1月11日(日) 午後1時~4時半 矢来能楽堂
番組
● 能『老松』 100分
シテ:弘田裕一 ツレ:駒瀬直也 ワキ:殿田謙吉 ワキツレ:宝生欣哉 大日方寛
後見:佐久間二郎 遠藤和久 間:善竹大二郎
太鼓:國川純 大鼓:大川典良 小鼓:曽和正博 笛:松田弘之
地謡:鈴木啓吾 小島英明 桑田貴志 池上彰悟 中所宜夫 永島忠侈 観世喜正 奥川恒治
● 狂言『鬼瓦』
シテ:善竹十郎 アド:善竹大二郎
● 仕舞
『田村』 : 長山禮三郎 『草紙洗小町』 : 五木田三郎 『弱法師』 : 永島忠侈
● 能『合浦』 (一拍子之伝) 30分
シテ:観世喜之 ワキ:宝生閑 間:善竹十郎 後見:観世喜正 中森健之介
太鼓:観世元伯 大鼓:亀井忠雄 小鼓:幸正昭 笛:一噌仙幸
地謡:永島充 佐久間二郎 長山耕三 坂真太郎 中森貫太 長山禮三郎 五木田三郎 遠藤喜久
中堅の能楽師達が主の「老松」、そして大ベテラン中心の「合浦」。めでたい時によく演じられる「老松」は華やかで、神々しい感じのする演目と思ったけれど、今回は少し地味で長くて大曲なんだという印象がした。一寸疲れてきたなと思ってから、年古びた松の精が演じる真ノ序の舞となる。これだけで30分近い。座ってるのも辛くなる。ワキツレなど殆ど片膝立ちでいるのだからもっと辛いに違いない。
仕舞「弱法師」は雰囲気があって良かった。
合浦(かっぽ)。中国最南端にあるという地名。そこで釣り上げた珍しい魚を買い取り、海に放してやったら、その魚の精が小雨降る夜に現れ、助けてくれた礼をする。鮫人という名の魚。その涙からなる宝珠。寿命長遠、息災延命、大願成就がなせるというその珠を授ける。曲としては短い。観世家の跡継ぎが初シテを演ずるときに演るそうだ。舞台は能楽師二人、間の狂言師二人で演じる。喜之師80歳、閑紙81歳。閑師は未だ体調万全という風でなく、ちょっと痛々しい。なかで狂言の十郎師の元気さが目立った。