我が家も 父が建てて はや四十数年
庭木も育ち 蝉も卵を産み繋(つな)ぎ
夏が訪れる度に 蝉が蛹(さなぎ)からかえる
家の外壁や 梅の木 ぼけの木
ブルーベリーの木にも 夕方から早朝にかけて
蛹が這い上り 密かに脱皮しているようだ
ぼくが少年の頃 真夏の夕方や朝方に
大きな木や家の壁などのそばの地面で
指先位の小さな穴を探しては
蛹や羽化寸前の蝉を探しては捕まえて
家に持ち帰り 家の壁や蚊帳などに掴まらせて
神秘的な羽化の様子を じっと観察していた
誰が創ったか 誰がプログラミングをしたか
その余りの見事さに ボクたちは息をのみ
ため息をついて しばらく見入った
暗い土の中で 5年も10年も過ごし
命がけで 翡翠のような羽を伸ばし
大人の体に変身した蝉たちは
食べもせず 命を繋ぐことに専念し
あっという間に我が命を全うする
わが子たちが 成長するのを見届けもせず…
PS 2010.8.1 草稿 後で改稿する予定です 悪しからず