ゴエモンのつぶやき

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障害者雇用1500人を新目標に 総社で千人達成記念フォーラム

2017年07月11日 13時01分32秒 | 障害者の自立

 総社市の福祉施策「障害者千人雇用」で、就労者数の目標達成を記念したフォーラム(市主催)が9日、同市中央の市民会館で開かれた。市は、次の目標を1500人とし、障害者が安心して活躍できる地域づくりを一層推進する考えを強調した。

 障害者一人一人に寄り添い、適性を見極めて雇用マッチングを進め、就労後も定着に向けた支援を続ける同施策について映像を交えて紹介。片岡聡一市長が「千人達成は市内の企業、市民の協力があったからこそ」などとあいさつ。施策に貢献した就労継続支援A、B型の18事業所に感謝状を贈った。

 この後、片岡市長をコーディネーターに、加藤勝信1億総活躍担当相、橋本岳厚生労働副大臣、岡山大病院精神科の流王雄太医師がパネルディスカッション。加藤氏は「障害者雇用のノウハウを全国に広げてほしい」と期待した。片岡市長は「目標を1500人に設定し新たなスタートを切りたい。障害者の生活の質向上にも目を向けていきたい」と述べた。

 福祉関係者ら約600人が聴いた。


なぜシングルマザーや障害者も働くことができるのか

2017年07月11日 12時41分04秒 | 障害者の自立

一日百食限定、京都女性社長の店から働き方改革を問う

シングルマザーや障害のある方、介護をしている方などは、就職しようと思っても、面接で差別を受け、就職がかなわないことがある。そんな中、どこの面接を受けても受からなかった方も積極的に雇用し、飲食業界にも関わらず、夕方早く帰ることができる、そんな職場がある。

飲食業や不動産事業をおこなう株式会社minitts。2012年9月、中村朱美さんが設立した。

中村朱美さんは、京都生まれの京都育ち。京都教育大学を卒業後、専門学校に広報として勤めていた。

結婚前、今の夫が作ってくれたステーキ丼が、とても美味しかった。「お店を出そう。今しかない」。夫と一緒に、資金をためて2012年9月に株式会社minittsを設立、同年11月29日(いい肉の日)に、一店舗目となる国産牛ステーキ丼専門店「佰食屋」(ひゃくしょくや)を京都市右京区にオープンした。売れない日が続いたが、京都新聞など地元メディアやマスメディア、お客さんのソーシャルメディアの力で知られ、今では二店舗目、三店舗目となる、すき焼きと寿司の店も出店するまでになった。

一日100食限定、売切れご免。午前中に整理券を配り、午後の早い時間帯に売り切れる。

2017年5月中旬、中村朱美さんを訪問してお話を伺った。肉は塊のまま一括して仕入れ、3店舗で、実に上手に使い切っている。

ステーキ丼の店では、ステーキには もも肉を使う。

佰食屋自慢の一品、国産牛ステーキ丼佰食屋自慢の一品、国産牛ステーキ丼

それ以外の部分は、ハンバーグに。

国産牛を使ったハンバーグ

国産牛を使ったハンバーグ

すき焼きの店では、牛のバラ肉ともも肉をすき焼きに、「かいのみ」の部分をサイコロステーキに使う。かいのみ とは、牛のバラ肉の中でも希少部位である。

佰食屋すきやき専科のすき焼き。来店者には外国人観光客も多く、喜んで食べている佰食屋すきやき専科のすき焼き。来店者には外国人観光客も多く、喜んで食べている

錦市場に開店した寿司の店、佰食屋肉寿司では、「クラシタ」と言われる部位を使う。一方、硬くて、焼くだけでは食べられない「スジ」は、一晩煮込んで、軍艦の上にのせる。

佰食屋肉寿司の肉寿司佰食屋肉寿司の肉寿司

飲食業界では、「捨てるのも仕事のうち」「捨てることが常態化している」という店も多い。飲食店でアルバイトする大学生に聞いてみると、それはよくわかる。そんな中、佰食屋は、なぜ捨てないのか。

朱美さんは「(食べ物を)捨てると心が痛くなる。(そんなことは)したくない。それは私だけでなく、従業員も皆一緒」と語る。飲食店の経験者ではなく、いち消費者としてお店を始めたのも、「捨てたくない」という、ごく普通の感覚を忘れなかった一つの要因かもしれない、と話す。

