アメリカ大統領選で第3政党が台頭する可能性が取りざたされている。
某大学が実施した世論調査で、「第3政党候補への投票を考えるか」に対して、47%が「yes」と回答し内訳では無党派層64%、民主党支持者35%、共和党支持者38%に上っているらしい。
調査した大学の中立性などが不明なため、100%信頼できるものではないと思うが、二大政党の不毛な政争に飽き飽きした民情の一端を示しているのではないだろうか。
現在、自由主義諸国で単一政党で政権維持しているのはアメリカ・カナダ・韓国くらいで、その他の国ではいくつかの政党が連立して政権を維持している。特に、移民問題に揺れるヨーロッパでは選挙のたびに連立の枠組みが変わっているように思える。
自分は、議会制民主主義にあっては外交と国防について大きく乖離しない二大政党のうち、選挙で過半数を得た方が政権を担当するという二大政党制があるべき姿と思っていたが、国民の価値観が多様化した現在では二大政党背は消えゆく運命ではと思うようになった。まして日本のように憲法と防衛に関して両極端の政党に依る政権交代は国民生活を混乱させるとともに、諸外国からの信頼を失う原因となるように思い始めた。
内治・外交に極端な二大政党の韓国では、政権交代の度にゴールポストが動いたり、場合によってはゴールポスト自体が消え失せる卓袱台返しが茶飯事であった。文政権にあっては、朴政権が取得したTHAADを可動させず、GSOMIAすら政争の具として弄んだ。尹錫悦大統領は危殆に瀕した日米韓の協調を修復しようと努めているが、これこそ2大政党制の悪しき好例に思える。
今、立民が政権の座に就いたら、巡航ミサイルの取得計画やイージス艦の建造計画は多額の違約金を払ってでも「八ッ場ダム」とされる可能性も有り、日米関係は冷え込んで日本は名誉の孤立の道を選ばなければならなくなるだろう。そうなれば、中国は手を差し伸べるどころ力の力の空白を狙って漁夫の利を得ようとするのは間違いのないところであるように思う。
次回の大統領選でアメリカ国民が、どのように選択するのかは分からないが、日本の将来も自公安定政権は霧散霧消し、全政党が対象のジグソーパズルに依る政権運営が常態化するのかも知れない。
戦後における革新?政党の政権を並べて眺めてみると、いずれも短命で期待する程の実績を残せていないように思える(民主党政権に依る空白の3年間の功罪は生々しすぎるので割愛)。
片山哲内閣 1947(昭和22)年-1948(昭和23)年 社会党主体の連立-急進的な炭鉱国有化問題で混乱・瓦解
※1955(昭和30)年 保守合同で自民党誕生-55年体制確立
細川護熙内閣 1993(平成5)年-1994(平成6)年 新生党主体の連立-消費税の「腰だめ増税発言」で瓦解
※55年体制の終焉と話題に
羽田孜内閣 1994(平成6)年 新生党主体の連立
村山富市内閣 1994(平成6)年-1999(平成8)年 社会党主体の連立-自衛隊違憲の党是を捨てた社会党退潮の加速
鳩山由紀夫内閣 2009(平成21)年-2010(平成22)年 民主党主体の連立-??
菅直人内閣 2010(平成22)年-2011(平成23)年 民主党主体の連立-??
野田内閣 2011(平成23)-2012(平成24)年 民主党主体の連立-??
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