草原と2重滝、途中にメドウと呼ばれる草原空き地を挟んで②滝直下の予定である。
ところで、グレーシャーポイントで二つの出来事があった。
見えた!ブラウンベアだ。
ひとつはお弁当を食べていた時のこと。ミネラルウオーター、サンドイッチ、フルーツ、ポテトチップスの昼食セットが支給され、展望のきくところでハーフドームや、他の岩峰、滝などを眺めながら楽しんでいた。すると足元にかわいいリスがちょろちょろと走る。同行の義姉が「可愛いね」と言いながら弁当の一部を投げ与えようとしたら、近くにいたガイド氏が「ノー」と大声をあげた。野性の動物に餌をやるのは自然界ではご法度である。それをためらわずに注意するのは筋金入りのナチュラリストである。説明ポイントで見知らぬ人がガイド版を見て首を傾げていると進んで説明をしてあげている。ヨセミテが心底好きらしい。ここでは雷鳥にも出会えた。人懐こくすぐ横に来て、グルルグルルと鳴く。日本でもおなじみで、警戒心が薄い鳥だ。
2つ目はグレーシャーポイントから引き上げる際、同行のスペイン語をしゃべる若い女性が突然「ベアー」と叫び走りだした。緊急の時にも母国語ではなく英語で喋るのはさすが国際人である。向こうの林の中を指さしながらガイドも走る。みると、茶色の毛皮が動く塊となって100m先を横に進んでいる。中型の熊だ。ガイドは口に手を当てて、熊はシャイだから騒がないように静かに近づけと囁く。別のグループの中国人や白人がガイドの制止にも構わずグングン近づく。熊は大きな松の根元のウロに首を突っ込みなにか掘り出そうと必死だ。時々こちらに頭を向ける。2,3分餌漁りをしていたが、やがて人が近づいてきたのを確認して森の奥に向かって歩き去った。ガイド助手の女性に聴くと自分自身、生の熊に遭遇したのは初めてだそうで、少し興奮気味だった。
雨がかなりの勢いで落ちてきた
すぐ近くに滝が落ちている
更に奥へ行く橋
ロッククライミングのメッカの岩壁から次の草原に来た頃黒い雲が頭の上を覆い、その次のポイントに着いた頃は雨がずいぶん降ってきた。「行っても行かなくてもどちらでもいいよ」とガイドが言うくらい雨足が強くなってきた。「行く」といったのは9人の内私と義弟の二人だけ。まあ豪雨と行っていい中、ガイドと3人で歩き始めた。沢山の人が帰ってくる。しかしよく見ると欧米系の人は濡れるのを楽しんでいるようで雨をあんまり気にしない。それに比べ、中国系、韓国の人達は急ぎ足やら、シートを被るやら、雨を避けようと必死である。
滝の下近くの橋までつくと、滝が前方に迫る。雨なのでここまでで引っ返す。義姉が貸してくれた傘が殊の外役に立った。それにしてもガイドの天候判断は的確で、ここの自然を愛する者だけのことはある。この雨はしばらく続き、翌日ロッジの傍を流れる渓流はチョコレート色に濁ったままである。しかも、義弟が朝の散歩で近くに出かけたら、上流に向けて交通止の標識が出ており、昨日通った所へは行けない。一日違いで我々はセーフ。午後からの豪雨で土砂崩れしたのか、危険性が増したのか、いづれにしても通行止めになっていた。4番目の幸運である。
新しいぶどう園
風車の林
いずれにしても、幸運に見まわれ楽しいヨセミテ公園であった。次の訪問地ソノマへ向かって茶色に枯れた丘の間を縫って走る。丘の上には風力発電の風車が林立し、通り過ぎると、ゴルフ場や果樹園が現れる。果樹園と行っても半端な広さではない。東京ドームの何倍も有りそうな広さの緑が続き、路傍にはフルーツスタンド(マーケット)がならぶ。ちょっとしたモールが出てきたところで休憩がてら昼食に立ち寄る。最近開店したメキシコ料理へ入る。ここはアルコール免許のない店で、料理のみ。但しその量が多い。五人で五皿頼んだのだが、結局一皿はテイクアウトにしてもらった。(結局はそれもゴミ箱行きだったが)
最近開店した料理屋さん
メキシカン料理
味はいいのだが量が多い