今日の読売朝刊「ライブドア事件を語る」の記事、語っているのは、小説家新田次郎氏の次男で、お茶の大学教授、数学者にしてエッセイスト。
ちなみに教授の
「国家の品格」という本が売れている。
記事の中身を私流にかいつまむと
マスメディアなどが「ホリエモンが法律違反をした。」ということに焦点を当てるから事件の背後にある「市場原理主義」の問題点が隠されてしまう。
市場原理主義は、人々を勝者と敗者に容赦なく分ける。しかし、勝ち負けは五分五分の確立でなく、1割の勝者に対して9割が敗者となる。(ギャンブルと同じ)
市場原理主義の進んだ米国では人口の1%が国富の40%を得ているという統計もある。
金銭主義がまかり通る現状(ホリエモンの台詞「金で買えないモノはない。」)に対し、アメリカに植民地化されている日本には自由はない状況だ。
2003年度 日本は25兆円の米国債を買っている。その額は対米黒字の3,4倍に相当。日本のもうけで米国の赤字を補填しているようだ。その上この国債は、米国のコントロール下にあり自由に売れない。そのため、国内ではゼロ金利が続いてる。(日米の金利が変わらないとわざわざ為替リスクのある米国債など買わない。)
日本人があっけないほどアメリカの市場原理に毒されされたのは、祖国に対する自信、国柄を失ってしまったためだろう。
(と言っているが、氏は右翼ではない。)
1549年にフランシスコ・ザビエルが来日して驚いたのは、貧しい武士が金持ちの町人に尊敬されていたことだ。武士は権力と教養は身につけても金は持たなかった。それでも尊敬されたのは、高邁な武士道精神、非常に高い行動基準のもとに生きていたからだ。
市場原理主義によって「情緒」という日本人の行動基準、特に弱者に配慮する”惻隠の情”が昭和初期から根こそぎやられた。だから戦争をした。
記者は結びとして「堀江容疑者を生み出した市場原理主義の流れは、単に経済だけでなく日本の文化の美点までも損なっている。」と指摘している。
記事の中の注:「武士道」
鎌倉武士の戦闘の現場仁おけるフェアプレー精神から生まれ、江戸時代に慈愛、誠実、忍耐、正義などを盛り込んだ倫理体系として洗練された。
そして、小泉改革という国家上げての後押しが、更にそういう風潮を増大しているのではないかと私は思う。このままでは日本は、二流、三の国に成り下がってしまう。
しかし、日本人の魂を取り戻すための教育が必要といっても、教える先生にしても団塊の世代以降の人間だと「”情緒、惻隠の情”はウェットだ、世の中はアメリカのようにドライにやるのがいい。」で育ってきているで難しそうだ。