JR東海からの手紙

 今日、帰宅したらJR東海からの手紙が届いていた。
4週間ほど前の大阪出張の際に利用した新幹線で大変不快な思いをしたので、そのことについての事実関係と改善のお願いを手紙にしてJR東海に送っていたのだが、その返事が届いたのである。

 不快な思いとは、ざっとこんでことであった。
 新横浜から新大阪まで「のぞみ」の普通指定席を利用したのだが、運悪く隣なりの車両が喫煙可能なグリーン車で、その車両からのタバコの悪臭が私の乗車している車両(当然禁煙車両である)まで流出していた。その悪臭のため気分が悪くなり、通りかかった乗務員にそのことを伝え、他の車両に案内してもらった。そのことを踏まえ、完璧な分煙は技術的に不可能なのだから、JR東日本のように完全禁煙にするべきであると書き送ったのである。因みに、無責任なクレームとはしたくなかったので住所・氏名を明記して送っている(Web上では400文字までと云う制限があったために手紙にした)。

 返事をくれたことは評価したいが、タバコ臭のために別な車両に移らなければならないほど気分が悪くなったことに対する謝罪の言葉は一切無く、ひたすらJR東海の立場と対応を列挙する内容は、もとより期待していなかったとは云え、実に残念なことである。

 文頭に「弊社では、他の交通手段に比べ格段に多くのお客様にご利用いただく鉄道事業の特性を踏まえ、弊社の営業路線をご利用になるお客様の多様なご要望に最大限お応えするサービスを提供することに努めており(後略)」と書かれているが、この一文に、完全禁煙に踏み切らないJR東海の事情を読み取ることが出来る。

 JR東日本は遠の昔に車内完全禁煙。3日前からは首都圏の駅構内の完全禁煙にも踏み切った。JR東海が出来ない(しない)ことを何故JR東日本が出来たのかと云えば、競合する交通事業者がないからである。首都圏を基点をした場合、東海道・山陽新幹線の岡山以西では完全に航空機と競合し、かつ広島以西では劣勢に立たされているからなのである。

 つまり、航空機を利用すれば完全禁煙。特に羽田-福岡の下り便は約2時間の搭乗中禁煙を強いられる。喫煙者はこれが我慢できないことから、時間がかかる事を覚悟の上で喫煙可能な新幹線を利用するのである。JR東日本はと云えば、わずかな羽田-青森・三沢便があるにはあるが、北に向かう交通機関は新幹線の「一人勝ち」。禁煙の航空機と張り合わなければならないJR東海と、喫煙可能な競合交通機関の無いJR東日本の差がここに現れているのである。

 完璧な分煙が可能なのであれば、郷秋<Gauche>もこれ以上は云わないが、それは技術的・運用上不可能。喫煙者である上司のお供で不本意ながら喫煙車両に乗車しなければならない非喫煙者がいるとすれば、JR東海は「間接喫煙ほう助罪」に問われても不思議ではない。「同乗・同席を断ればいいじゃないか」と喫煙者は云うかも知れないが、良好な人間関係を失いたくないがために断れないのが非喫煙者。喫煙者にはこのことを十二分に理解して欲しいし、だからこそJR各社は一刻も早く車内及び駅構内の完全禁煙を実施するべきなのである。

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