言葉のクロッキー

本とかテレビその他メディアから、
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その他勝手な思いを日記代わりに。

一期一会の能

2013-12-24 | 能・芸能
(NHKの収録番組)
日:2013年11月21日  場所:京都 西本願寺 北能舞台
演 目

●仕舞  『 砧 』   シテ: 片山 幽雪   地謡:片山九郎右衛門 浦田保親 味方玄 分林道冶

● 能  『清 経』   シテ: 友枝 昭世   ツレ:狩野了一   ワキ:宝生 閑
                
               囃子方  笛:一噌仙幸  小鼓:曽和博朗  大鼓:亀井忠雄
                地謡  香川靖嗣 粟谷能夫 出雲康雅 粟谷明夫 長島茂 友枝雄人 内田成信 金子敬一郎

演じられた能舞台は京都本願寺の北能舞台。解説によれば1581年に造られた建物で国宝の指定を受けており、めったに使用しない舞台だそうだ。今回は16年ぶりに行われたとのこと。なんでか知らない。日中の野外での舞台演能はあまり観たこともないけどテレビを通して感じたのは、清々しさと静けさとユッタリとした時間感覚だ。また天候にも恵まれすばらしい環境で能を演じられたのではないかと思う。演じた方がたは名人ばかり。このような放送自体めったにないと思う。幽雪師の舞。とっても存在感があった。シャキッとしてて全然年齢を感じなかった。「清経」もよかった。宝生閑師の謡には華やかさというより枯れて淡々と宇宙に向かって謡い上げてるという風で良かった。笛も良かった。優しさみたいなものが音にあってシテも地謡もしみじみと演じてたように思う。昭世師の謡良かった。特に「聖人に夢なし。誰あって現とみる。眼裡に塵有って三界窄く。心頭無事にして一床寛し。げにや憂しと見し世も夢。辛しと思うも幻の。何れ跡ある雲水の。往くも帰るも閻浮の故郷に辿る心のはかなさよ。うたたねに恋いしき人を見てしより夢ちょうものは頼みそめてき。」