先日の勉強会は、昨年9月の安倍首相の訪問後にメンバーの一人がキューバを訪れた時の話だった。
キューバと聞くと何よりも鮮明に覚えているのは、1962年のキューバ危機である。当時、テレビを見ながらアメリカとソ連が
全面核戦争に突入するのではないかと不安を感じていたのである。
史実とは違うところもあるようだが、当時の緊迫感がヒシヒシと感じられるのは、ケビンコスナー主演の映画「13デイズ」だ。
これは、当時のアメリカ大統領ジョン・F・ケネディ(45才)、弟の司法長官ロバート・F・ケネディ(36才)とケビンコスナー
演じる大統領特別補佐官ケネス・オドネル(38才)という若い指導者の苦悩と決断の様子をドキュメンタリー風に描いた作品。
緊迫シーンでは映画だとは分かっていても、思わず息を飲むほどの作品となっている。
キューバとアメリカのフロリダとの距離は145km.
国土地理院の
「都府県庁間の距離」によると広島県庁から香川県庁までの直線距離が145.8km、都庁からだと静岡県庁
までが142.8km。ちなみに、北海道だと函館から札幌のまでの直線距離は約150km。
こんなに近いのに彼が行ったときには、アメリカとキューバ間に直通便はなかった。だから、日本からはカナダのトロントまで行き、
そこで乗り継ぐのが一番早いらしい。トロントからは3時間半だと話していた。なぜ、アメリからキューバへの直通便はないのかと
言えば、キューバ危機の前の時代まで遡る。
キューバはスペインの植民地だったが、スペイン支配者の圧政により1830年代から独立機運が高まっていた。しかし、スペイン・
アメリカ戦争によるアメリカの勝利によりアメリカの軍政を経て1902年に独立。独立と言っても名目上だけで、事実上、アメリカの
支配下にあった。時は移り、1952年バティスタがクーデターを成功させると独裁政治が始まり、富は、政権、アメリカそしてマフィア
が独占した。そこへ、昨年11月25日に亡くなったフィデル・カストロが登場…………(盟友のチェ・ゲバラまでいくと話が止まら
なくなるので止める。)1959年カストロが政権を取り、外国資本を没収するとアメリカは空爆をはじめ、あらゆる妨害工作をし、
ついに1961年1月、国交断絶。同年4月にソ連を頼りにするほかなくなり、社会主義国家を宣言。冒頭のソ連のキューバへの
ミサイル基地建設計画によるキューバ危機に繋がるのである。
昨年、オバマによって、54年ぶりにアメリカとキューバのは国交は回復したが、トランプ政権になった今後はどうなるんだろう。