先週の通信『相互理解という平和』の続き、記事を書き終えて後、「ん?そうなるということは、こういうことになるのか?」と考えての、妄想の続き。
『相互理解という平和』の中で言いたかったことは、その頁の最後に書いた「相互に信頼が無ければ平和は築けない」であるが、それはその通りだと信じている。それは、逆に言えば、相互に不信感があるから戦争が起きるとも言える。「そうだよな、それが今の世界なんだよな、テロリストを信頼しろって言っても難しいよな」と思う。
「俺に優しくしないと暴れるぞ!」と駄々こねる子供みたいに核実験したりミサイル飛ばしたりする国や、「国の力は武力だ!」と昔の帝国主義みたいに領土を広げようとする国などが21世紀の今も存在している。それらの国と信頼し合うのは難しそうだ。そういった国は日本の隣にもある。近所付き合いでさえ将来の平和は確約されていないのだ。
さて、妄想は、真迦哉と、宇宙人の思慮深い小隊長との和平交渉からの続き。
「我々の支配者の1人に私が信頼している人がいる。会ってみないか?」という小隊長の申し出を真迦哉は受けた。権力を持つ者から村人の安全の確約を得たかった。
小隊長の用意した乗り物は小型のもので、陸を走り空を飛ぶ。運転手はいない。行き先をインプットすれば勝手に最適な行程を選び、適当な早さで目的地へ運ぶ。車内での真迦哉と小隊長との会話や、2人の間に友情が芽生えるといった話は省略して、宇宙人の大きな基地の1つに着いて、宇宙人の幹部の一人である将軍に会ってからの話。
一通りの挨拶が済んだあと、問答は真迦哉から切り出した。
「結局、今の支配者を追い出して自分たちが新しい支配者になって、平民を従え、彼らを働かせ、利益を得るってだけのことじゃないですか?」
「貴方の支配者に対する認識には偏見がある。支配者がいるから秩序が保たれ、平民も暮らしていけるということを考慮していない。支配者の存在は必要なのだ。」
「支配者の必要は、それを支配者では無く代表者と言うのであれば理解している。だから地球でも、少なくとも民主主義国家では平民が自ら自らの代表者を選ぶ仕組みになっている。彼らは権力者ではあるが、あくまでも平民の代表者だ。しかし、平民が選ぶ範囲外に富を貪る影の支配者が存在しているのではないかと私は疑っている。」
「それはその通り。代表者ではない支配者は、表には現れなくても常に存在している。しかし、支配者が誰でも、平民にとって大事なことは安心して働けるということだ。今の支配者たちはその能力に劣っている。だから、我々が代わるということだ。」
「確かに、安心して生活できるということが大事だ。であれば、主(ぬし)は誰でもいいかもしれない。しかし、宇宙人が支配者になることには違和感がある。」
「貴方はこれまでの地球の支配者、また、今の地球の支配者たちが地球人だと思っているようだが・・・」と、将軍が言いかけたところでこの日の妄想はお終い。
「そうか、主は誰でもいいのか」と自分の妄想に納得しつつ、「アメリカの支配下にあっても、日本の支配下にあっても、住民が住民による住民のための政治ができ、住民が安心して生きていけるのであれば沖縄は文句を言わないはず」とまで思ってしまった。
記:2016.2.12 島乃ガジ丸
原野からの客
私が借りている畑ナッピバルは、ほんの3~4分も歩けば西原町の幹線道路に出て、そこにはカラオケボックス、コンビニ、中学校などがあり、賑やかな場所となる。ただ、畑の周りは静かである。道向かいは森で、墓も並んでいる。他の3方向は畑となっている。北側はウージ(さとうきび)畑、南側はキャベツ畑、東側は元バナナ畑である。
東側のバナナ畑、元と書いたように今はやっていない。私がナッピバルを始めたのは2012年8月だが、その時から既に耕作放棄畑であった。当時はまだ、「バナナ畑だ」とすぐに気付くほどの様相であったが、以降荒れ続けて、今は原野に近くなっている。
