今の天皇は、現人神から人間になった昭和天皇と違い、即位したときから人間であり、最初から象徴天皇である。
故に、陛下は、象徴としての役割を誰よりも一番よく理解し、全身全霊で努めてこられているのだと思う。
その陛下が、日本国にとって忘れてはならない終戦記念日の1週間前に、お言葉を述べられてということは、大変深い
お考えがあるように思える。
国家主義・軍国主義の時代から民主国家へと変貌するまさに最中に、教育を受けた陛下のお言葉を抜粋して、私流の
解釈を書いてみる。
“本日は、社会の高齢化が進む中、天皇もまた高齢となった場合、どのような在り方が望ましいか、天皇という立場
上、現行の皇室制度に具体的に触れることは控えながら、私が個人として、これまでに考えて来たことを話したいと
思います。”
”即位以来、私は国事行為を行うと共に、日本国憲法下で象徴と位置づけられた天皇の望ましい在り方を、日々模索
しつつ過ごして来ました。伝統の継承者として、これを守り続ける責任に深く思いを致し、更に日々新たになる日本と
世界の中にあって、日本の皇室が、いかに伝統を現代に生かし、いきいきとして社会に内在し、人々の期待に応えて
いくかを考えつつ、今日に至っています。”
“天皇が象徴であると共に、国民統合の象徴としての役割を果たすためには、天皇が国民に、天皇という象徴の立場へ
の理解を求めると共に、天皇もまた、自らのありように深く心し、国民に対する理解を深め、常に国民と共にある自覚
を自らの内に育てる必要を感じて来ました。”
“天皇が健康を損ない、深刻な状態に立ち至った場合、これまでにも見られたように、社会が停滞し、国民の暮らし
にも様々な影響が及ぶことが懸念されます”。
“憲法の下、天皇は国政に関する権能を有しません。そうした中で、このたび我が国の長い天皇の歴史を改めて振り
返りつつ、これからも皇室がどのような時にも国民と共にあり、相たずさえてこの国の未来を築いていけるよう、
そして象徴天皇の務めが常に途切れることなく、安定的に続いていくことをひとえに念じ、ここに私の気持ちをお話し
いたしました。”
「天皇は、神ではなく人であるから高齢になれば、当然衰えてくる。皇室典範では、生前退位についての規定は、定め
られていない。象徴天皇の立場としては、法律の詮索はできない。
しかし、今までには考えられなかった超高齢化の時代だからこそ、時代に応じた定めも必要である。高齢だからということで、
国事行為や象徴としてなすべき天皇の行為を少なくされてはどうかという考えが巷間見受けられるが、それは誤りである。
象徴天皇の役割や意義を意図的に理解していないのか、または、無視している人の考えである。
私は、象徴天皇としての役割の理解や努めに全身全霊で励んでいるからこそ、また、その当事者であるからこそ、象徴天皇
の重大さを身をもって感じている。
昭和天皇の逝去前後には、ことさら日本国全体に重い空気が流れたがこのようなことは良くないことである。象徴天皇の
役割を十分果たせるよう時代に応じた法律の改正も必要である。」
(皇室典範の改正は、単に法律の改正であり、憲法の改正とは全く異なる。巷間、皇室典範の改正に乗じて、憲法を改正し、
再び国家主義・軍国主義の道を開こうとの思惑があるが、それは間違いである。昭和天皇の息子であり、また象徴天皇である
私は、「日本国敗戦」の重さを誰よりも理解し、二度とこのような悲惨な事があってはならないと誓うためにも慰霊の旅を
続けてきたのである。)
故に、陛下は、象徴としての役割を誰よりも一番よく理解し、全身全霊で努めてこられているのだと思う。
その陛下が、日本国にとって忘れてはならない終戦記念日の1週間前に、お言葉を述べられてということは、大変深い
お考えがあるように思える。
国家主義・軍国主義の時代から民主国家へと変貌するまさに最中に、教育を受けた陛下のお言葉を抜粋して、私流の
解釈を書いてみる。
“本日は、社会の高齢化が進む中、天皇もまた高齢となった場合、どのような在り方が望ましいか、天皇という立場
上、現行の皇室制度に具体的に触れることは控えながら、私が個人として、これまでに考えて来たことを話したいと
思います。”
”即位以来、私は国事行為を行うと共に、日本国憲法下で象徴と位置づけられた天皇の望ましい在り方を、日々模索
しつつ過ごして来ました。伝統の継承者として、これを守り続ける責任に深く思いを致し、更に日々新たになる日本と
世界の中にあって、日本の皇室が、いかに伝統を現代に生かし、いきいきとして社会に内在し、人々の期待に応えて
いくかを考えつつ、今日に至っています。”
“天皇が象徴であると共に、国民統合の象徴としての役割を果たすためには、天皇が国民に、天皇という象徴の立場へ
の理解を求めると共に、天皇もまた、自らのありように深く心し、国民に対する理解を深め、常に国民と共にある自覚
を自らの内に育てる必要を感じて来ました。”
“天皇が健康を損ない、深刻な状態に立ち至った場合、これまでにも見られたように、社会が停滞し、国民の暮らし
にも様々な影響が及ぶことが懸念されます”。
“憲法の下、天皇は国政に関する権能を有しません。そうした中で、このたび我が国の長い天皇の歴史を改めて振り
返りつつ、これからも皇室がどのような時にも国民と共にあり、相たずさえてこの国の未来を築いていけるよう、
そして象徴天皇の務めが常に途切れることなく、安定的に続いていくことをひとえに念じ、ここに私の気持ちをお話し
いたしました。”
「天皇は、神ではなく人であるから高齢になれば、当然衰えてくる。皇室典範では、生前退位についての規定は、定め
られていない。象徴天皇の立場としては、法律の詮索はできない。
しかし、今までには考えられなかった超高齢化の時代だからこそ、時代に応じた定めも必要である。高齢だからということで、
国事行為や象徴としてなすべき天皇の行為を少なくされてはどうかという考えが巷間見受けられるが、それは誤りである。
象徴天皇の役割や意義を意図的に理解していないのか、または、無視している人の考えである。
私は、象徴天皇としての役割の理解や努めに全身全霊で励んでいるからこそ、また、その当事者であるからこそ、象徴天皇
の重大さを身をもって感じている。
昭和天皇の逝去前後には、ことさら日本国全体に重い空気が流れたがこのようなことは良くないことである。象徴天皇の
役割を十分果たせるよう時代に応じた法律の改正も必要である。」
(皇室典範の改正は、単に法律の改正であり、憲法の改正とは全く異なる。巷間、皇室典範の改正に乗じて、憲法を改正し、
再び国家主義・軍国主義の道を開こうとの思惑があるが、それは間違いである。昭和天皇の息子であり、また象徴天皇である
私は、「日本国敗戦」の重さを誰よりも理解し、二度とこのような悲惨な事があってはならないと誓うためにも慰霊の旅を
続けてきたのである。)