ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

野生の掟

2008年05月16日 | 通信-環境・自然

 少々高めだった血圧が4月には正常値になった。が、5月に入って、先週からの10日ばかりは、また、少々高めに戻ってしまった。運動は続けている。食事も野菜中心のままである。では何故?・・・夜、窓を開け放して寝ていることが原因だと思われる。
 5月の晴れた日は風が心地良い。心地良い風に当たると気持ちの良い眠りに入ることができる。で、窓を全開にしている。このまま朝までぐっすり、といきたいところだが、その開け放した窓のすぐ傍で、野生の目覚まし時計が鳴り響く。目が覚める。外を見る。まだ夜明け前だ。時計を見る。午前5時。というわけで寝不足。

  野生の目覚まし時計となっているのは鳥たちの声。鳥たちは今、恋の季節なのだ。3月頃からウグイスやタイワンシロガシラの囀りが、アパートの周りで鳴り響いている。
 メジロの恋も3月から始まっている。アパートのメジロはまだのようだが、職場のメジロは恋をして、結婚して、卵を産み、育て、4月の下旬にはその雛が巣立っている。
 5月の初めには、トベラの並びにあるパキラでタイワンシロガシラの雛を発見した。パソコン作業をしている時、ジェッ、ジェッ、ジェッと声がして、窓の外を見ると、パキラの枝に立っているシロガシラに別のシロガシラが口移しで食い物を与えていた。
          
          

  シロガシラの雛を発見した前日のこと。金曜日だったので、いつものように宜野湾にある金曜日だけの職場へ出勤した。HPのアップ作業を一通り済ませ、午後になって、タバコを買いにと外へ出たら、植木鉢の上でじっとしているキジバトを発見した。
 とりあえず写真を撮ったのだが、近付いても動かない。「ケガでもしているのか?」と思って手を伸ばそうとしたら逃げた。しかし、2メートルほど動いて、すぐに止まった。しかもその逃げ方は弱々しい。羽を十分に開けないようであった。よく見ると、いつも見ているキジバトより少し小さめで、その体に対し頭が大きく、キジ模様の色がちゃんと出ていない。「ふむ、そうか、お前は雛であるか。巣立ちを焦ったんだな。」という結論に私は達した。と同時に、「お前、このままだと危ないぞ。」とも思った。
  私らしくなく、キジバトの雛がちょっと心配になって、タバコを買いに行くのを止めて室内へ戻った。ガラス張りの扉からその雛を一応見守るつもり。で、彼がいたところを見る。すると、雛はさらに動いて、すぐ近くにあった車の下へ入った。「そこはさらに危ないぜ。」と思う間もなく、その後を追うようにしてクロネコがやってきた。
 私らしくなく、雛を助けようと思った。素早く外へ出た。が、クロネコは私の数倍素早かった。奴は野良猫であった。野生の力を備えていた。車の下に入ったかと思うと、すぐに出たきた。案の定、口に雛を咥えていた。追いかけたが、隣の家の庭へ逃げた。
          

 弱肉強食は野生の掟である。しょうがないことである。私は以前、メジロの雛も見殺しにしたことがある。あれもたぶんネコに食われている。もしも私が邪魔したなら、「なんだ!俺だって一所懸命生きてるんだぞ!」とネコから文句が来るに違いない。雛には可哀想なことをしたが、野生には野生の掟がある。野良猫も必死なのである。
 人間の社会は概ね野生では無い。しかし、野生のように生きたがる人間も少なからずいるようで、強国が小国を襲ったり、大国が少数民族を支配したりしている。軍事政権が民主化を抑えている国では、市民が天災にあっても、その救済に尽力しない。 

