先週月曜日(12日)、突然父の体調が悪くなり、以来ずっと実家へ通っていた。それまで父は、一人で杖をついて歩くことができ、手摺を頼りに階段を上ることもできていたのだが、足がむくんで歩き辛くなり、その状態は日増しに悪くなっていった。
火曜日、杖では歩けなくなって、歩行器を使うようになり、歩行器やその他の器具が無ければ椅子から立ち上がれなくなり、ベッドからも起き上がれなくなってしまった。木曜日には階段を上れなくなった。金曜日には歩行器を使っても足元が覚束なくなった。
足のむくみはそのうち治ると医者は言っていたが、いったん引いても、また元のようにむくんだりして、治る気配が無い。で、土曜日の午前中、病院へ連れて行く。
実は、月曜日(12日)に従姉Mが父を病院に連れて行き、診て貰っている。その時の診断は、「レントゲンを見る限り、骨には何の異常もありません。むくみは足を下げた状態が長く続いたせいです。」とのこと。整形外科の医者であった。
「座る時も足を上げてください。湿布薬を処方するので貼ってください。」という医者の指示を守ったのだが、以降、父の症状は改善しない、どころか、上に述べたように体力がどんどん衰弱していく。「何で?」と医学的素人の私は思う。
「内科的な病気かもしれないから血液検査をして貰ったら。」と従姉の夫から助言を貰う。で、土曜日、内科である父のかかりつけの病院へ行き、血液検査をして貰った。その結果は数日後と言うので、その日はそのまま帰る。
そのまま帰って、父に食事をさせる。食後に父はコーヒーを飲む習慣がある。たいてい自分で入れて飲む。その時も、歩行器を使って、コーヒーメーカーのある場所まで歩いて行った。私は近くにいたが、父から目を離していた。突然、「あい、あい、あい、」という声がして、見ると、父がゆっくりと床の上に倒れいった。土曜日のお昼後の事、その時から、父は歩行器を使っても歩けなくなってしまった。
日曜日(18日)の朝になると、父はベッドから全く動けずにいた。抱き上げて、両手に歩行器を握らせて、両足を床に付けてみる。手を離すと、父は崩れる。父はもう歩くどころか、つかまり立ちさえもできなかった。
父はどんどん衰弱していく。日曜日の午後、従姉Hの助言で、父を救急に連れて行く。病院は前週の月曜日に行ったのと同じ病院。そこでは、前回と同じく整形外科医が父を診た。診断も前回と同じ。「父はもう立てない程衰弱しています、腿が痛いとも言っています。」と訴えると、「体を動かさないので筋力が衰えているのです。腿の痛みは腿の筋肉が衰えたせいです。」と答える。プロがそう言うならそうなのかと、病院とはほとんど縁のない私は、多少疑問を持ちながらも納得してしまった。
玄人の医者に素人の私が、「先生、お言葉を返すようですが、父の不具合は外科では無く、内科の問題ではないですか?」とは物申せなかった。私としては、医者ならば、人間の体を見る玄人ならば、父の不具合が内科的問題であるとしたら、「これはもしかしたら内科の問題かもしれません。」と見抜くものと思っていたのだ。
翌日、従姉Mの助言もあり、父のかかりつけの病院へ行き、紹介状を書いてくれるよう頼んで、やっと、内科の検査を父は受けることができた。即、入院となった。
記:2010.4.23 島乃ガジ丸