自慢する程のことではありませんよ

 閉幕した上海万博の入場者数が7278万人と、1970年の大阪万博の6422万人を抜き、万博史上最大の入場者となり、大成功であったと開催国は大自慢しているようですね。しかし、中国の人口は13億4500万人(2008年現在。現在は更に確実に増えている)。対する大阪万博当時の日本の人口は1億460万人(2年前に1億人を突破したばかり)。

 もちろん、自国ばかりではなく海外からも来場者があるとは云え開催国の人口ベースで考えれば、大阪万博当時の人口が今の中国の10分の1以下の日本で、上海万博の90%程の来場者があったわけですからね。上海が大阪を抜いて世界一だと大威張りする程じゃないだろうと郷秋<Gauche>は思うんですよね。

 もっとも、万博に大勢の人が来場したとか、そう云うことがその国の一体何を表しているのかと云うと、ほとんど何の意味もないんじゃないかと思うんです。国民一人ひとりの道徳心や真の意味での教養、国の中で富(金銭的なものと知的なものの両方)が偏在していないことこそが大切。万博に人が大勢来たとか、GDPがなんだとか、そう云うことと、一国の価値とか品格と云うのは何の関係もないだろうと思うのですが、翻って今の日本がどうかと云えば、実に心もとない気もする訳で・・・。

 金銭的な富だけを求めるのではなく、精神的な意味での富、更にはその富が地域、年齢、性別によって偏在しない社会を作ること、誰かが勝手に作り上げた仮想敵国と競うのではなく、絶対的に、真に価値あるものを調和の取れた形で実現することこそが今の日本に求められているのではないかと。そう云う意味では、良き反面教師が近くにいると云うのはありがたいことだと、郷秋<Gauche>は思うのです。


 今日の写真は、例によって記事本文とは何の関係もないけれど、「おい、いつまでガリガリやっているんだよ。煩くて眠れやしないじゃないか」と云っているのかどうかは判らないけれど、写真的には昨日の続きの一枚。
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