 記:2008.5.16 ガジ丸


瓦版058 酒豪のネコ

2008年05月09日 | ユクレー瓦版

 先週、クガ兄の作『フロムホットボックス』をユイ姉が歌った。ちょっと聴いた感じでは、おネェちゃんが隣に座ってくれる飲み屋で、彼女らは商売上の優しさなのに、それに惚れてしまいそうになる男が、「これはいかん、帰ろう。」という内容であった。
 「その唄、クガ兄の実体験なの?」と訊いた。
 「うん、そうだね。あの人、そういう店好きだったから。お金も無いくせに。」
 ユイ姉は今週も島にいる。久しぶりだからのんびりしたいとのことで、先週の金曜日に来ているから今日で八日目、店は信頼できる従業員に任せているとのこと。確定申告なんてのも済んで、忙しさは過ぎたとのこと。明後日には帰る予定になっている。

 「まあ、人間の男はバカだよな。コロッと騙されて、無い金もつぎ込んでしまうくらいになるからね。ここにも一人いるけど。」と言って、私はケダマンを見る。そう言われて彼は、「うん、いかにも、俺こそがコロッと騙されるバカだ。」と思っているのか、強く頷いて、胸を張る。どうも、それを自慢すべきことだと思っているらしい。
 「ホントさあ。ウフソーさあ。見てて腹立つよ。何で私が稼いだお金を他所の女に使うんだよ!ってね。まったく。それが離婚の原因にもなったわけさあ。」
 「ふん、ふん、ふん。だけど、その場限りの擬似恋愛なんてのも楽しいぜ。」とケダマンが言う。なるほど、その場限りの恋愛は男の勲章ってことみたいだ。
 「そうかねぇ。独身だったらまだ許されるかもしれないけど、女房がいて、女房のお金で浮気するんだよ。私はサイテーと思うさあ。あっ、そういえばさあ、似たような唄、もう一つあるよ。『ホットボックス』は踏み止まるけど、この唄は手練手管にコロッといっちゃうって唄でさ、私からすればとても腹の立つ唄さあ。そんな唄作って、女房の前で歌う奴だったんだよ。まったく。」とユイ姉は言って、ピアノに向かった。

 その唄の題は『酔っ払ったネコ』で、それを歌い終わってから、
 「昔のことだから今は歌えるけど、思い出したらやっぱ、ちょっと腹立つね。気分変えようっと。」と言い、その後、スタンダードの曲をいくつか続けた。
 演奏が終わって、カウンターに戻ってきたユイ姉に、
 「酔っ払ったネコって、ネコも酔っ払うのか?」なんて、ケダマンが的外れなことを訊く。その質問はまったくどうでもいいのだが、そこから、ガジ丸が酔わないという話になり、大酒飲みの話になり、誰が一番酒に強いかっていう話題で盛り上がった。

 「酒豪と言えばマミナだけど、たくさん飲むには飲むが、飲んだら酔うし、酔ったらすぐ寝てしまうし、彼女が一番ということは無いな。」(私)
  「長いこと飲み屋のママをしているユイ姉はどうなんだ?」(ケダ)
 「私?私は強くは無いね。ビールをジョッキに4杯くらいかね、限度は。」
 「マナはどうなの?」(私)
 「私は弱いと思う。飲み屋で働いていた時も、飲んでいる振りをしてたよ。」
 「ジラースーは、最近はあまり多くは飲まないけど、若い頃は強かったね。」(私)
 ケダマンと私もよく飲むが、よく飲むの”よく”は回数であって、量では無い。少々飲んで、ほとんど毎回酔っている。シバイサー博士は四六時中飲んでいて強いようだが、いつも目がとろーんとしているので、常にいくらか酔っていると思われる。 
 「おそらく、ガジ丸とモク魔王が1、2を争うだろうな。あいつらいくら飲んでも酔わないもんな。ネコ2匹が大酒豪だな。」という結論に、だいたい達した。
     

 記:ゑんちゅ小僧 2008.5.9 →音楽(酔っ払った猫)