原野に近くなったことで、そこにはいろんな動物が生息していると思われる。どんなのがいるだろうか?私がまだ見ていない虫もいるのではないか?などと興味はあるのだが、原野に近くなった今、ハブが怖くて中に入ることできない。
その原野からはしばしばマングースと思われる鳴き声が聞こえ、マングースが木の上にいるのを見、なっぴばるを走り抜けるのも数度目撃している。カエルの類、ネズミの類もたくさんいると思われる。なので、当然と言っても良かろう、ハブもいる。
ハブがナッピバルに顔を出すのは御免だが、まだ知らぬ虫や小動物がやってくるのは歓迎したい。写真を撮ってここで紹介できる。今回紹介するクロツバメは原野からやってきた客の1匹。前翅長40ミリ内外と大きな蛾なので、すぐに気付いた。
クロツバメ(黒燕):鱗翅目の昆虫
マダラガ科 沖縄島、八重山諸島、台湾、東南アジアに分布 方言名:ハベル
名前の由来、『沖縄昆虫野外観察図鑑』に「体背面が黒色であるために和名が付けられている」とあった。漢字表記の黒燕は私の想像。クロ(黒)は『沖縄昆虫野外観察図鑑』の通りだが、ツバメ(燕)は自信がない。色は確かに燕に似ているけれど、同意である黒を重ねるだろうかと自案に疑問を持つ、「白い白雲」みたいなものだ。もしかしたら、目に特徴があって、例えば鍔の形をしていて、それで、黒鍔目かもしれない。
「体背面が黒色・・・」の後に「後翅表面の半分以上は・・・瑠璃色」とある。そうと解っていれば私も確かめたのにと残念。「マダラガ科は色彩が派手」とのこと。
前翅長40ミリ内外と大きな蛾。日中活動性の蛾で、私が見たのも昼間、12時前。畑の水場の傍でじっと留まっていた。食草はアカギ、水場の近くにアカギはある。
成虫
成虫斜めから
記:ガジ丸 2016.2.5 →沖縄の動物目次
参考文献
『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
『いちむし』アクアコーラル企画発行
何年振りか、十何年、あるいは二十何年振りになるか、先週陰夢を見た。最後までいった。もちろん、若くは無いので夢精なんて恐れは微塵もない。
お相手は若い友人の1人。彼女は可愛い娘なのでそういう関係になっても私に何の不服も無い。であるが、彼女にとっては大いに不服であろう。なので、その時の夢の主人公は私ではなく真迦哉(まかや)である。彼ならば彼女も許すであろう。
真迦哉は私の夢の中に出てくる主人公。彼はとてもモテる。モテるだけでなく、世のため人のためあれこれ活躍し、社会的にも尊敬されている。現実の私とは大きくかけ離れているので、私は彼を現実の私とは違う別人格の者と捉え、その名を付けている。
これも最近見た夢であるが、その中では、真迦哉は戦士として戦っていた。戦士と言っても国単位の大きな軍隊ではなく、一地域の防衛隊員で、そのリーダー。相手は他国ではなく宇宙人。見た目は人間そっくりの宇宙人。真迦哉が戦っている時、既に地球の半分は攻め落とされていて、ついに、真迦哉の住む小さな村までやってきたところ。
真迦哉は頭も良く、武道にも秀でている。それで彼がリーダーに選ばれたのだが、彼は戦うことを好まなかった。「真迦哉は戦士として戦っていた」と書いたが、正確には「真迦哉は防衛隊員として村人を守っていた」となる。地球人と宇宙人との戦いがどういう状況であるか、その情報から「抵抗しても無駄」とも彼は認識していた。
この夢の中ではっきりと記憶しているシーンがある。真迦哉が宇宙人と会話しているところだ。相手の宇宙人はこの地区のリーダー、司令部に属するような高位の者ではなく、軍隊で言えば下士官、小隊長みたいな者、であるが、思慮深い人。
「戦わずに降伏してくれんか?」
「私も戦って勝てるとは思っていない。しかし、攻め入ってきたのはそっちだ。」
