シジュウガラガンがいるという川へ案内してもらった。迷路のような狭い道を通って辿り着いた。帰りは一人だったので、
案の定、道に迷ったが、そのおかげで広い道に出て、よく知ってる道まで出ることができた。

最初に目に入ったのがこの鳥、ガチョウのようだ。3羽が岩の上でじっとしていた。
現在飼育されているガチョウは、ハイイロガンを原種とするヨーロッパ系と、サカツラガンを原種とする中国系のシナガチョウに大別されるようだ。
ネットで検索すると、どうやら白色型のシナガチョウみたいだ。

その右奥の中州になっている所にはこの鳥がいた。
マガモの雄とそっくりの嘴をしているカモで、図鑑でも見たことがない。交雑個体か改良種かもしれない。(足輪は付いていない)
最初は、マガモと一緒に居た。

左側の岩の上に2羽いたこれは、シジュウガラガンの仲間のようだが、シジュウガラガンの特徴の白い首輪が全くない。
ネットで検索してみると、ヒメシジュウガラガンのようだが、右足首に足輪が付いている。公園等で飼われていたものか、あるいは、
どこかで飼育されていた鳥と思われるが、この川にいるので、どちらにしてもカゴ抜けの鳥だろう。
しかし、同じ場所で見たこともない鳥を同時に3種も見たので、ここは動物園の一部か、誰かが育てているのかとも思った。
一緒に行った鳥仲間の一人が付近で農作業をされている方に尋ねると、白い鳥だけはかなり前からいたのを知っていると話していた。
(追記)
このシジュウガラガンに似た鳥は、野鳥の会の支部長さんにメールをしたら、この川の近くの方が知り合いからもらった鳥で、飛べなく羽を切っているそうだ。
もう一度見てみると、シジュウガラガンより大きいし嘴も長い。ネットでさらに検索してみると、シジュウガラガンとの交雑が心配されているシジュウガラガン
の近縁種のオオカナダガンのようだ。
こんな記事を見つけた。
“カナダガンは現在8-11亜種(古くは絶滅亜種Branta canadensis asianticaを入れて12亜種)に分類されるそうで、日本へは中型の亜種シジュウカラガン、
チュウショウカナダガンと小型の亜種ヒメシジュウカラガンなどの数亜種が稀に渡ってくるらしいのですが、分類は段階的ではなく連続的で各中間型なども居て
単純では有りません。本亜種はカナダガンの中でも大型で長距離の移動はせずカナダ国内での留鳥性が強いため篭脱けと考えられています。
また嘗て日本各地に飛来した亜種コシジュウカラガンも絶滅し、現在稀に渡って来るシジュウカラガンも殆どはロシアや日本で、絶滅したコシジュウカラガンの
代わりに放鳥された篭脱けなのだそうです。”
追記その2
シジュウカラガンとカナダガンとの関係について以下のホームページに大変詳しく書かれていた。 http://homepage3.nifty.com/Kume/goose/40karamemo.html
また、「静岡県富士地方に生息・繁殖するシジュウカラガン近縁種・オオカナダガン情報」については、以下のアドレスに載っていた。
http://kume.eco.coocan.jp/goose/40kara.html
自分で分かりやすく整理するためにこの中にあった「シジュウガラガンをカナダガンという名称について」という記事を要約をしてみた。
“ シジュウカラガンという和名は種名 Branta canadensis と亜種名 B. c. leucopareia の両方に用いられているので、混乱を引き起こしている。最近は外来の
大型亜種が国内で繁殖をはじめ、その分布が拡大してきたことにより早急にその対応が急務の課題となってきた。この混乱を防ぐために, 以前から種名 B. canadensis
を「カナダガン」と呼び, 絶滅が危惧される亜種 B. c. leucopareia だけを「シジュウカラガン」と呼ぶようにしてきた。
日本で記録されている在来の亜種は、小型の亜種に属するシジュウカラガンとヒメシジュウカラガンだけだが、最近は国外から持ち込まれ、国内で繁殖を開始した大型の
「外来亜種」(亜種オオカナダガンの可能再が高い)が増加している。
これら大型のカナダガンが誤って「シジュウガラガン」として記録報告されることが多くなった。また、亜種シジュウカラガンも回復計画の成果もあり、野生個体も放鳥個体
も増加傾向を示し、特に千島列島で放鳥された個体の場合、観察地域が広がった。このため、外来亜種との生息域が重なるのも時間の問題になり、交雑の危険が高まっている。”
このこともあり、現在各所で見られる在来の希少亜種であるシジュウカラガンと、外来亜種の大型カナダガンの無用な混乱を回避するためにも、日本でも速やかにIUCNのRed List(2007)
でも採用されている分類の採用を検討すべきであると「日本雁を保護する会」は主張している。