逢春と非水の素描を出版物で観た。両方とも主な内容は自然の花々がモチーフとなっているのだけれど、印象に大きな違いはない。両者の線の引き方、彩りのしかた、とても似ている。非水の作品は版画が主体となっているので、線が細部にわたってすっきりと描かれているが、逢春のはスケッチそのものであって、かすれていたり、幼稚にみえたり、見事にスッとひけているのもあり、デッサンするうえでとても参考になった。ボタニカルアートほど克明な描き方ではないが、やさしく美しくどこか儚く感じるのはやはり日本画というものなのだろうか。
「山口逢春素描集」:山口逢春記念館発行
「非水百花譜」:ランダムハウス講談社発行
「山口逢春素描集」:山口逢春記念館発行
「非水百花譜」:ランダムハウス講談社発行