ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

怖い新型流行性感冒

2017年02月03日 | 通信-科学・空想

 今週月曜日(30日)、小雨の降る中畑へ出勤し農作業を少しやった。小雨は小雨の内でも小雨だったので合羽を着ずにやった。ほんのちょっとで終わるつもりが夢中になってしまい、そのせいで頭部はたくさん濡れ、上半身も少し濡れた。
 夕方になると寒気がした。「しまった、濡れたせいで風邪引いたかも」と心配していたら、咳が出て、鼻水が出て、くしゃみが出て、間違いなく風邪。家に帰って、畑の生野菜などを肴に酒飲んで、風呂入って身体を温めて寝る。翌朝目覚めると、風邪は酷くなっていた。全体に寒気がする、寒気は痺れのようにも感じられ身体全体がだるく、痛い。
 その日(火曜日)はずっと寝ていた。身体の痺れがとれない、トイレに立つことも面倒なくらい身体がだるかった。大好きな豆腐屋さんが家の近くを通ったが、豆乳が飲みたかったのだが、立って玄関を出て豆乳を買う、という元気は全くなかった。
 「こんな時だな、人生のパートナーが必要なのは」と思った。この先歳取ったらもっと酷い状況になることもあるはずだ。酷い状況でも豆乳が飲みたい。「パートナー募集中」とするか。月に1回か、2~3ヶ月に1回通うだけでいいよ、誰かいない?

 パートナー募集中は少し遠くへ置いといて、今回の風邪、1日中寝ていた火曜日の翌日には、痺れもとれ、くしゃみも回数が減り、咳が頻繁に出て痰も出るようになった。痰が出るようになったら風邪も治り始めと聞いたことがある。で、朝、畑へ出勤し、2時間ばかり作業してみたが、身体にだるさが残っている。頭痛も少し出てきた。ということで、午前中で引き上げて家に帰り、あとは布団にもぐりこんでひたすら寝る。
 1日中寝ていた火曜日、とこの日水曜日は、そんなわけで2日連続の休肝日となった。2日連続は会社勤めしていた数年前までは週に1回あったが、それ以来。身体がだるいので酒飲んでも美味いわけがない、酒好きの私は酒に対してそんな失礼なことはしない。
 火曜日、水曜日、木曜日の朝は習慣としているモーニングコーヒーも飲まなかった。月曜日の夜からはタバコも吸っていない。水曜日の朝に1本火をつけたが、煙が喉を通らなくて4、5服吸って消した。コーヒーもタバコも酒と同じく風邪引くと不味くなる。
     
 木曜日(昨日)の朝、目覚めると肩凝りが少しあり、身体のだるさも残っている。2日間寝てばかりいたので、そのせいで身体がなまってだるいのだろうと判断し、朝、畑へ出勤、身体を動かした。2時間ばかり身体を動かしたが、しかし身体はちっとも暖まらず、却って、その日沖縄の気温が下がったのかしらないが寒気がしてきた。寒気と共に身体のだるさも戻ってきた。「やばい、ぶり返すぞ」と思って、一旦家に帰る。

 私が罹った火曜日の症状は、インフルエンザの特徴である高熱が出ないので、インフルエンザではなく風邪だと私は判断している。であるが、いつもの風邪とは違う。いつもなら少し咳が出て鼻水が出て、くしゃみが出て、翌日には痰が出て治っている、のだが、今回は身体のだるさが抜けない。最初の全身に及ぶ身体の痺れも初体験だった。
 「もしかしたら新型インフルかもしれないぞ」と思った。熱は無いが痺れやだるさが長く残り、働く意欲が無くなるという新型。最近、あちこちで鳥インフルが流行したらしいが、例えばその鳥インフルウイルスが人に感染するようになって、人の働く意欲を奪うような症状を持つ。働く意欲が無くなったら私は生きていけない、恐ろしや新型。
     

 記:2017.2.3 島乃ガジ丸


島豆腐

2017年02月03日 | 飲食:食べ物(材料)

 登場数NO1

 床を傷付けてはいけない、壁を傷付けてはいけないなどと厳しい入居条件によって、壁を引っ掻いてはいけない、床に物を落としてはいけないなどと生活するに多少窮屈な面はあるが、新居は静かな環境にあり住み心地良く、部屋はきれいだし、庭もある(自分好みに整備済み)し、駐車場は2台停められるし、私は大満足している。
 2週間ほど前、正確に言うと1月17日、新居の良い点をもう1つ発見した。じつは、その良い点はそれより1ヶ月前からその予感はあった。新居に住み始めて引っ越しが取り敢えず落ち着いてからの数日後、「トーフー」というラッパの音が聞こえ、豆腐屋さんの車が通った。私が子供の頃は日常の光景だった豆腐行商、今ではごく珍しいもの。
 その日、ラッパの音が聞こえる少し前から私は隣に住む大家さんと大家さんの玄関前でユンタク(おしゃべり)していた。車が家の前に来ると大家さんが声を掛け、豆腐屋の車を止め豆腐を買った。たまたまその日、私はスーパーで豆腐を買っていたので豆腐は要らなかったのだが、豆腐屋の若い(三十代?)お兄さんと少し声を交わした。