決定権は我にあり

2008年05月09日 | 通信-社会・生活

 前に、ウフソーについて語ったが、その中で、「『沖縄大百科事典』によると、ウフは大きい、ソーは性根、思慮で、思慮が大まかで細かいことに気が回らない人をいう。」ってことを書いた。その時じつは、大きな性根ならば、肝っ玉の据わった人、つまり、泰然自若の人とも言えるんじゃないかと思った。で、広辞苑を引く。
 『泰然自若』は「ゆったりと落ち着いて平常と変らないさま。」とあって、鷹揚とか寛容とかいうイメージだ。どうも、大雑把とは違うみたいである。

 さて、大雑把である上に泰然自若の風貌、というか、容姿をした女友達が二人いる。二人とも常々、「痩せなきゃ」とか「痩せたいなぁ」とか仰っているが、その希望はここ何十年も叶えられていない。「痩せたい」というのは口先だけのことだと私は見ている。二人とも、痩せる努力をしているのを見たことが無いからだ。
 その内の一人、三重顎K子がいつだったか、模合(理由ある飲み会、K子もメンバーの一人)の席で、ビールガブガブ飲みながら、肴ガツガツ食いながら、
 「お腹空くとイライラしてくる」と言った。そうか、なるほど、イライラは精神衛生上良くない。健康に生きるためにはお腹を空かせてはいけない。ということは、彼女にとって痩せることは健康でない。よって、彼女が痩せることは金輪際無理となる。
 ※金輪際:底の底まで。どこまでも。とことんまで。断じて。(広辞苑)

 私に美しい映画『中国の植物学者の娘たち』を勧めてくれた友人のSは、一日一食という食生活を続けている。「現代人は食い過ぎ」という彼の見解には私も賛成である。
 先月のある日、泰然自若の容姿をした女友達のもう一人、三段腹E子と「Sは一日一食を続けている」という話になった。そこから、「俺は、平日の晩飯はたいてい豆腐と野菜だけで、週末の三日間は昼飯を食べない。」と、私の食生活を語ると、三段腹は、
 「お腹空いたら我慢できないでしょう」と言った。そうか、なるほど、「我慢できないから食べる」は容認しても、「食べるから太る」は容認していないわけだ。だから、ちょっとお腹が空くと間食をする。よって、彼女が痩せることは金輪際無理となる。

 E子の「お腹空いたら我慢できないでしょう?」との問いに、私はこう答えた。
 「お腹が空くというのはお腹の問題だが、ものを食べるというのは俺の問題だ。食べるかどうかはお腹が決めるんじゃなくて、俺が決めることだ。」と。

  先日、そのE子に会ったので、「今度HPにあんたとK子の話を書くつもりだ」と言って、上記の話をした。すると、「痩せようとは思うのよ」とE子は言う。
 「痩せようと思って、食事の量を減らそうと決心したことは何度もあるさあ。明日からそうしようと思うわけさ。そしたら、今日が最後だからと、その日にたくさん食べるわけさあ。そんなことを繰り返している内に胃袋が大きくなったのさ。で、量がどんどん増えていったのよ。大きな胃がたくさん食べたいと望むんだよね。」とのこと。どうやら、食べものをどれだけ摂るかという決定権は彼女では無く、彼女の胃袋にあるようだ。
 「痩せようと思うたびに食事の量が増えるんだよね。太りたくない人は痩せようとするなって私は言いたいさあ。」とも彼女は言った。食事の量が増えて、その結果として体重が増えたのは彼女のせいでは無く、胃袋のせいみたいである。
          

 記:2008.4.25 島乃ガジ丸


瓦版057 夜はこれからだけど

2008年05月02日 | ユクレー瓦版

 金曜日の夕方、ユイ姉が島に来ているというので、いつもより早めにユクレー屋に顔を出した。ユイ姉は若い頃、ユクレー島にいたことがある。もう25年ほども前の話だ。久しぶりの来島である。私も彼女と会うのは久々である。
 
