いつもの週末、いつものユクレー屋、でも、カウンターはいつものようでは無い。マミナ先生が暇なときは、彼女がカウンターの仕事をやってくれていたが、最近は忙しいとの事で、このところ私とケダマンが立っている。
そのマミナ先生が久々にやってきた。で、彼女から、彼女自身の一大ニュースとなる話を聞く。しばらく島を離れ、オキナワで生活するとのことだ。
「三ヶ月もユクレー島を離れるの?」
「まあね。私も長くこの島にいるから、オキナワに三ヶ月っていうのはちょっと不安もあるけどね。でも、そのくらいないと、オキナワの生活は感じられないからね。」
「そうかぁ、でも、明日っていうのは急だね。それに、勝さん、新さん、太郎さんも旅に出る予定があると言うし、ずいぶんと淋しくなるね、この島も。」
「勝さんたちの旅は一ヶ月位さあ、私も三ヵ月後には帰ってくるよ。その頃はまた、ユーナが夏休みだからね。夏には賑やかになるさあ。」
「将来を考えてって言ってたけど、マミナの将来ってどんなこと?」
「いやね、ウフオバーの後を継ぐってずっと思ってたんだけどね、選択肢は他にもいろいろあるだろうし、それに第一、ウフオバーの後を継ぐには、私もまだまだ経験不足だろうと思ってね、これからはちょくちょく外の生活もやってみようってわけ。」
「いろいろな選択肢か。もしかしたら、60過ぎても脂ぎった奴いっぱいいるから、運命の出逢いがあって、アツアツドロドロの恋もありうるな。」(ケダ)
「まあね、それは可能性薄いけど、ちょっと期待もしておくさあ。」
「ふーん、そうかぁ。まあ、そうだね。いろいろな経験をしておくのはいいことだと思うよ。この島は少しのんびりし過ぎているからね。」
「ありがとうね、理解してくれて。それよりさ、これ、私の最後っ屁。」とマミナは言って、手作りの冊子を出した。絵本だ。
この日はマミナ先生の壮行会もあったが、本人が、準備があるからということで早く帰ったので、今回はユクレー島の話はここまでとし、新作絵本の紹介。いつものようにマミナが文、ガジ丸が絵、タイトルは『しわしわわし』
記:ゑんちゅ小僧 2009.4.17 →絵本(しわしわわし)