すき焼き専科佰食屋のサイコロステーキ。「かいのみ」と呼ばれる、牛の希少部位を使う

すき焼き専科佰食屋のサイコロステーキ。「かいのみ」と呼ばれる、牛の希少部位を使う。

売り切って食材のロスをなくしたい。肉は夕方仕入れ、野菜は朝に仕入れる。残ったものは、従業員のまかないとして食べきる。まかないを食べ終わったら、翌日の仕込みをして、従業員は帰宅する。

たくさんのメニューがあると、捨てないといけないものも多くなるため、3店舗とも、メニューは、できる限り少なくしている。

すき焼き専科佰食屋のメニュー。3種類(ABC)のどれかから選ぶ(2017年5月、筆者撮影)

すき焼き専科佰食屋のメニュー。3種類(ABC)のどれかから選ぶ(2017年5月、筆者撮影)

2017年5月17日の昼に訪問した際、韓国人の観光客が複数組、店内に入って、すき焼きを注文していた。驚いたのは、店員さんが、上手な韓国語で彼らに対応していたことだ。すき焼きは、日本人にとっては食べた経験があっても、日本人以外の人には初めての体験であることが多い。そんなとき、店員さんが説明してくれると心強い。

すき焼き専科佰食屋のすき焼き(2017年5月17日、筆者撮影)

すき焼き専科佰食屋のすき焼き(2017年5月17日、筆者撮影)

また、外国籍の人にとって、卵を生で食べる、というのも、抵抗感があるかもしれない。そんな人にも無理なく食べてもらえるよう、卵は鍋に入れて調理して食べてもよい旨、メニューに説明が書いてある。

卵は、すき焼きにとって、メインの素材とも言える。そこで佰食屋では、安心で、美味しいものにこだわって、卵を選んでいる。そのため、卵には通常の倍以上のコストをかける。安定して一定数を仕入れるという約束のもと、養鶏農家さんからの信頼を得て、仕入れている。

すき焼き専科佰食屋の、味と安全にとことんまでこだわって養鶏農家から入手している卵

すき焼き専科佰食屋の、味と安全にとことんまでこだわって養鶏農家から入手している卵

朱美さんは、「卵は、宣伝広告費とも考えられる」と言う。小さい規模の企業なので、いわゆる宣伝広告費は使っていない。だが、「卵が美味しい」と評判になれば、それが広告の役目になって、お客さんが来てくれる。

一時期、お客さんがご飯をたくさん食べ残してしまうことがあったという。そこで、多すぎず、少なすぎず、適度な量を追求して、今の、絶妙な量に落ち着いた。

すき焼き専科で出されるご飯(2017年5月17日、筆者撮影)

すき焼き専科で出されるご飯(2017年5月17日、筆者撮影)

ご飯を炊いて、もし余った場合は、従業員のまかないとして食べきる。野菜の切り方を間違えてしまったものも、まかないに使う。卵に「ひび」が入ってしまったものは、ラップにくるんで、これもまかないに。

持ち帰りについては、持ち帰り容器のドギーバッグを50円で販売しており、当日中に食べるよう、客にうながしている。

すき焼き専科佰食屋の、湯気をたてているすき焼きすき焼き専科佰食屋の、湯気をたてているすき焼き

京都市は、食べ残しゼロ推進店舗という取り組みを数年前から続けており、昨年4月に200店舗台だったのが、今年2017年4月には500店舗を超えて518店舗となり、一年間で2倍以上にも拡がった。佰食屋も、もちろん、京都市の「食べ残しゼロ推進店舗」に認定されている。

京都市が進める「食べ残しゼロ推進店舗」。決められた8項目中2項目以上を実施、申請、認可される

京都市が進める「食べ残しゼロ推進店舗」。決められた8項目中2項目以上を実施、申請、認可される

佰食屋は、とにかく、「自分たちがお客だったら」という目線で考えられている。通常の飲食店だと、利益率の高いドリンク類も、「この値段でいいの?」と言いたくなるほど、リーズナブルである。朱美さんいわく「主婦目線」と語る値段である。

