原子力規制委員会の新安全基準施行に間に合わせようという、東京電力による安全審査申請表明と、それに対する会田市長と泉田知事の対応について、大きく見出しを立てて書こうと思ったが、全国版ニュースで詳しく流されているので、見出しを立てるのをやめた。しかし、書いておきたいことがある。
会田市長は「驚いた」と言っていたが、誰もが驚くだろう。チェルノブイリ事故と同じレベル7の事故を起こし、今もなお、事故収束の目途も立たず、福島からの避難者約十五万人が全国で不自由な生活を強いられているというのに、当事者である東京電力が手を挙げるとは誰も思わなかったに違いない。
少なくとも八日の申請開始に他電力と一緒に申請を行うのではなく、一番最後に“申請させてもらう”というのが事故の当事者として、まっとうな態度ではなかっただろうか。しかも、地元に何の説明もなしに表明を行ったのでは、泉田知事でなくても怒るのは当然のことであろう。
東京電力の謝罪の言葉、反省の言葉は、何度も何度も聞いた。それにも拘わらず、地元住民よりも企業の論理を優先させるのは、大企業に染みついた体質のようなもので、今回の事故によってさえそれが改まらないのであれば、今後も改まることはないだろう。
しかし、再稼働へのハードルは、地元の不信感の増幅で更に高くなったと言える。会田市長は「信頼関係を損ないかねないもの」と言ったし、泉田知事にいたっては「嘘つき」呼ばわりまでした。会田市長はフィルター付きベントの事前了解申し入れ文書を受け取ったが、泉田知事はこれを拒否した。
誰もが“驚いた”東京電力の安全審査申請表明は裏目に出た形となった。
会田市長は「驚いた」と言っていたが、誰もが驚くだろう。チェルノブイリ事故と同じレベル7の事故を起こし、今もなお、事故収束の目途も立たず、福島からの避難者約十五万人が全国で不自由な生活を強いられているというのに、当事者である東京電力が手を挙げるとは誰も思わなかったに違いない。
少なくとも八日の申請開始に他電力と一緒に申請を行うのではなく、一番最後に“申請させてもらう”というのが事故の当事者として、まっとうな態度ではなかっただろうか。しかも、地元に何の説明もなしに表明を行ったのでは、泉田知事でなくても怒るのは当然のことであろう。
東京電力の謝罪の言葉、反省の言葉は、何度も何度も聞いた。それにも拘わらず、地元住民よりも企業の論理を優先させるのは、大企業に染みついた体質のようなもので、今回の事故によってさえそれが改まらないのであれば、今後も改まることはないだろう。
しかし、再稼働へのハードルは、地元の不信感の増幅で更に高くなったと言える。会田市長は「信頼関係を損ないかねないもの」と言ったし、泉田知事にいたっては「嘘つき」呼ばわりまでした。会田市長はフィルター付きベントの事前了解申し入れ文書を受け取ったが、泉田知事はこれを拒否した。
誰もが“驚いた”東京電力の安全審査申請表明は裏目に出た形となった。
(越後タイムス7月10日「週末点描」より)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます