つれづれ写真ノート

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冬の東京散歩 Part 5 (東京都庭園美術館)

2015年12月20日 | 風景・建物

山手線目黒駅から歩いて少しのところにある東京都庭園美術館。昔から行ってみたいと思っていたところです。

昭和8年(1933年)に旧朝香宮邸として建てられた建物は、それ自体が"アール・デコの美術品"といわれる貴重なもの。

戦後、首相公邸や迎賓館として使われた後、昭和58年(1983年)に東京都庭園美術館として開館。 平成5年(1993年)には東京都指定有形文化財に指定されています。

3年におよぶ大規模な改修工事を経て、昨年(2014年)11月にリニューアルオープンしたばかり。ちょうどいいタイミングでした。

 

東京・白金台の広大な庭園の中にある東京都庭園美術館

 

冬のモミジが彩りを添えていました。

 

「オット―・クンツリ展」(10月10日~12月27日)が開かれていました。入館料は一般1000円。

スイス生まれのコンテンポラリー・ジュエリー作家、オット―・クンツリ氏の国際巡回展。(ポスターの女性は舞踏家の石井かほるさんで、オット―・クンツリ氏ではありません…)

 

玄関を入ったところ。

レトロな雰囲気ですね。

 

ところで、この美術館は催し物によって、撮影OKだったり不可だったりします。今回の「オット―・クンツリ展」では一部の部屋で撮影が可能だったので、その場所に限って撮りました。

カメラはキヤノン6D、レンズはEF24-105mm F4L IS USMを使用(ポピュラーな標準レンズですが、歪曲が目立つため本当は建物撮影には不向き。RAW現像後、フォトショップの「レンズ補正」で歪曲を直しています)。

 

玄関正面にある、フランスの工芸家、ルネ・ラリックが朝香宮邸のためにデザインしたガラスレリーフ。

 ← クリックすると拡大画像になります。

色々な美術図鑑にも載っているアール・デコ様式の代表的作品。とても貴重な美術品だと思います。

これを見るためにやってきたようなもの。しばらく、いろいろな角度から撮らせてもらいました。

 

若々しい女性の立像。横から見ると、ぐっと胸を突き出し体を反らせたポーズが特徴的。

 

仏像の光背のような翼のデザイン、きりりとした立像を強調する裾模様と繊細な縁取り。80年以上経ってもくっきりと美しい。まさに、この美術館の“至宝”では…

 ← クリックすると拡大画像になります。

 

もとの朝香宮邸では、このガラス扉を開けて来客を「大広間」に迎えていました(今は保護のため開閉不可)。

 

「大広間」と、有名な香水塔がある隣の「次室」は撮影不可でした(残念!)。

そのかわりに「大客室」へ。

 

「大客室」。

 

手前の丸いテーブルは何?

オット―・クンツリ氏の作品の一つ「ビッグ・ファミリー」。

 

テーブルの縁にはくぼみがあり、観客が持ってきた“パール”(何かの飾り物)を置いていくと、世界にひとつだけの“パール・ネックレス“が完成するしくみ。

色々なものが置かれていました。

 

「大客室」は南側に面し、テラス越しに庭園が見えます。

旧浅香宮邸のなかでも、この「大客室」と次の「大食堂」に、最もアールデコの美が集められているそうです。

 

ルネ・ラリック作のシャンデリア。

 

エッチング・ガラスをはめ込んだ扉。

幾何学的にデザインされた花が主なモチーフ。

 

唐草文様のような曲線が目立つアール・ヌーボーとは対照的に、アール・デコは直線的、幾何学的。

個人的にはアール・ヌーボーの方が好きだったのですが、最近はアール・デコも面白く…

現代建築が失ってしまった装飾性が豊かです。

 

どっしりとした暖炉。下のカバー(レジスター)にも装飾がこらされています。

 

こちらは隣にある「大食堂」。来客時の会食に使用されました。

 

円形に張り出した明るい窓辺がいい感じ。

 

ルネ・ラリック作の照明器具「パイナップルとザクロ」。

 

窓辺と反対側に暖炉があります。

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暖炉の上の壁画はアンリ・ラパン作。赤いパーゴラ(つる棚)と泉、果物などが油彩で描かれています。

 

朝香宮家の日常の食事に使われた「小食堂」。

ここには和風の要素も。右側の床の間に置かれている赤と白のオブジェは、オット―・クンツリ氏の作品「月と日」。

 

小食堂前の廊下からテラスを見たところ。

 

紳士の食後の社交の場、「喫煙室」。

最初は格天井に床の間もある和風の内装だったそうですが、その後、洋風に改装。

 

 喫煙室にちなんで?展示されているオット―・クンツリ氏の作品「マンハッタン・ピース 喫煙のためのジュエリー」。

蚊取り線香みたい。どうやって使うのか、分かりません。

まあ、それがアートというもので…

 

 ムードのある廊下。

 

重厚な階段。

ここから2階へ上がってみました。

 

2階の「姫宮居間」。

丸い鏡が女性の部屋らしい感じです。

 

床に散らばる丸いものが、もしかしてオット―・クンツリ氏の“作品”?

説明には「チェンジ ペンダント」とありました。

 

「妃殿下寝室」から見たベランダ。

夫妻専用のベランダで、黒と白の大理石が市松模様に敷かれています。

 

「北側ベランダ(北の間)」。

夏の間、家族団らんの場として使われていたそうです。

 

2階で見かけた面白い星型の照明。

 

金庫がありました。

中に入っていたのは、オット―・クンツリ氏の作品「スイス・ゴールド」(ブローチ)、「ドイツ・マルク」(ネックレス=ドイツマルク硬貨200枚)。

一種のパロディーですか…

 

2階から見た庭園。

 

次に、昨年のリニューアルオープンと同時に誕生した新館に行ってみました。

カフェとミュージアムショップを併設した新館。

 

新館の展示はすべて撮影OJKでした。

“ジュエリーによる前衛的アート” 、オット―・クンツリ氏の作品をご紹介します。

「証明写真」。

 

作品名不明(メモるのを忘れました)。

 

「神は与えたもう」。

 

「十字架・星・ハート」。

 

「ともだち」「わすれな草」。

 

「ハート」。

ポスターにあったハートのブローチですね。

 

「オー・ソレ・ミオ」。

 

いずれもペンダント。「オーストラリアの土地」「デルフト・ブルー」「永遠の赤」「日本の黒」という作品名が付いていました。

 

「オーストラリア日記」。

 

「赤い星 ベオグラード」。

 

「ミッキーマウスの断片」。

 

「神々の黄金の糞」。

なんというタイトルか!

 

これがオット―・クンツリ氏。

 

ショップではクンツリ氏のジュエリーを販売していました。

 

 

 

ありきたりな装身具にはない面白さがあるけど、やはり、それなりのお値段ですね。

 

ニューヨークのMoMA美術館のグッズも並んでいました。

 

これで、冬の東京散歩は終りです。

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撮影カメラ・レンズ

   キヤノン EOS 6D

    EF24-105mm F4L IS USM



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