朱美さん自身、夫と二人の子どもの4人で、自分の店に食べに来ることがある。社長だからといって、特別扱いはしない。料金も、他のお客さんと同様、きっちり支払う。そんなとき、高過ぎるのでは困る。しょっちゅう食べに来ることができない。自分たちも、気軽に食べに来られる値段にこだわっている。

すき焼き専科佰食屋の店内

すき焼き専科佰食屋の店内

佰食屋は、他の職場の面接では、どこを受けても受からなかったような人も受けに来る。年齢は不制限。シングルマザー、障害がある方、介護に携わっている方など、40代以上の転職も多い。

フレンチレストランで20年以上働いていた人や、百貨店で長年働いていた人も、今では佰食屋で働いている。「子どもの運動会なんて行ったことがない」という人や「家族と一度も夕食を食べたことがない」「子どもを夜、風呂に入れたこともない」という人たちが、佰食屋で働き、午後の早い時間に百食を売り切り、夕方、帰宅していく。

ある男性は、残業が当たり前の飲食業界から転職した。佰食屋で働き始めて間もない頃、夕方の帰宅時間が早いため、彼の妻が「あなた、本当に働いてるの?」と聞いたそうだ。それくらい、飲食業界では「帰るのが遅いのが当たり前」。

すき焼き専科佰食屋の外観(2017年5月17日、筆者撮影)

すき焼き専科佰食屋の外観(2017年5月17日、筆者撮影)

朱美さんは、そんな人たちが、家族と過ごせる時間をぜひ持って欲しい、と語る。

朱美さん自身、今は二人の幼い子どもを抱えている。長女を授かる前は2年間、不妊治療をしていた。そのあと授かった長男は、脳性麻痺を抱えている。取材後にやり取りしている間も、朱美さんは、長男と2人でリハビリ入院していた。朱美さんの今の状況も、一般企業であれば、働き続ける許可が得られない可能性もある。自身が配偶者と子ども2人とともに暮らしながら、さまざまなものと格闘しながら働いているからこそ、従業員にも、家族とのかけがえのない時間を確保してほしい、という思いもあるかもしれない。

すき焼き専科佰食屋の庭

すき焼き専科佰食屋の庭

朱美さんの思いは「多くの人に美味しいものを届けたい」。

多くの企業が立てている「四半期計画」や「中長期計画」は、佰食屋では立てない。そんな数字より、「今日一日の百食をきちんと売り切ること」。そして、お客さんの目を見て対応する、出した麦茶が少なくなっていたら注ぎ足してあげる、など、接客の「クオリティ(質)」を良くすること。提供している食事は、お客さんがワクワクして食べたくなるものなのか、きちんと追求していく。

朱美さんは、お客を大切にする一方、「お客さまだけを大切にするのではない」ときっぱり言う。自分たち経営者が一番大切にするのは従業員。そして、従業員が最も大切にするのは、経営者ではなく、お客さまである、と。

夫婦の役割分担もはっきり決めており、夫はメニューを考え、レシピを決める役割。朱美さんは、接客、応対、従業員教育。家庭でも、はっきりした役割分担は同じだそうで、料理の得意な夫がご飯をつくり、朱美さんがそれ以外を担当している。夫婦とも京都生まれの京都育ち。他地域への出店を勧められることもあるが、「京都でしかやりたくない。従業員に転勤させたくないから」。

肉寿司のお店は、観光客が多く行き交う錦市場の中にある

肉寿司のお店は、観光客が多く行き交う錦市場の中にある

佰食屋を運営する朱美さんを見ていると、今、さかんに問われている「働き方改革」の本質とは何か、ということを改めて考える。働く時間を短くする、早く仕事を終えて帰宅する、出産・育児休暇を夫婦で取る、女性の管理職割合を増やす、”プレミアムフライデー”を設けて職員の早い時間の帰宅を促す。そういうことも、もちろん大切だ。だが、表面的な数字だけを整えることが目的ではないはず。もっと本質的なところを問い直すことで、働く時間が短くなったり、出産・育児休暇がとりやすくなったりし、結果的に、働き方が改革される・・・というのが本来のあり方ではないか。