「我々も最初から戦うつもりではなかった。交易を求めたのだが拒否されたのだ。」
「言うことを聞かないから殺すってことか?」
「殺すことが目的では無い。事実、我々は平民を殺してはいない。兵隊もほとんど殺していない。我々が攻撃しているのは地球の支配者たちだ。」
「そうか、で、地球の多くが組織的戦闘不能となっているわけだ。」
「我々は地球人が真似のできない武器を持っている。我々の勝利は必然だ。しかし、できるだけ生命も自然も傷付けたくないのだ。どうだ、黙って降伏してくれんか?」
「今の支配者たちを抹殺して、そっちが新しい支配者になるってことか?」
「奴隷扱いはしない。自由は保障する。これまで通りだ。」
夢は、実は、真迦哉と小隊長が和平交渉をしているだけで、上記のような細かい会話をしていたわけではない。少なくとも私はそこまで詳しく記憶していない。宇宙人が新しい支配者となるかもしれないということを微かに覚えていて、細かいことは目が覚めてから妄想したものである。和平交渉が上手くいきそうな雰囲気の中で夢は終わっている。
真迦哉と小隊長はお互いを信頼し合っているようであることも微かに覚えている。そうだよな、信頼が無ければ平和は築けないよな、と夢から覚めた後、思った。
記:2016.2.19 島乃ガジ丸
懲りないオヤジ
オヤジギャグを時々発し、一部(特に若い従妹の娘など)からヒンシュクを買っている私でも「ジャノメ」というと素直に蛇の目傘を思い付く。そして、子供の頃に歌った「あめ、あめ、ふれ、ふれ、母さんが、じゃのめでお迎え・・・」を思い出す。小学生の頃、私も含めクラスの誰も蛇の目傘を差しておらず、よって、実物を見たことは無く、音楽の本にあるイラストから「蛇の目傘は和傘のことかな?」という認識でしかなかった。
大人になってからだが、蛇の目が「環となっている模様」であることを知る。環と言ってもピンと来ない人のために言うと、リングとか、浮輪の形の模様のこと。
名前からすると、この蛾にはリング模様がある。実際は、私が見た1匹の個体に限って言えば、リング模様はさほど目立ってはいない。図鑑の説明文には「環状紋」と記載があり、名前にもなっているので目立つはずだが、たぶん私の目が悪いのかもしれない。
「もうこれ以上飲めそうもないし、そろそろ帰るか。」
「外は雨だぜ、もう少し飲んで行けよ。」
「ママさん、余っている傘ない?」
「ごめんね、日傘しかないわ、蛇の目の。」
「日傘じゃピチピチジャブジャブの蛇の目でもしょうがないなぁ。」
「じゃぁ飲め」
・・・懲りないオヤジです。
クロジャノメアツバ(黒蛇の目厚翅):鱗翅目の昆虫
ヤガ科 奄美諸島、沖縄島、八重山諸島、台湾、太平洋地域に分布 方言名:ハベル
名前の由来は資料が無く正確には不明。クロ(黒)は体色が全体に黒いから、ジャノメ(蛇の目)は翅にそのような模様があるから、アツバ(厚翅)は翅に厚みがあるからだと思われる。ちなみに、蛇の目は「輪貫と呼ぶ環の文様の俗称」(広辞苑)のこと。
「輪貫と呼ぶ環の文様」が本種にあるかどうかについて、素人の私には確信持って「ある」とは言えない。『沖縄昆虫野外観察図鑑』の記述に「環状紋と腎状紋は黒色の型と白色の型や中間的なものがある」とあり、その環状紋がジャノメの由来と推測できる。写真をマジマジと見て、翅表に白い丸点を確認できたが、たぶん、それが環状紋であろうと思われる、確信は無い。でも、全体的には私の写真と図鑑のそれはそっくり。
前翅長17ミリ内外。山地や平地の林に住む。まだよく研究されていない種のようで、食草については「枯葉?」と?が付いていた。
成虫
記:ガジ丸 2016.1.21 →沖縄の動物目次
参考文献
『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
『いちむし』アクアコーラル企画発行