後ひと月弱で、75回目の、終戦の日がやって来る。
70年の区切りとして、5年前に、幼かった、昭和の戦争の語り部の記憶を、まとめてシリーズでアップ
した。
忘れてはならない、あの忌まわしい記憶を、後世に伝えるべく、またここで、アップして置きたい。
昭和の戦争の語り部の一人としての使命だと思っている。
mcnjの住んでいた所は、松本市の旧市内のはずれであった。
その先は、今では松本市になってはいるが、その当時は、田畑が広がっている村であった。
松本の人間は、在と呼んでいたが、在から街に買い物に来るなどと言って、多少の、優越感をもっていたようである。
小学校1年生のmcnjには、在が何を意味するのか、知る由もなかった。
兄たちが、あいつらは、ザイッポだからな、などと言っているのを聞いて、街の人間とは、多少違うのかなと言うくらいの意識しか無かった。
mcnjのいたすぐ近くに、金山町と言う町があった。
すぐ隣町で、小学校区も一緒であった。
同じ町内の様なもので、学校でも、家でも、良く、子供同志で遊んだものであった。
町の名前から、すぐに察しが着くと思われるが、朝鮮人の多く住む所であった。
当時は、日本全国にあった、朝鮮人町の一つに過ぎなかったのであろう。
彼らが、なぜ、そこにいたのか、どのようにして、生計を立てていたのかなどは知らなかったし、知る由もなかった。
彼らが、強制連行されたのか、日本の新天地にあこがれて来たのかを、議論するつもりはない。
タイトルにある通り、ここに記されるものは、小学1年生の見聞きした幼い記憶だけである。
幼い記憶ではあるが、出来るだけ忠実に思い起こして書き残しておきたいと思う。
戦中戦後を経験した、今では数少ない語り部の一人として、義務の様なものを感じている。
小学1年生の見聞ではあるが、戦中戦後の真実を知る者の目から見れば、戦争に関して、喧々諤々と議論している、今の政治家達は、嘴の黄色いひよこか、鼻垂れ小僧くらいにしか見えない。
そんな鼻たれ小僧に、この国の未来を託して、いいものかと言う思いが、mcnjにはある。
朝鮮人の女たちは、気が強い。
女だけではなかったが。
国民性と言うものもあったかもしれないが、異国の地に来て、目いっぱい生きて行かなければならない面もあったのであろう。
朝鮮人の女同志で、良く喧嘩をしている所を見かけた。
殴り合いはしなかったが、取っ組み合って、髪の毛を束で掴んで引きずり回すようなことは、当たり前であった。
片方は、髪の毛を引き抜かれて、頭から血を流していた。
mcnjは、母の陰に隠れて、遠くから眺めているだけであったが、怖いものだと思っていた記憶がある。
夜になると、灯火管制で、町は暗闇に包まれるが、突然大声が聞こえて来た。
ポクウ~、ポクウ~、
ハヤクコ~!
チヌデ コ~!
夫婦喧嘩か、近所の日本人との軋轢でもあったのであろうか。
mcnjは、暗闇の布団にもぐって、震えていた。
ボクが、僕なのか、朴だったのかはわからない。
当時の朝鮮人は、皆、日本名を名乗らされていたから、たぶん、自分たちの本名の朴だったのかもしれない。
兄達は、朝鮮人の学友をからかうときに、良く言っていた。
朝鮮人の母親が、わが子を庇うときに、兄達をしかりつけて言った言葉である。
チョウセンジン、チョウセンジント、パカニスルナ。
オナジ メシクテ トコチガウ。
ウソタト オモタラ ベントパコ ミロ、ベントパコ。
mcnjは、この家の子供と、中学卒業まで一緒であった。
遊ぶ時も、学ぶ時も、仲の良い友達であった。
彼が、今どうしているか、気にはなっているが、知らない。
mcnjと同じように、どこかで、戦後70年の出来事を、思い出していてくれるなら、ありがたいことであるが。
ここで、誤解の無いように、一言付け加えておきたい。
本稿で、mcnjは、朝鮮人と言う言葉を、差別的に使った意識は、毛頭ない。
mcnjは、日本の化学会社に勤務した後、定年の3年前に、韓国の化学会社に出向となり、そのまま定年退職した。
退職後、そのまま、韓国の友人m,cの二人と、mcnjの3人でソウルに会社を興した。
mcnは、3人の頭文字である。
これに、japanのjを付けてHNとしている。
韓国では、m,cの他にも、たくさんの友人と付き合っている。
朝鮮と言う国名の起源であるが、秦漢以前にさかのぼり、朝が鮮やかな国と言う意味で、中国に対抗して付けられた名誉ある国名である。
のちに、李王朝の時の朝鮮と区別するため、古代朝鮮を古朝鮮と呼んで区別する。
韓国では、朝鮮と言う言葉は、忌み嫌われる。
これは、北朝鮮が、朝鮮を名乗っている面もあるが、mcnjが、ソウルの友人に、
どうしてお前達は、朝鮮と言う由緒ある言葉を嫌うのかと質問した時、このような返事が返って来た。
李氏朝鮮が、日本によって受けた屈辱を考えると、朝鮮と言う言葉は聞くに耐えられない。
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