世界では、食料生産量のおよそ3分の1に相当する、13億トンを毎年廃棄している。日本では621万トン。東京都民が一年間食べるだけの量を毎年棄てている。大切な食材や、有限なエネルギー(電力、水など)、人件費、働く人たちの時間や命をかけて作った食べ物を大量に捨てている。いったい、何のために働いているのだろう。どうせ捨てるなら、最初から無駄に多く作らなければ、エネルギーとお金の無駄が減り、働く人の余裕がたっぷりとれるのではないか。捨てる前提、という店も多い飲食業界、佰食屋の「一日百食限定」で、従業員が早く帰れる仕組みは、まさに、これを実践している結果である。食品の無駄が出ないし、働く人の時間にも心にもゆとりが生まれる。働ける時間が限られる女性や、障害がある方も、働き続けることができている。

表面的な「働き方改革」を唱え、追求し、数字の帳尻合わせをする前に、何のためにその業務をしているのか、それは果たして必要なのかどうかを、まず、考えるべきではないだろうか。

7/10   Yahoo!ニュース 個人


高齢障がい者の「介護」利用

2017年07月11日 12時32分36秒 | 障害者の自立

問い
生活介護などの障がい福祉サービスを受けていた人が65歳になり、介護保険を利用するようになって発生していた自己負担が、来年4月から軽減されると聞きました。どのような内容ですか。(福岡市 T・F)

65歳を超えた高齢障がい者は、市町村が介護保険の利用により必要なサービスを受けられると判断した場合、障がい福祉サービスよりも介護保険サービスを優先して利用することになっています。

いずれの制度も、サービスに要した費用の原則1割(介護保険は一定の収入があれば2割)を負担することになっていますが、障がい福祉サービスでは低所得者の場合、無料で利用できるため、介護保険への移行により自己負担が新たに生じてしまう課題がありました。

介護保険における低所得者の自己負担限度額は、世帯全員が市町村民税非課税の場合、1万5000~2万4600円。同一世帯に課税者がいる場合は3万7200円(今年8月から4万4400円)になります。

このような事態を解消するため、公明党が強く主張し、昨年5月、障害者総合支援法を改正。改正法が施行される2018年4月から軽減措置が導入されることになりました。

具体的には、障がい福祉サービスを長期にわたり利用していた一定の高齢者を、障がい福祉制度の「高額障害福祉サービス等給付費」の支給対象者とし、相当する介護保険サービスについて負担を軽減する仕組みを設けます。

要件は今後決定しますが、「65歳に達する日まで5年間にわたり、居宅介護や重度訪問介護、生活介護、短期入所の障がい福祉サービスの支給決定を受けていた」「生活保護受給または市町村民税非課税の低所得世帯」「必要とされる支援の程度を示す障害支援区分が2以上」などの予定。

これにより、障がい福祉サービスを自己負担ゼロで利用していた人のうち、要件を満たす場合は、介護保険サービスでもゼロになります。なお、今回の改正により要件を満たさない人の負担が従来より増えることはありません。


介護保険を利用する高齢障がい者の自己負担を軽減

公明新聞:2017年7月10日


大きな文字の漢字字典 弱視や学習障害の子も学びやすく

2017年07月11日 12時26分21秒 | 障害者の自立

 弱視や学習障害(LD)の子も学びやすく――。視覚障害者向けの出版事業などを手掛ける東京の社会福祉法人が、小学校で習う全ての漢字を収めた「大きな文字の漢字字典」を刊行した。漢字の大きさは約7センチ角で、弱視やLDの人が見やすいよう開発された書体を使うなど工夫を凝らした。

 東京都新宿区の「桜雲会」が発行。2020年度の次期学習指導要領で追加される20字を含む1026字を、1ページに1字掲載し、読みや用例、部首などを示した。文字の大きさは、弱視の人の意見を聞いて決めた。

 「丸教体」と名付けた書体は、教科書体の骨格を生かしつつ、線の太さが丸ゴシック体のようにおおむね均一なのが特徴。弱視者や、LDの一つである読み書き障害(ディスレクシア)の人にとって、教科書体は起筆や終筆の形が複雑などの理由から見づらいことを踏まえ、フォント制作会社「字游工房」(新宿区)が開発した。

 ルビは漢字の横ではなく後ろに丸カッコでくくって大きく表示。読み書きに障害がある人が特徴をつかみやすいよう「左右型」「囲み型」などパターン別の分解図も付けた。索引では、読みや部首だけでなく「心や気持ち」「色」など45のテーマごとにグループ分けした。