 「池田屋豆腐って、スーパーにも置いてますよね?」
 「以前は置いていましたが、今はどこにも置いていなくてこうやって売っています」
 「そうですか、毎日この辺は回っているのですか?」
 「いえ、あちらこちら回っていて、この辺りは毎週火曜日の夕方回っています」
 「そうですか、生憎今日はもう既に豆腐を買っているので、次週に買いましょう」
 「はい、ありがとうございます。よろしくお願いします」

 丁寧な若い男だった。人相も良かった、今時の言葉だとイケメンというかもしれない。私の印象では「信用できる人」であった。その人が作る豆腐、興味を持った。
 で、次の週、正確に言うと12月20日、がんもどきとゆし豆腐(沖縄では有名な豆腐料理、おぼろ豆腐のようなもの)を買った。どちらも値段はスーパーで売られているそれより高めであった。どちらも私の好物なので美味しく頂けた。ただ、がんもどきはスーパーのより多少美味いと思ったが、ゆし豆腐についてはあまり差を感じなかった。
 次の週も豆腐屋の車を止め、その日はがんもと味付けおからを買った。おからも美味かった。その次の週(1月3日)は、正月で豆腐屋は休み。そして、次の週(1月10日)は私が豆腐屋のことを忘れて、スーパーで豆腐を買ってしまってパス。
 そして1月17日、遠くから聞こえてくる「トーフー」というラッパの音に気付き、音が近くに来たところで表に出て、運転手の若い男に手で合図し車を止め、「今日は本命を食ってみよう」と決めていた通り、島豆腐を半丁購入する。

 島豆腐は暖かかった。作り立てを車に載せて販売しているようだ。沖縄ではよくアチコーコードーフと言ったりする。アチコーコーは熱いという意であるが、「作り立て」という意も言外に含まれていると思う。子供の頃に行商の豆腐をそう呼んでいた。
 子供の頃の記憶では、アチコーコーは美味しい。その記憶が蘇った私は家の中に入ってすぐ、豆腐の角を手で少しちぎり取って食べた。「旨ぇ~」と思った。で、半丁の三分の一を包丁で切り取って皿に載せ、その上に友人Kから頂いた酒盗を乗せ、まだ6時前、外は明るいのにぐい呑みに日本酒を注ぎ、島豆腐を肴に1杯飲んだ。幸せを感じた。

 これまでたくさんの飲食物を紹介してきたが、『沖縄の飲食目次』を改めて見ると島豆腐がまだ紹介されていない。「何てこと!」と思った。島豆腐は、私の食卓に上る登場回数ではおそらくNO1だ。晩酌の肴となる回数でもきっとNO1、晩酌のエネルギー量としては間違いなくNO1だ。そんな島豆腐なのに未紹介だったとは何て迂闊。
 友人E子が大好きな豆腐があって、それは糸満に会社があり、E子のいる浦添まで週に1回(金曜日)出張販売してくれるもの。その豆腐を、たまたま金曜日にE子の店まで行った時などに頂くことがある。E子が言うように美味しい豆腐であると私も感じている。私が時々買い物に行っているCスーパーに那覇市繁多川にある豆腐屋の「国産大豆の島豆腐」なるものがあって、それをたいてい私は購入している。これも美味い。
 E子の勧める糸満豆腐を食べた時にでも、あるいは、繁多川の国産大豆豆腐を食べた時にでも「島豆腐の紹介がまだ」に気付いてもよかったのだが、思いは及ばなかった。何故かと理由をあげれば、どちらも私が頂く時はアチコーコーではないので、池田屋豆腐ほどの感動はなかったからかもしれない。念のため記しておくが、アチコーコーでなくても池田屋豆腐は糸満豆腐や繁多川豆腐に負けることはない、と私の舌は感じている。

 池田屋豆腐の美味さに感動した翌週、正確に言うと1月24日、池田屋豆腐の車が来るのを玄関前で待って、運転手に合図して車を止め、そして、車の写真を撮った。運転手の若い、人相の良いお兄さんが出てくると、先ずは、
 「美味しい豆腐でした。真面目な豆腐ですね。」と褒め、
 「私のような貧乏人には少し値段が高いと思うけど、値段の価値は十分あります」と、さらに褒めた。お兄さんも「他の豆腐より高め」は認識しているようで、それについても肯きながら「値段の価値は十分ある」に喜んでくれ、「ありがとう」を連発した。
 「先週、1口食って、あんまり美味いもんだから早い時間から酒になったですよ。ブログで紹介したいから写真撮ってもいいですか?」と訊くと、
 「はい、ありがとうございます。よろしくお願いします」と言って、車の横のドアを全開にして、電気を点けて、移動販売の全商品が見渡せるようにしてくれた。
     
     

 その時、私は前週と同様の島豆腐半丁と、今回初めての厚揚げを購入した。島豆腐半丁は今回もアチコーコーだった。「やー、これで今日も明るい内から酒だな」と言いながら若いお兄さんに手を振って家の中。そして、その通り、日本酒を飲んだ。
 池田屋豆腐の商品は、島豆腐やがんもの他にも白和え、生ゆば(とても興味があるが540円と高い)、じーまーみ豆腐などいろいろある。チーズがんもなんてのもある。毎週火曜日が楽しみとなった。「火曜日が休肝日になることはないな」と思った。
     

 記:2017.1.31 ガジ丸 →沖縄の飲食目次