もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

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外国人参政権と松下市長

2021年12月07日 | 野党

 武蔵野市長が提出した条例案が議論を呼んでいる。

 条例案は常設型の住民投票制度で、国籍に関係なく18歳以上で3か月以上市内に住所がある(居住実態も不問?)市民に投票資格を与えるとしている。
 現在、常設型の住民投票条例がある全国の78自治体のうち投票資格に外国籍の住民を含めるのは43自治体で、武蔵野市と同様に資格要件を日本国籍の住民と実質的に同じとしているのは逗子市と豊中市の2市だけであるらしい。
 外国籍の住民に住民投票の資格を与えることについては、「選挙権・被選挙権は日本国民の権利」と定めた憲法に違反するとの意見が多く、自分も憲法違反であると思っている。
 従来、参政権や社会権は基本的人権ではあっても国民主権の原理や国家の独立性の観点から認められないという「人権性質説」が憲法学の通説となっていたが、1995(平成7)年に最高裁が永住外国人に地方参政権を与えるのは適法と判断して以降、永住外国人には門戸が開かれているものの、住民登録後3か月で地方自治に参加できるのはやりすぎと思う。
 これに対して松下玲子市長は、「市民参加を進める手段の1つに住民投票制度を加えるのが目的で、外国籍の人を排除する合理的理由は見出せない。代表者を選ぶ選挙権とは違うので論理の飛躍だ。住民投票に法的拘束力はない」と反論しているが、条例案には投票結果を尊重することも明記されており、些かの牽強付会も感じ取れる。
 条例案については市民の賛否も拮抗していると報じられているものの、成立する可能性が高いとの報道もある。
 憲法解釈と武蔵野市議会の判断は別にして、中国人居住者の無作法に困惑する自治会、コリアタウンやブラジルタウンから逃げ出す日本人、・・・などの報道を見ると、武蔵野市の将来は決してバラ色では無いように思える。
 移民や移民のもたらす異文化に比較的寛容であったEU諸国が、一転して移民制限に転じたのは固有文化の破壊と地域社会の分断が顕著になるとともに、テロの温床化が進んだためと理解している。
 お涙頂戴的な移民保護・受入れを公約したバイデン政権、中でも急進左派のペンス副大統領は移民対策の指揮官に任じられたものの押し寄せる不法移民と国境の混乱になすすべもなく立ち往生して、支持率30%を割り込んだとも伝えられている。

 松下玲子市長は「立憲共産党」の闘士で、地元選挙区の菅直人氏の後釜を狙っているとされるが、維新の吉村大阪府知事からは、地方自治と参政権に対する認識不足を指摘されるなど、「人権を盾にした売名」との世評が定着しつつある。世評は別にしても、今のままの松下市長が国政に登場した場面は想像もしたくないが、アメリカ国境やEU諸国の現状から学べる政治家であって欲しいものである。