 桜雲会の甲賀金夫施設長は「大人や外国籍の人も含め、漢字学習が苦手な全ての人に利用してもらえれば」と話している。

2017/7/10    日本経済新聞


乳がんで余命2ヶ月と宣告されたデザイナーが仲間たちと共に見たい未来

2017年07月11日 11時59分44秒 | 障害者の自立

 乳がんで余命2ヶ月と宣告された広林依子さんと、友人でリディラバ代表の安部敏樹さん

■乳がんで余命2ヶ月と宣告

「夢は、とにかく今作っているものを作り続けること。そうやって生を延長する。作れば作るほど自分が作ったものっていうのが残っていくから、とにかく延長すること。ものづくりの人として半生を生きてきたから、最後は『ものづくりの人』として死にたい。」

こう話すのは、広林依子さん(29)。

今年6月、医師から余命2ヶ月を宣告されました。乳がんが見つかったのは、今から3年前、26歳の時でした。この時、既に骨に転移しており、がんの中でも最も深刻な、ステージ4という診断でした。デザイナーとしてキャリアを積み上げてきた中での出来事です。

6月下旬、彼女は大学時代からの大切な友人が運営する団体を訪ねました。会いたかったその大切な友人、安部敏樹さんです。東京大学在学中の2009年に「リディラバ」を設立しました。今から8年前に立ち上がった団体で、社会問題の現場を訪れるスタディツアーなどを実施しています。広林さんには、安部さんのために団体のロゴを夜な夜な制作したという大切な思い出がありました。

広林さんや安部さんの想いをGARDEN Journalismで取材をしました。

リディラバのロゴは、午前7時25分を指し示す、時計の針でデザインされています。これは、1日24時間を「人の寿命」に例えるというアイデアから生まれたもの。午前7時25分は、リディラバが創業された当時学生だった、安部さんを含むメンバーの年齢を示しています。創業当時の初心を忘れずに進んでいくという想いを込めました。

広林さんがロゴを制作する際に最もこだわったというのが、「指針」。安部さんのどのような創業時の「思い」が、そこには刻み込まれているのでしょうか。

■“社会の無関心を打破する” スタディツアーで社会問題を自分ごとに

“社会の無関心を打破する”を理念に掲げ、企画・実施してきたスタディツアー。これまでに取り扱ってきたテーマは200以上にも上ります。貧困や人身取引の現場から、売れ残った弁当などが大量に廃棄される「フードロス」の現場など、普段はなかなか知ることができない社会問題の実態を、身をもって体験することができるツアーの数々です。

神奈川県小田原市の「川田製作所」という町工場で行われたスタディツアー。通信制の高校に通う若者たちが参加しました。

障害者や外国人の雇用、地域への貢献を積極的に進めているこの町工場。参加者の高校生は、副社長の川田俊介さんの話に驚きを見せます。

「ものづくりに対してとても熱意のある方だと感じました。地域に貢献する姿勢、障害者を採用して、得意なところと苦手なところを見つけて、そのことをうまく仕分けていくというところも感動しました。」

安部さんは、マスメディアで報道される社会問題の現場とは異なる、そこで生きる当事者たちの声をもっと丁寧に伝えていきたいと考えています。

「ただの町工場見学ではなくて、(その現場が)社会課題の(全体像の)中でどういう位置付けがあって、未来をどう変えていかなければならないか(を考えてもらいたい)。その為の一つの事例として「(現場では)こんなことしてますよ」と教えてくれている。非常に勉強になりますよね。現場ではこんな風に小さな積み重ねが実際にその問題を一つずつ解決の方向に進めているんだよと。」

リディラバとのスタディツアーをはじめて1年、今回で5回目のツアーとなった川田製作所。川田さんはツアーを重ねる中で、会社や社員の変化を感じているといいます。

「1回目よりも2回目、2回目より3回目というふうに(変化を)実感してきている。改めて『自分たちは何者か』を整理する。それが整理できたことで自分たちの自信に繋がったり、自分たちのモチベーションに繋がったり、将来の希望につながったり。そういったものが芽生えた。そういったじわじわしたものが生まれた。」

ジャーナリスト/NPO法人8bitNews代表   7/10