川柳・ボートっていいね!北海道散歩

川柳・政治・時事・エッセイ

現代川柳『泥』四号・・・メリット・・さとし。

2007年10月23日 | 川柳
 発表された作品は、いかなる場合でも、その作者の心が、投影されていてこそのものである。

 深浅、濃淡の違いは、読む人によって大きな差がつくことは言うまでもない。

 知に傾く作品、情に傾く作品、そしてその中間を進む作品、これはひとりひとりのの人間性にも左右されることが、ことのほか大きい。

 文芸の世界、わけても川柳の世界。

 ひとつの作品に、立ち向かった時のリアクションは、千差万別、しかも正解らしきものが、なかなか見当たらないから面白い。

 それを承知で、「泥」は今回、お互いの作品を、厳しく見つめてみようということに。
 いいかげんな妥協はしない。おかしな所はおかしいと、はっきり発言してみようという 試みである。

 三人だからこそのメリットを、最大限に活用しようということである。

 さて三人、思うがままに心を吐き出させたかどうか、是非ご意見を!


 
         「凍裂」より    生きるも才死ぬも才の比岸劇場   不凍

   生や死や劇場の裏に主人公







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思考の森の探査・・『泥』三号

2007年10月23日 | 川柳
             現代川柳『泥』三号「思考の森の探査」

「森には、いろいろな樹があるでしょう・・いろいろな樹があるからこそ、森を形成して いるということでしょう。川柳もいろいろな考えがあって、川柳なのですよ。」

       これは池さとし氏の最近の談話の一部であります。

 第三号の『泥樹』は、三者三様の「思考の森の探査」にも似て、4つのテーマに川柳の進むべく道を見出しております。

①「今を生きる自分になぜ川柳か」・・4つのテーマの中では、案外一番難しいテーマではなかったのでしょうか?

 それは、道大会のご講演で「川柳マガジン」の方が、「日本の川柳大家の方々に、なぜ?川柳をやっているのですか?の問いに・・はっきりとした答えを下さった方がいないのです・・。」の言葉からも解るように、一言では言い尽くせないのが川柳なのだろうと・・客観的には理解ができます。

     さとし氏の「カタルシス」 
              テイ子氏の「精神の均衡を保ってきた」

 の答えの2点は、今後の現代社会に必要不可欠な、「精神衛生」の分野に「川柳」が大きくクローズアップされていく時代がすぐそこまで来ている、否、もう到来していると・・・私は、時代認識をしています。そして、「脳」の細胞を、情緒良く鍛えることは、長生きの秘訣であるという実態も川柳人にとっては、半ば常識になっていると言って良いのでしょう。

②どのような作品に感動するか・・・

       さとし氏が選んだ句は、殆どが柳友の句です。

 さとし氏の他者への配慮を怠らない、深い優しさから身近な柳友・・いつも切磋琢磨している良きライバルへ花束を・・・。・・なのでしょう・・と、思う。

     鶴彬の句を最後に止めてあるのは、川柳家の真骨頂ですね。

 容子氏は、「不凍」氏オンリー!で綴られておりますが、力量のある川柳家(随筆家でもある)だからこそ「不凍氏」を書き得たと感じています。容子氏が描く不凍氏の句の鑑賞がこれで絶筆になってしまったのが、悔しいかぎりです。美しい雪がしとしとと舞うようなリズムで逸る思いをかみ殺しながらの真摯な心の綾は、唸るばかりです。

 テイ子氏は「情の人」選んだ作家も、情念句の前田芙巳代、男の背中が優しくて強い川柳の鬼・・定金冬二氏。日本の選者の大御所大木俊秀氏でありました。

③川柳をつくるときどんなことにエネルギーを注いでいるか・・・川柳を創る上で、作者の姿勢、もしくは余り聞くこともない川柳の秘すれば花・・の奥義なのかも知れません。三氏の「風姿花伝」と、書き加えたいものです。

④大会・句会での課題については「提言」と認識して、良いのでしょう。
 三氏とも、言語には記されてはおりませんが、「後進者にも道を」「初心者にもチャン スを」と心の底に在ればこその、「課題肯定」のご発言なのだと察しております。
                                   以上

 <不凍氏コーナー>
 今まで、不凍氏の論評とかを、どこかの柳誌で読んではいても、「矍鑠(かくしゃく)、凛々しい、男の中の男、切り口絶妙、頭脳明晰・・エトセトラ」で、文体はいつも、健康体そのもの・・・。

18年10月号の不凍氏「道産子」作品評の一文。

「自己戯画化は精神的余裕の所産である。」私は、魚になったり、風になったり、波になったり自己戯画化が好きなのですが・・先輩から、「又、自分が消えたよ!」といつも、温かいアドバイスをいただいておりますが・・この一文で大いに!自己戯画化に専念する勇気を得ました・・ありがとうございます!不凍様。

             
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