現代川柳『泥』第三号
◎「書くことは、恥をかくことである。」という言葉に頷きながら、「恥をかくことは前進につながる」ことと信じ肝に命じたとき、ペンが少しずつ軽くなってくるような気がした。書きながら、消しながら、漠然としていた「何か」が浄化され、おぼろげながらも輪郭が見えてきた手応えと、温かくて厳しい眼差しに支えられているという実感は嬉しい。誌を創るプロセスに充実感がある。
個性的な香りの漂う川柳誌が次々と誕生している。個々の匂いを楽しみたい。「泥」は泥臭く・・・。(容子)
◎平成15年の幕開けを待っていたかのように、新しい風が吹いた。青森から「双眸」、岡山から「バックストローク」の創刊である。両誌共通の際立った特色のひとつに、選者評のスペースが十二分に確保されていることがある。選者の作品に対する真摯な姿勢が続くかぎり、そこからいい作家が育つであろう。
待望久しい曲線立歩氏の句集「目ん玉」が、上梓された。労を惜しまない辻晩穂氏のひたむきさに拍手したい。定金冬二句集を出した倉本朝世氏にも同じく。(さとし)
◎啓蟄・・・(陽暦の三月五日前後、冬ごもりの虫)
外界を脾睨しながら、そろりそろりと這い出す虫にも似て、『泥』もいよいよ折り返し点にきた。今号、四つの題とがっぷり組んだ、川柳、ア・ラ・カ・ル・ト。
心の奥にもやもやしている得体の知れないものを、素手で引っ張りだすのは、文の上手、下手とは関係なしに一種の快感が・・・。それも、温かくて厳しい読者の目があればこそ。そのエールに押されながら、這い出した虫。シャワー全開にしてなにかを待つ・・・春。(テイ子)
◎「書くことは、恥をかくことである。」という言葉に頷きながら、「恥をかくことは前進につながる」ことと信じ肝に命じたとき、ペンが少しずつ軽くなってくるような気がした。書きながら、消しながら、漠然としていた「何か」が浄化され、おぼろげながらも輪郭が見えてきた手応えと、温かくて厳しい眼差しに支えられているという実感は嬉しい。誌を創るプロセスに充実感がある。
個性的な香りの漂う川柳誌が次々と誕生している。個々の匂いを楽しみたい。「泥」は泥臭く・・・。(容子)
◎平成15年の幕開けを待っていたかのように、新しい風が吹いた。青森から「双眸」、岡山から「バックストローク」の創刊である。両誌共通の際立った特色のひとつに、選者評のスペースが十二分に確保されていることがある。選者の作品に対する真摯な姿勢が続くかぎり、そこからいい作家が育つであろう。
待望久しい曲線立歩氏の句集「目ん玉」が、上梓された。労を惜しまない辻晩穂氏のひたむきさに拍手したい。定金冬二句集を出した倉本朝世氏にも同じく。(さとし)
◎啓蟄・・・(陽暦の三月五日前後、冬ごもりの虫)
外界を脾睨しながら、そろりそろりと這い出す虫にも似て、『泥』もいよいよ折り返し点にきた。今号、四つの題とがっぷり組んだ、川柳、ア・ラ・カ・ル・ト。
心の奥にもやもやしている得体の知れないものを、素手で引っ張りだすのは、文の上手、下手とは関係なしに一種の快感が・・・。それも、温かくて厳しい読者の目があればこそ。そのエールに押されながら、這い出した虫。シャワー全開にしてなにかを待つ・・・春。(テイ子)