 ユイ姉は、カウンターにケダマンと並んで座っていた。彼女の隣に私は座って、
 「今日着いたの?」と訊いた。
 「うん、昨日、ジラースーの家に着いて、一晩泊めてもらって、今日、ジラースーの船に乗せてもらったさぁ。普通の方法ではジラースーの船以外、この島に来る方法は無いもんね。あとは、ガジ丸に連れて来て貰うって普通じゃない方法もあるけどね。」
 「他にもあるよ。ケダマンの背中に乗るって方法が。」
 「あー、そうなの。」とユイ姉はケダマンの方を向いた。
 「おー、俺ならひとっ飛びだ。日帰りも可能だぜ。」
 「そうなんだ。なら、もっと早く来れば良かったさぁ。」
 「そういえば、一ヶ月くらい前にジラースーとマナの結婚を祝福するパーティーがあったんだよ。それは知らなかったの?」
 「ううん、だいぶ前に、結婚することになったって、マナから電話があってさ、そのパーティーのことも聞かされて、招待もされたんだけどさ、手の離せない仕事や用事が重なってさ、残念ながら、パーティーには参加できなかったのさ。一ヶ月も遅れたけど、やっと、来ることができて、さっき、オメデトのハグをしたさぁ。」

 我々がそんな話をしている間、マナはその中に参加しなかった。マナは台所にいる。ジラースーもそこにいる。このところ毎週金曜日はそうなっているが、今日もまたジラースーとマナは台所で仲良く料理をしている。仲良く料理というけれど、実際は、ジラースーが釣ってきた魚を持ってきて、そのおろし方、刺身の盛り付け方、また、煮魚や焼き魚などの料理法をマナに教えているみたいである。

 外が薄暗くなった頃、ジラースーの料理教室もやっと終わったようで、料理が何皿か出され、マナはカウンターの中に立ち、ジラースーはカウンターの私達のところに来て、並んで座った。夫婦と認められてからはジラースーも前みたいに照れたりしない。仲良く料理している時も平然としているが、「マナ、ビールくれ。」と注文するときも堂々とマナの顔を見て、堂々と声をかける。ひょっとしたら、ジラースーは、同情から結婚したのでは無く、本気でマナのことが好きなのかもしれないと思ってしまう。
 ジラースーはオキナワに住んでいる。たまには街にも出る。で、年に1、2回はユイ姉とも会っている。なので、我々よりもユイ姉とは親しい。その親しさから、娘ほども歳の離れたマナとの結婚について、ユイ姉はひどくからかったようだ。しかし、
 「何かねぇ、あまりからかい甲斐が無いのよ、このオジサン。そのての話は苦手だったと思うんだけどね、性格が変わったみたいに、何言われても平然としてるのよ。」とのことであった。好きな女がいるというのが、男の自信となっているのかもしれない。

 しばらくして、村の人たちも何人か飲みにやって来た。勝さん、新さん、太郎さんはユイ姉を知っている。賑やかに挨拶を交わす。我々も昔話に花を咲かす。そんな中、ジラースーとマナが見詰め合っている瞬間にたびたび気付く。ケダマンもそれを感じて、
 「なっ、気色悪いだろ?」と囁く。確かに、恋する若者たちが見詰め合うほど美しくは無いが、しかし、私には気色悪いものとは感じられない。それなりに美しい。ただ、二人の間に漂っている桃色の空気が、少々熱さを感じて、ちょっと鬱陶しい。
 「あんたたちねぇ、他人の恋路を邪魔するもんじゃないよー。気色悪いなんて言ったら駄目よー。マナは愛されているのさぁ。羨ましいさぁ、私は。」とユイ姉が囁く。どうやら、ユイ姉もジラースーが本気で恋しているのを感じているみたいだ。
 隣に桃色の空気を感じながら2時間余り経った。星がちらほらと出だし、夜の暗さとなってからガジ丸がやってきた。ガジ丸はこれからだが、我々は既に熱い気分。

  「あのさぁ、私の元亭主のクガ兄が作った唄にね、『夜はこれからだけど』ってのがあったよ。あっ、タイトルは『フロームホットボックス』だったな。歌い出しが『夜はこれからだけど』だ。それね、熱い気分に悩まされるって唄なんだ。」とユイ姉は言って、ピアノを弾いて、その唄を歌ってくれた。楽しい唄で、すぐに覚えられた。
 ユイ姉がピアノを弾き、ガジ丸、ケダマン、私の3人で踊りながら歌った。唄は、「夜はこれからだけど」を繰り返していたが、我々の夜はこれからだった。その後、大いに盛り上がって、みんながいろんな唄を歌い。賑やかに夜は更けていった。
      

