幼いころから聴覚障害がある神戸市西区の女性(62)が、二十歳時点の障害程度を証明できないのを理由に、障害基礎年金を受給できないのは不当として、国に処分の取り消しを求める訴えを近く神戸地裁に起こす。
代理人の弁護士によると、女性は現在、両耳が聞こえにくい「両感音性難聴」で、身体障害者の三級に認定されている。聴力は三歳ごろから低下し、六歳で障害者手帳の交付を受けた。二十歳で障害基礎年金の受給資格を得たが、一人暮らしなどで制度を知る機会がなく、申請できなかったという。
二〇〇七年三月に国民年金の受給手続きをした際、初めて制度を知り、同年五月に須磨社会保険事務所に受給を申請。しかし、「二十歳時点の障害程度が不明」として、申請前の受給権を認めなかった。
国民年金法では、成人前に医療機関で障害があると診断された場合、障害基礎年金を受給するには二十歳時点の障害程度の証明が必要。女性は、小学校の担任教師らの陳述書などを用意して不服を申し立てたが、診断書やカルテがなかったため「客観的な証拠がない」として棄却された。
女性側は「裁決はあまりに形式的で公平さを欠く」と主張。社会保険庁は「気持ちは分かるが、制度の運用上仕方がない」としている
代理人の弁護士によると、女性は現在、両耳が聞こえにくい「両感音性難聴」で、身体障害者の三級に認定されている。聴力は三歳ごろから低下し、六歳で障害者手帳の交付を受けた。二十歳で障害基礎年金の受給資格を得たが、一人暮らしなどで制度を知る機会がなく、申請できなかったという。
二〇〇七年三月に国民年金の受給手続きをした際、初めて制度を知り、同年五月に須磨社会保険事務所に受給を申請。しかし、「二十歳時点の障害程度が不明」として、申請前の受給権を認めなかった。
国民年金法では、成人前に医療機関で障害があると診断された場合、障害基礎年金を受給するには二十歳時点の障害程度の証明が必要。女性は、小学校の担任教師らの陳述書などを用意して不服を申し立てたが、診断書やカルテがなかったため「客観的な証拠がない」として棄却された。
女性側は「裁決はあまりに形式的で公平さを欠く」と主張。社会保険庁は「気持ちは分かるが、制度の運用上仕方がない」としている