ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ロケットも神頼み

2005年03月04日 | 通信-社会・生活

 若い頃から「食っていけさえすりゃいいや」と生きてきているので、いい仕事をしようとか、金持ちになろうとかなどの場合に発生する試練を、私はあまり経験していない。私の若い頃から今日までの日本で、「食っていけさえすりゃいいや」と生きている人間が、食うに困るほどの窮状に陥ることはそうは無いと思う。失業者が増えたとはいえ、健康な体でありさえすれば、そして、3Kでも構わなければ、仕事はある。
 試練を経験していないので、私は精神的に鍛えられていない。よって、チャンスの時にここぞという力を発揮できず、ピンチの時にこれぞという力を、たぶん発揮できない。そもそも何かのチャンスなんてものにも出くわしたことが無く、ここで失敗したら人生お先真っ暗、なんていうような崖っぷちに立たされた経験も無い。
 2月26日の夕方、日本の国産ロケット、H2A、7号機が打ち上げられた。前回の打ち上げに失敗していることもあり、また、今使用しているアメリカの衛星の寿命がもうすぐ尽きるらしいとのこともあって、今回のロケット打ち上げは、“絶対に”失敗はできないとのことであった。ロケットの関係者(宇宙開発機構だったか)たちにとっては、まさに崖っぷちの挑戦となったようなのだ。“絶対に”・・・怖い言葉だ。
 その日の朝のニュースで、関係者たちが種子島の神社にお参りしている場面があった。科学の先端を行く技術者たちにとっても、絶対に失敗できない崖っぷちの挑戦となった今回は、神頼みも必要だったのだろう。・・・と思って見ていたら、何と、神頼みは毎回のことらしい。ということは、神頼みして前回は失敗したのだ。それなのになおもまだ続けるのかと不思議に思って、続きを見る。神を信じる科学者たちは、3つの神社を回る順番を変えたとのこと。それが効を奏して(とは思わぬが)ロケット打ち上げは成功した。
 科学の最先端である宇宙ロケットも神頼みする、ことに可笑しみを感じた私は、今回のロケット関係者たちが感じたであろう崖っぷちを経験したことが無い。だから、これまでの人生で神頼みしたという経験も無い。仕事や金に関することでは試練を経験していないが、いい女を得ようとする場合に発生する試練は何度も経験している。その際にも「あー神様、どうか彼女と上手くいきますように」なんて神頼みをしたことは無い。そして、そんな神をも恐れぬ慢心が原因なのか知らないが、当たって砕けろとばかりにアタックした結果、多くの場合当たって砕けている。今では、私のハートは継ぎ接ぎだらけとなっている。それでもなお、神様なんて頼るもんかい!フンッだ!と思っているのだ。

 記:2005.3.4 ガジ丸