ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

母性の魅力

2013年05月31日 | 通信-その他・雑感

 梅雨を忘れたかのように今週の空は晴れが続いている。月曜日は曇りがちであったが、火曜日は晴れた。太陽がガンガン照りつけた。非常に暑かった。水曜日も晴れた。太陽はさらにガンガン照りつけた。死ぬほど暑かった。昨日も晴れた。太陽はまるで殺人光線となって働く農夫を襲った。その暑さは死んでもなお、あまりの苦痛に「熱い!」と怒鳴って、生き返ってしまうのではないかと思われるほどであった。
  暑さは昼間だけでは無い。夜も暑い。熱帯夜が続いている。強烈な太陽光線がコンクリートを熱し、輻射熱となって建物全体を熱くし、夜になっても部屋の中はもわーっとしている。扇風機を一晩中回しているが、それでも寝苦しい。
 寝苦しい夜は夢を多く見る。濃い夢も多くなる。ここ数日それが続いているが、水曜日の夢はよく覚えている。濃い上に長編であった。
          

 「じゃぁ、またいつか」と声を交わして友人達がタクシーに乗った。高校のクラス会があって、夢の始まりはそれが終わった時点から。タクシーの運転手は別グループの友人Mであった。彼が車をぶつけそうになって・・・という件もあるが、それは省略。
 クラス会のあった場所は首里、私が前に住んでいたアパートのすぐ近く。私はそのアパートに住んでいるようで、皆を見送った後、そこへ帰ろうとしている。
  アパートの方向へ向きを変えた時、建物の影にクラス会のメンバーの一人T子が立っているのが見えた。T子は真っ裸だった。
 「どうしたんだ?その格好」という問いに彼女は何やら答えたが、その内容はよく覚えていない。取りあえずと、私は私の着ている上着を彼女に着せて、
 「俺のアパートに行こう、ジャージか何か着られる物があるだろう」と誘った。ちょっと戸惑った顔をしている彼女に、
 「期待していることも起きないし、不安に思っていることも起きねーよ」と私は笑って言った。すると、彼女もにっこり笑って、肯いた。

 その夢は長編だ。その後、アパートに停めてある私の車に彼女を乗せて、部屋に入って彼女が着られそうな服を探し、ところが、部屋の半分は別の家族、祖父、祖母、父、母に子供2人という家族がいて、父、母の仕事は能楽師。アパートの1階には外人、ヨーロッパ系の人、南米系の人たちが住んでいて、などなどと続くが、それも省略。

 「期待していることも起きないし、不安に思っていることも起きねーよ」と夢の中で私はT子に言っているが、T子に女性としての魅力が無いというわけでは無い。高校生の頃の彼女は可愛かったし、思わず抱きつきたくなるほどの色気もあった。
 ただ、分別のあるオジサンとなった私は、彼女の魅力が唇でもおっぱいでもお尻でも無いことに気付いていた。彼女の魅力は母性の優しさであった。それは高校生の頃からT子に備わっていたと思う。夢の中では、アパートへ向かって歩く間、車に彼女を乗せている間に彼女と多く会話をしていて、その時、彼女の母性の魅力を確信している。
 そういえば、私が「何で掴まえておかなかったんだ」と生涯で最も後悔している女性、M女はまさしく母性の魅力であった。包み込むような優しさ、男が安らげる魅力だ。
          

 記:2013.5.31 島乃ガジ丸


オオミドリサルハムシ

2013年05月31日 | 動物:昆虫-甲虫目

 猿は無視

 知的生命体の住むある星に体色が緑色の猿がいて、名前はその見た目通りミドリサルといった。そのサルから進化した生物がいて、それがその星を支配する知的生命体。ミドリサルより体がずっと大きいので、生物としての名称はオオミドリサル。
  チタマ(地球)に住む知的生命体はヒトという名称だが、ヒトは概ね好戦的で、しかも傲慢であった。恒星間移動もできるほど科学が発達したヒトは、資源を求め他の星へどんどん進出していき、その星の資源を、ある場合、例えばその星の知的生命体が十分進化していた場合は武力でもって強引に不公平貿易をし、別の場合、例えば、その星の知的生命体が十分進化していないと判断した場合は、有無を言わさず資源を略奪した。

 ある年ある日、ヒトはオオミドリサルの住む 惑星へ降り立った。その星を代表する知的生命体がオオミドリサルであることを知ると、ヒトは貿易の話などまったくせずに、圧倒的武力を背景に、好きなままにその星の資源を略奪していった。
 オオミドリサルはその見た目で「進化が不十分」とヒトに判断されたのだ。オオミドリサルはその名の通りサルに似ていた。「猿は無視」とされたのであった。

 映画『猿の惑星』は壮大な想像力から生まれた映画だと思う。内容は哲学的でもあり、優れた作品だと公開当時評価されている。あー、それに比べ、私の想像力の何と貧困なこと。上記はオオミドリサルハムシという名から貧困な想像力が生んだ話。

 
 オオミドリサルハムシ(大緑さる葉虫):甲虫目の昆虫
 ハムシ科 南西諸島に分布 方言名:不詳
 小さなカナブンかと思うくらい大きめのハムシなのでオオ(大)、体が緑色をしているのでミドリ(緑)、葉を食べるのでハムシ(葉虫)などというのは解るが、サルが不明。見た目が猿に似ているということはない。木登りが上手なのかもしれない。
 体長は8~11ミリ内外あり、よく見かけるウリハムシ6ミリ内外、カミナリハムシ5ミリ内外に比べて大きい。16~26ミリあるリュウキュウツヤハナムグリ(子供の頃それをカナブンと呼んでいた)に比べるとずっと小さいが、本種の体背面はリュウキュウツヤハナムグリのように強い光沢があり、で、「小さなカナブンか?」と間違う。
 琉球列島原名亜種と沖永良部島亜種がある。琉球列島原名亜種は背面が青緑色、沖永良部島亜種は背面が紫青色をしているとのこと。
 成虫の出現は4月から6月。寄主はリュウキュウテイカカズラ。
 
 交尾

 記:2013.5.28 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行