 記:ゑんちゅ小僧 2008.5.2 →音楽(From Hot Box)


野生の力

2008年05月02日 | 通信-環境・自然

 4月の中頃の明け方、ネコの唸り声に目が覚めた。声はごく近い。二匹いて代わる代わる唸っている。ケンカしているみたいである。声はしだいに大きくなっていく。その大きさから、ごく近いの”近い”は1メートルほどの距離だと感じられた。
 カーテンを開けて外を見る。ベランダの塀の上に、腹側が白でその他が黒のネコが立っていた。確かに彼は、私の頭から1メートル先の距離にいた。彼の目の前、正面の1メートル先には別のネコがいる。玄関の傍の物置の上で時々昼寝している奴だ。ふてぶてしい面構えと体つきをしているトラネコだ。両者睨み合って、唸り合っている。

 煩いので、白黒ネコをベランダから追い出すことにする。で、ベッドから起きる。ちょうどその時、唸り声が怒鳴り声に変わり、ガタガタと音がし、ガリガリと金網を引っ掻く音がした。トラと白黒は金網越しに殴り合いをしているみたいであった。
 白黒ネコはその時初めて見たので、たぶん、流れ者のネコだと思われる。トラネコは以前からこの辺にいる。今は私の部屋の周りを棲家にしている。
 「おー、兄ちゃん、どこから流れてきたか知らねぇが、ここは俺の縄張りだ。勝手に入ってきちゃあ困るぜ。出ていきな。」
 「どこで何しようと俺の勝手だ。お前の指図は受けねぇ。」
 「何だとー!コノヤロウ!」となって、ケンカなのだろう。しかし、他人のベランダに勝手に入ってきて、朝っぱらからケンカするなんて、何て奴らだ!と私は思う。

  好きな人もいるかもしれないが、私は猫の糞が大嫌いである。ベランダに糞をされる(過去に2度ある)と、そのあまりの臭さに、飯が不味くなった。で、ベランダにネコが入ってこないように木枠を設置し、全面に網を張ってある。さらに、木枠の上部にネコが上らぬよう、ベランダの塀の上をネコが通らぬようにそれぞれ金網も張ってある。
 そこまで念入りに防御しているのは、14年に渡る私とネコとの戦いの歴史から学んだ上でのことだ。ネコは概ねチャレンジャーである。入りにくいところに入りたがる。困難を前にして逃げることを潔しとしない性格を持っている。さらに、ネコは体がすごく柔らかい。ごく僅かな隙間からも出入りできる能力を持っている。そういったことを、14年の戦いから私は学んできた。ということで、金網なのであった。
          

  そんな完璧な防御をしている木枠の内側にネコがいる。トラネコは木枠の外側だが、白黒ネコはこちら側である。「おめぇは忍者か?あるいは超能力者か?」と呟きつつ、そのネコを追い出した。どこから逃げるのか興味があったのだが、ネコは「前門の虎、後門の狼」となって窮したのか、塀の上から1階へ飛び降りた。4メートルの高さがある。大丈夫か?と一瞬思ったが、「エーイッ、ネコに情けは無用」と思い直す。
 その日の夕方、仕事から帰ってすぐにベランダの防御を見直す。トラネコと白黒ネコがにらみ合っていた間に金網がある。その金網の上部に7、8センチほどの隙間がある。まさか金網をよじ登って、尖った針金の痛みを堪えてまで、と思ったが、他には出入りできそうな箇所は無い。「そうまでしてやるか」と、私は野生の力に感心してしまった。
          

 記:2008.4.22 ガジ丸
 →音(ネコのケンカ「Neko080420.mp3」をダウンロード