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川柳・ボートっていいね!北海道散歩

川柳・政治・時事・エッセイ

ぽあんぽあん・・・青葉テイ子

2007年10月27日 | 川柳
           現代川柳『泥』第4号 青葉テイ子

 ぽあんぽあんと生きる乾いた右脳
     優先順位ふいに崩れた春の訃
       捻じくれた執着があるパンの耳

                         桃を剥く指よ裏切りはなかったか
                     たとえば自虐腐り易きはわが輪廻
                 禁猟区にまぎれ込んだか背が痒い
ふるさとの山へ告げたいことがある
    二匹目の泥魚鰌に飢えた跡がある
       なにを語らんとて喃語をつかうキリン

                一蓮托生朝のしじみと砂を噛む
                   傷痕に沁みる水の重さと水の刑
                         風を待つ性善説もほどほどに
蜘蛛の糸からめ上手な風媒花
   ひとり斬りふたり切り女の午後回る
       バス停でとろんと犬の目を拾う

               不毛な会話ばかりする夕暮れの猫
                   優しそうな眼の中にいた人
                         頑ななバリアのそとで風を待つ
不退転なおとこが下げる頭陀袋
   誰がいようと砂漠はさばく沖の灯よ
       餌を拾うこともなく彷徨う 狂女たり

              これ以上なにをためらう花キャベツ
                   万華鏡くるくる自嘲ほのめかす
                       透き通るまで緑の糸たぐる 獏
枝のたわみから零れる花曼荼羅
   舌の荒野で人語鳥語を切りおとす
          眠れねむれロ嗾しかけている鬼の舌
                    たそがれの曠野に立つ青いカメレオン
風が点火したのは目贖罪か砂あらし
            落日に焦がれてみしても風ばかり


                 嗚呼という切符一枚ノラの掌に  不凍

一枚の切符が語る 嗚呼ノラよ



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