ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

健康野菜

2012年04月20日 | 通信-環境・自然

 長引く不況によって私の勤める会社も収入がガタ落ちし、元々変則雇用の私は週休3日であったが、2009年8月からは週休4日となり、2010年3月からは週休5日となる。週休5日の給料は5、6万円しか無い。毎月が赤字生活となった。
 その赤字をいくらかでも埋めるべく、まあ、週に休みが4日間もあるという時間の余裕もあったので、2009年9月から親戚の土地を借りて野菜作りを始めた。
 その土地は元々畑だったわけじゃなく、宅地であった。現状は雑草生え放題の土地。先ずは除草から始める。地上部を刈り取って、そのあと耕しながら雑草の根の除去、石ころの除去などを行う。雑草だらけ石ころだらけだった土地に堆肥を混入して、先ずはたったの5坪程だが、野菜の苗を植え付けたのは年明け2010年1月となった。
 しかし、その年の春、父の具合が悪くなり、介護をし、入院し、葬式がありなどして、また、財産の相続届けが煩雑で多くの時間を費やしたこともあり、畑は放ったらかしになった。雑草だらけの畑に逆戻りしてしまった。で、また一からやり直しとなる。

 翌2011年の冬から畑作業をコツコツ始め、春には念願の畑小屋も完成し、園路作りも順調に進んで行った。ところが5月、旧アパートでのシロアリ騒動、実家へ一時引っ越し、現アパートへの引っ越しなどがあり、夏には、またも畑は雑草だらけとなる。
 雑草が蔓延る畑、炎天下で汗びっしょりになりながら草抜きをしている時に、「あー、来る日も来る日も草抜きばかり、もう嫌だ!」と太陽の熱に頭が爆発し、そしてふと、魔がさした。「除草剤を使おう」と。除草剤を使ったのは、敷地内の、畑にはしていない個所である樹木の下、園路、刈草置場などで、そこも全面散布したわけでは無く、狙いは主にコウブシとハイキビであったが、それでも、夏の間に数回は撒いた。
 「過去は振り返らねぇ」とカッコ良く生きたいのだが、私は時々過去を想い出し、「あーぁ」とため息をつき、後悔することがある。除草剤も後悔となった。
          

  今年になって、ヤンバル(山原と書く、沖縄島中北部の通称)の無農薬有機栽培農家、Iさん、Tさんと会い、その話を聞く機会を何度か得ている。先週木曜日(12日)に4度目の訪問をした。栽培技術の他、有機栽培の良さなどを教えて貰っている。
 「無農薬有機栽培の作物が人間の健康にとっていかに大事であるか」をIさんやTさんは語る。健康な野菜を食べることによって健康な体が作られるということだ。「さもありなん」と私も思う。思いはするが、不健康野菜を食べ続けるとどうなるか、健康野菜を食べ続けるとどうなるかといった実験をしたことが無いので、ここではっきり「健康野菜は体の健康にもいいよ」と結論できない。ので、「いいらしいよ」としておく。
  去年の夏、除草剤を使ったが、それを後悔し、反省した。で、それ以降、私の畑にはいつでもどこにでも雑草が生えている。おそらくもう、畑に撒かれた除草剤もその毒性を失っているに違いない。よって、私の畑の野菜は健康野菜である、としておく。
 ただ、私が健康なのは我が畑の健康野菜を食っているからとは、結論できない。元々体が丈夫だからかもしれないし、呑気に生きていてストレスがほとんど無いせいかもしれない。あるいは、沖縄の風土が私の心身に合っていて、それに助けられているのかもしれない。ただ一つ言わせてもらえれば、「健康野菜は美味しい」、これは間違いない。
          

 記:2012.4.20 島乃ガジ丸


マッシュポテト

2012年04月20日 | 飲食:食べ物(料理)

 アメリカ食の一つ

 私の小さな畑で今年収穫したジャガイモは、商品になりそうな大きさのものだけで約90個、種イモは20個だったので、種イモ1個からだいたい4~5個できたことになる。そのうち約40個は親戚友人たちにあげたので私の食料となったのは約50個、ジャガイモが主食になったのは3月5日から、これを書いている今日は4月6日、ジャガイモはまだ数日分は残っているので、ジャガイモが私の主食になったのは約1ヶ月、50個が1ヶ月分だったことになる。種イモがいくらだったか忘れたが、まあ、千円はしなかっただろう。全部自分で消費すれば、千円で1ヶ月半位は生きて行けるわけだ。

 私は、週に2日の出勤日には弁当を持って行き、1日3食となるが、その他の日は1日2食である。朝食はその日一日のエネルギーに使われるもの、夕食は寝ている(体が休んでいる)間に体が必要とする養分を摂取するものという考えである。出勤日は、概ね事務仕事なのだが、その日突然現場仕事(肉体労働)ということがあるので、それに備えてのもの。肉体労働はエネルギーを激しく使う。昼飯抜きだと夕方まで持たないのだ。
 一週間に16食、その毎食毎食がジャガイモだったわけでは無い。弁当はジャガイモ、夜の肴にもジャガイモは出てきたが、ソバ、ウドン、スパゲッティーなどの麺類やパンもこの一ヶ月の間に数える位は食べている。「ジャガイモだけだと飽きるから」というわけでは無く、「ジャガイモだけだと楽しく無いから」という理由による。

 一ヶ月の経験から、ジャガイモを主食にしても飽きることは無いという結論を得た。私は将来、甘藷(サツマイモ)を主食にして生きていこうと計画しているが、3月4月の二ヶ月間はジャガイモ月間にしてもいいなと思った。
 私のジャガイモは完全無農薬有機栽培である、といっても、ジャガイモは元々病害虫の少ない作物で、私のジャガイモにはカメムシが少しいて、葉を少し齧っているくらい。肝心の土中の芋もいくらかは何者かに齧られた跡はあったが、気にならない程度。
 無農薬有機栽培のジャガイモは皮ごと食う。たわしで表面の泥をきれいに落とし、その後は、そのまま蒸す、煮る、スライスして焼くなどして食う。この中ではスライスして焼くが一番旨い。表面に少々の焦げ目が付いてパリっとなった位の焼き具合、塩を振って、あるいはスライスチーズを乗せて食べる。蒸したものも旨い。甘味が出る。

  蒸した(普通は茹でた)ジャガイモを皮ごと(普通は皮無し)潰して、練る。これにハムやタマネギ、茹でタマゴを加え、マヨネーズで和えるとポテトサラダになる。私の好きな食べ物の一つだが、今回のジャガイモ月間では、それは1度しか作らなかった。ポテトサラダは主食には不向きだからだ。パンのおかず、ワインの肴に向く。
 蒸したジャガイモを皮ごと潰して、練る。それをそのまま食う。塩も胡椒も要らない。味付けは要らないがおかずは要る。他の野菜の漬物や目刺がおかずとなる。
 普通は皮無しで、普通は茹でたジャガイモを潰して、練る。これに味付けしたものをマッシュポテトと言う。青い箱に入った、平たい白い粒を器に移し、それにお湯をかけて、練って、あれこれ味付けした(概ねマヨネーズ味)ものを子供の頃たまに食べていた。それがウチナーンチュのマッシュポテト、アメリカからやってきた食文化の一つだ。

 マッシュポテトが広辞苑にある。mashed potatoesと書く。「ジャガイモをゆでて裏漉ししたもの。バター・牛乳などを加え、肉・魚の料理の付合せとする」とのこと。
 

 記:2012.4.6 ガジ丸 →沖縄の飲食目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行