今日の読売新聞「逆流 岐路の河川行政」に徳島県の「吉野川第十堰」のことが取り上げられていた。
江戸時代に出来た歴史的な遺産でもある青石の河口堰を取り壊し、長良川に建設されているような巨大な可動堰を作ろうとの計画に対し、徳島市住民が住民投票で「NO」の意思を示した堰である。
昨年5月に国土交通省四国整備局は、「河川整備計画作りは、吉野川第十堰の対策を除いて進めます。」と発表した。その半年前に当時の河川局長は、「第十堰の文化的価値と治水を総合的に考える」「徹底した情報公開と住民参加で議論を進める」と明言していたにもかかわらずである。
そして、新聞記事の後半に興味ある内容の記述を見つけた。1997年の河川法改正時の河川局長で現在NPO「渋谷川ルネッサンス」代表を務める尾田氏が国土交通省所管の公益法人の機関誌にこう書いているのである。
「行政側に主体的に取り組む気概がなく、形式的な場に同席させられるだけの住民参加は決して愉快なことではない」中略 そして他省庁の反対に遭いながらも、環境保全と住民参加の理念の法制化に苦労した尾田氏が最後に「かっての密室作業に舞い戻っていなければ幸いだ」と結んでいる。
氏は、「河川事業の計画段階から住民意見を反映し、川造りから日本の公共事業をリードするつもりだった。今は、法改正の理念を見失っているのと違うかな」と言っている。
現状はまさに、氏が指摘するとおりである。小泉内閣以降続いている強権政治が河川行政を含む一般行政にも影響を与えているのである。
役人は、今の政治体質が自分たちに都合がいいので、この機会にまた昔に戻ろうとしているのである。
私たちは逆戻りさせないようにしなければいけないが、「言うは易く行うは難し」である。
住民サイドは、自分たちの直接の利益には繋がらないので、情熱とパワーの持続が難しいが、役人は自分たちの将来と業界の利権がからんでいるので、持久戦に持ち込むのを得意としている。
江戸時代に出来た歴史的な遺産でもある青石の河口堰を取り壊し、長良川に建設されているような巨大な可動堰を作ろうとの計画に対し、徳島市住民が住民投票で「NO」の意思を示した堰である。
昨年5月に国土交通省四国整備局は、「河川整備計画作りは、吉野川第十堰の対策を除いて進めます。」と発表した。その半年前に当時の河川局長は、「第十堰の文化的価値と治水を総合的に考える」「徹底した情報公開と住民参加で議論を進める」と明言していたにもかかわらずである。
そして、新聞記事の後半に興味ある内容の記述を見つけた。1997年の河川法改正時の河川局長で現在NPO「渋谷川ルネッサンス」代表を務める尾田氏が国土交通省所管の公益法人の機関誌にこう書いているのである。
「行政側に主体的に取り組む気概がなく、形式的な場に同席させられるだけの住民参加は決して愉快なことではない」中略 そして他省庁の反対に遭いながらも、環境保全と住民参加の理念の法制化に苦労した尾田氏が最後に「かっての密室作業に舞い戻っていなければ幸いだ」と結んでいる。
氏は、「河川事業の計画段階から住民意見を反映し、川造りから日本の公共事業をリードするつもりだった。今は、法改正の理念を見失っているのと違うかな」と言っている。
現状はまさに、氏が指摘するとおりである。小泉内閣以降続いている強権政治が河川行政を含む一般行政にも影響を与えているのである。
役人は、今の政治体質が自分たちに都合がいいので、この機会にまた昔に戻ろうとしているのである。
私たちは逆戻りさせないようにしなければいけないが、「言うは易く行うは難し」である。
住民サイドは、自分たちの直接の利益には繋がらないので、情熱とパワーの持続が難しいが、役人は自分たちの将来と業界の利権がからんでいるので、持久戦に持ち込むのを得意としている。