ガジ丸が想う沖縄

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日本の良心

2015年04月24日 | 通信-その他・雑感

 青年の頃は「こんなオジサンになりたい」、オジサンになると「こんな爺さんになりたい」と憧れていた高倉健が昨年亡くなり、憧れていた私は感慨を深くし、『克己の人』という題の一文を書いてブログに載せた。克己とは「意志の力で、自分の衝動・欲望・感情などをおさえること」という意味。高倉健はそういう人であるといった内容。
 そのすぐ後に、菅原文太も亡くなった。私は任侠映画を好まなかったので高倉健も菅原文太もその類の映画ではほとんど観ていない。そうでない映画ならいくつか観ている。高倉健は『幸せの黄色いハンカチ』や『八甲田山』。菅原文太は『トラック野郎』の1つを確か観ている。『トラック野郎』、観てはいるが内容はほとんど覚えていない。
 菅原文太については、晩年、映画の仕事を減らして農業をやっていたということを噂に聞いていたが、それ以上の情報が私に無く、ただ何となく「この人も克己の人なんだろうな」というイメージのみ持っていた。よく知ればたぶん、憧れていたかもしれない。

 『トラック野郎』で覚えているのは、トラックが派手にデコレーションされていたのと文太の相棒が愛川欽也だったことくらいだ。2人の役名も記憶にない。映画の記憶はほとんど無いが、芸能人愛川欽也については菅原文太よりもずっと馴染みがある。
 高校生から浪人生の頃、深夜のラジオ番組をよく聴いていた。『パックインミュージック』という番組もその一つ。パーソナリティーは日替わりだったと覚えている。その1人に愛川欽也がいた。彼の担当する日は少しHで面白かった。「タマタマ」、「ポール」とかいった言葉を覚えている。女性のあそこを何といったか覚えていないが、投稿の一文が今でもおぼろげに記憶にある。聴いていて興奮したことも覚えている。
 「あそこに口紅を塗ってパクパクさせてみた」という女子からの投稿。「あそこは口紅が塗れるような形をしているのか、パクパクもできるのか」と、まだ見ぬ憧れのあそこをあれこれ想像して、悶々とした夜を過ごしたことをおぼろげに。

 愛川欽也は他にも、『なるほどザワールド』というテレビ番組で観ているが、それよりも3年前に知った『kinkin.tv』というネットテレビが印象に強い。すごく良い番組だと思い、これについても『きんきんどっとてれび』というタイトルでブログを書いている。
 そう言いつつも、じつは、私はパックインジャーナルのインターネット会員でもDVD会員でもない。2012年4月に「4月中はインターネット会員もDVD会員も無料サービス」の恩恵に与って第一回、第二回、第三回分のDVDを観たのみ。それでも、いつかは会員になろう、意見や感想もたくさんメールしようと望んではいた。
 先週金曜日、いつものようにガジ丸HP及びブログをアップするために金曜日の職場へ行く。ネットを開くと、あるニュースが目に入った。愛川欽也死去。
 「まさかこんなに早く」というのが率直な感想である。きんきんはよくしゃべるし、声も大きいし、長生きするだろうな、あと10年はパックインジャーナルやっているだろうな、日本の良心として社会に目を光らせてくれているだろうなと期待していた。
 愛川欽也は高倉健や菅原文太のような「男」、「侍」といったイメージでは無く、近所の優しくて思慮深い爺さんといった感じ。「曲がったことは嫌ぇだ」といった頑固さも併せ持つ人。日本の良心だと私は思う。その死去をとても残念に思う。合掌。
          

 記:2015.4.24 島乃ガジ丸