「OCNブログ人サービスは2014年11月30日をもちまして終了いたします」というメールがOCNから同年6月始めにあった。私はその「OCNブログ人サービス」を使って、他人から見りゃどうでもいいような文章をアップしていた。他人から見ればどうでもいいことでも、自身は気に入っている。この先も続けたいと思った。
知らせがあって4ヶ月経った10月、のんびり者の私もやっとブログ引っ越しに関わる作業を始めた。どうすれば楽に正確に引っ越せるかを調べてからと思ったが、ぐずぐずしている内に期日が迫って、その調べが十分でない内に「えいっ」と引っ越した。
引っ越しそのものはすぐに終わったが、引っ越し元と引っ越し先のデータ処理及び管理などの方法が少々異なっていたらしく、ブログはそっくりそのまま引っ越し完了とはならなかった。写真や記事の体裁に不備があり、目次や写真のリンクに不備があった。ガジ丸ブログの記事や写真の量は膨大な数なので、その修正には時間がかかる。引越し作業を始めて1年と3ヶ月が過ぎた今年1月になっても、修正作業はまだ山のようにあった。
沖縄は年末から雨が多く、年が明けるとさらに雨の日が多くなり、雨の日は畑に入れないので畑仕事が遅れている。雨のせいで畑仕事は遅れているが、雨が多いことで進んでいる作業もある。まだ山のようにあったブログ修正作業だ。雨の日はたいてい、ネットの出来る環境である従姉の夫の事務所へ行き、ネットを使わせて貰ってブログ修正作業をやっった。1月の1ヶ月間でだいぶ進んだ。そして、やっと先が見えてきた。
実は、1月の上旬で「ふー、やっと終わるぜ」という段階に来ていた。私はけして完璧主義者では無い。むしろ、どちらかと言うと「いい加減主義者」である。ウチナーンチュの伝統的性質テーゲー(大概)気分を正しく受け継いでいる。そんな私に「やっと終わるぜ」と思ったすぐ後に、ふと魔が差した。修正作業の進んだ自分のブログページを見ながら「これをこうすればもっと見やすくなるな」と思ってしまった。
私はけしてせっかちでは無い。どちらか・・・と迷うことなく、私は南の島人(シマンチュ)らしくのんびり屋である。そんな私がふと魔が差して、思ってしまったことをすぐに実行に移してしまった。実行に移した作業とはブログ記事に載せてある写真のサイズを大きくするという作業、その作業を1年分終えてから「しまった、こりゃあだいぶ時間かかるぜ、あと11年分あるぜ、週一の作業だと3ヶ月分の仕事量だぜ」と気付いた。
私はけしてしつこい性格では無い。「付きあってくれませんか?」と申し出て、「嫌です」と応えられたら大人しく引き下がる。引き下がってしばらく泣いて忘れている。そんな私なので、「これは時間がかかり過ぎる。中途半端でもいい、止めよう」と、途中で何度も挫けかけた。でも続けた。2月に入っても雨の日が多かったことで続けられた。
そして、先週金曜日(2016年2月12日)、2014年10月から始めたブログ移動、及び修正作業はやっと終了。終了と言っても、完璧が100とすると、80くらいの出来。修正作業で過去の記事を見ると、「あれはあーした方が、これはこーした方が」と思うところが他にも出てきたが、それらは無視する。これまでの全ての記事を見たが、誤字脱字に気付いたら直したくなるので読むことはしない。テーゲー主義者の私にとって80%は身に余る上出来であり、満足。で、思った。「テーゲー主義者は楽だぜ」と。
記:2016.2.19 島乃ガジ丸
1人だけど独りじゃない
私は1人でいることが多い。例えば今月2月、昨日(11日)までの11日間で、私が会って話をした人とその回数は、近所の先輩農夫Nさんと2回、同じく先輩農夫Sさんと1回、友人Oの店へ行って彼と1回だけ。その4回を足して2時間も無い。電話もほとんど無い。従姉Kと1回、甥Tと1回、その2回で1分も話していない。
あんまりしゃべらないとその内言葉を忘れ、声帯が退化して、しゃべり方も忘れてしまうのではないかと思わぬでもないが、ラジオをよく聞いているし、文章もよく書いているので言葉を忘れるってことはなかろう。だがしかし、発生の仕方を、あるいはしゃべり方を忘れ、すぐに声が出ないということになる可能性はあるかもしれない。
家では100%に近く1人、畑でもほぼ1人で、その内しゃべり方を忘れてしまうかもしれない私は、ブログ記事の中でしばしば「私は独りである」といった内容のことを書いていた。が、しかし、今回気付いた。よーく考えると私は1人かもしれないが、独りではないことに。・・・これについては別途述べることにして、ここは蛾の紹介。
ヒトリモドキガ科という蛾の1群がいる。ガジ丸HPでもこれまでにキイロヒトリモドキ、シロスジヒトリモドキを紹介している。今回紹介するイチジクヒトリモドキも含め、私が彼らを見つけた時、彼らは1人(匹)であった。ということで、ヒトリという文字から、生活のほとんどを1人でいる私は「独り」を連想し、ヒトリガも孤独な蛾なのかとつい思ってしまった。が、ヒトリモドキのヒトリは独りでは無く、灯という意味。
ちなみに、彼らが孤独なのかどうかは文献にも説明がなく、不明。私が孤独なのかどうかについては、一人であっても、けして独りでは無いと、重ねて言っておこう。
イチジクヒトリモドキ(無花果灯擬き):鱗翅目の昆虫
ヒトリモドキガ科 沖縄島、石垣島、南大東島、台湾、インドに分布 方言名:ハベル
名前の由来、資料が無く正確には不明だが、ヒトリモドキはヒトリガ科に見た目が似ているからで、灯擬き、イチジクは本種の食草がイチジク属の植物であることからだと思われる。ちなみに、ヒトリは独りでは無く灯、灯火に集まるからきている。
時に多く見られ、時に見えないこともあり、「土着か渡り昆虫なのかまだ不明である」とのこと。私が見たのは2008年8月の午後、宜野湾市にある嘉数高台公園で。その時以来お目にかかっていない。大きめの蛾なので見逃すことはないと思う。
前翅長26ミリ内外。『沖縄昆虫野外観察図鑑』に「灯火にも飛来する」とあり、「にも」が意味するところを考えれば、昼間も活動しているものと思われる。食草は前述した通りイチジク属の植物、ガジュマル、イヌビワなどその属の植物は沖縄に多くある。
成虫
成虫上から
記:ガジ丸 2016.2.12 →沖縄の動物目次
参考文献
『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
『いちむし』アクアコーラル企画発行