言葉のクロッキー

本とかテレビその他メディアから、
グッと感じた言葉・一文などを残してゆきたい。
その他勝手な思いを日記代わりに。

老いと豊さ

2007-06-13 | 語録
いつの間にか
骸骨ふうの顔立ちになっている。
以前のぼくは
それなりに頬っぺたに肉もあったが、
あれは嘘なのか。
どっちが本当の僕なんだ。
亡くなったカミさんが見たら、
こんな爺さんと笑うだろう。
しかし、
実のところこの面付きになるのを、
ぼくは今まで待っていたのかもしれない。
こうなってからが僕の人生なんだ、
そういう気がする。
世の中の人が、
こんな爺さんなんかはと、
放り出されたところから、
人間は出発すると、ようやく気付いた。
   「アトリエ日記」野見山暁治