現代川柳『泥』第三号作品より
(前節)
川柳の解釈・鑑賞・批評のポジションは二つある。
①裸の作品のみを対象にする場合。
イ、句会の選のときは、作者の作句状況もわからないので、作品も十七文字(音)
のみが手がかり。読者、選者の想像力、論理力のみが頼りとなる。
ロ、遊(ゆう)誌に「一句解釈」の場は、作者名を伏せて、作品のみを対象にする ので、句会の選の場と同じ。
②作品以外の情報がある場合
イ、川柳マガジン誌。5、6人の柳人による一作品の作品鑑賞。これは、作者名が事前に 明らかにされている。
ということは、鑑賞者はありとあらゆる作者情報を調べた上で鑑賞に臨む。
この場合は情報が多いほうが有利な鑑賞を出来ることが多い。
ロ、公論・朱雀会での鑑賞例
いくつかの作品のみが提示され、みんなで鑑賞する。
このとき、次の作品が示された。
むらさきは放埓の汗 蘭の汗
参加者は、この句を知っている人と知らない人に分かれた。
一、知らない人の解釈
むらさき、蘭、から女性か高貴な人と解する。放埓は奔放とかやりたい放題と見る。そ こから、情野千里氏の様なエネルギッシュな女性の、演劇や詩のボクシングなどのパフ ォーマンスと考えた。(一例)
二、知っている人の解釈
三柳氏の作品であり、宝井其角のことを詠んでいることまで知っている。ここまで情報があると、其角の人生、人物、性格までに及ぶ細かい鑑賞になる。けれども情報を持たない人は、この句から其角だとは考え及びようがないわけです。
作品・作者情報を知ると知らないでは、鑑賞は全く違ってくる(こともある)ことを理解したい。
ただ、どっちが正しいかという判断は難しい(保留する)。
ケースにより違う鑑賞が成立することを考慮に入れたい。(各論)
続く・・・・。
点滴の海の向こうのいくさの火 不凍
いくさの火僕の点滴で消せますか
(前節)
川柳の解釈・鑑賞・批評のポジションは二つある。
①裸の作品のみを対象にする場合。
イ、句会の選のときは、作者の作句状況もわからないので、作品も十七文字(音)
のみが手がかり。読者、選者の想像力、論理力のみが頼りとなる。
ロ、遊(ゆう)誌に「一句解釈」の場は、作者名を伏せて、作品のみを対象にする ので、句会の選の場と同じ。
②作品以外の情報がある場合
イ、川柳マガジン誌。5、6人の柳人による一作品の作品鑑賞。これは、作者名が事前に 明らかにされている。
ということは、鑑賞者はありとあらゆる作者情報を調べた上で鑑賞に臨む。
この場合は情報が多いほうが有利な鑑賞を出来ることが多い。
ロ、公論・朱雀会での鑑賞例
いくつかの作品のみが提示され、みんなで鑑賞する。
このとき、次の作品が示された。
むらさきは放埓の汗 蘭の汗
参加者は、この句を知っている人と知らない人に分かれた。
一、知らない人の解釈
むらさき、蘭、から女性か高貴な人と解する。放埓は奔放とかやりたい放題と見る。そ こから、情野千里氏の様なエネルギッシュな女性の、演劇や詩のボクシングなどのパフ ォーマンスと考えた。(一例)
二、知っている人の解釈
三柳氏の作品であり、宝井其角のことを詠んでいることまで知っている。ここまで情報があると、其角の人生、人物、性格までに及ぶ細かい鑑賞になる。けれども情報を持たない人は、この句から其角だとは考え及びようがないわけです。
作品・作者情報を知ると知らないでは、鑑賞は全く違ってくる(こともある)ことを理解したい。
ただ、どっちが正しいかという判断は難しい(保留する)。
ケースにより違う鑑賞が成立することを考慮に入れたい。(各論)
続く・・・・。
点滴の海の向こうのいくさの火 不凍
いくさの火僕の点滴で消せますか