ニコンが、DXフォーマット(APS-Cサイズ)の一眼レフ「D7200」を発表しました。発売は3月19日。ニコンダイレクトでのボディ単体価格は148,500 円(税込)。(ニコンの発表ページ)(D7200の製品ページ)
ニコン「D7200」(ニコンの発表ページより)
2年前に発売された「D7100」の後継で、いまのところニコンのDXフォーマット機としては最上位モデル。ローパスフィルターレス、2416万画素。
以前から噂が出ており、注目の機種です。
◆懸案のバッファー容量が拡大
これまでの「D7100」から、どう進化したのか簡略的に比較してみると、
・FXフォーマット機「D750」譲りの高性能AFセンサー(アドバンストマルチCAM3500II)を搭載。中央1点は-3EVでもAFが可能。
・高速画像処理エンジン「EXPEED 4」の採用と内蔵バッファーメモリーの容量拡大で、連写時の撮影可能コマ数が増えた。(特に、14ビットロスレス圧縮RAWの連続撮影可能コマ数が、DXで18コマ、1.3×クロップで29コマに増大)
・「EXPEED 4」によって、常用最高感度がISO 25600まで向上。
・Wi-Fi機能を内蔵。
こんなところではないかと思います。
暗所でのAF性能が上がったのは大きいですね。しかし、それよりバッファーの容量拡大が重要。
というのは、バッファー容量の少なさが「D7100」のウイークポイントでしたから。
RAWで連写すると、連続撮影できるコマ数が極端に低下。14ビットロスレス圧縮RAWでの連続撮影可能コマ数は、わずか6コマ(DXのまま、クロップしない場合)。連写性能が5コマ/秒ですから、1秒ちょっとしか連写できないことになります。
発表時に「D7100」を触った時も(2013年3月17日記事)、気になりました。
「D7100」といえば、雑誌「カメラマン」(2014年9月号)の記事「デジタル一眼“あるある”大予想」でこんなくだりがあり、ニコンユーザーでなくても、ショックを受けた記憶があります。(対談メンバーは落合憲弘、河田一規、豊田慶記、山田久美夫の各氏)
山田:D7200は(新製品として)あるかも。D7100はエンジンがひと世代前のやつだからね。
豊田:EXPEED 3ですね。
山田:じゃあEXPEED 4を載せてD7200にするか。
落合:連続撮影可能枚数くらい増やしておかないと怒られちゃいますよ。
豊田:14ビットRAWでも変わらず撮影できなきゃ怒られちゃいます。
落合:歪み補正入れても変わらず撮影できなきゃ怒られちゃいます。
豊田:その程度だったらD7110にしたほうがいいんじゃないですか?
河田:D7110(笑)?
落合:それ、メーカーの誠意を感じます。
山田:どんどん刻むなあ。
河田:でも、それだけでもD7100は良くなりますよね。
落合:D7100はちょっと出すのが早過ぎたんですよ。
河田:ニコンはEXPEED 3 と4 ではかなり違いますよね。
「D7100」のユーザーもいることだし、いまさら弱点を取り上げてもしようがないのですが、プロの間でも評価が今一つだったことがうかがえます。
さて 「D7200」は、この雑誌対談者の希望通り、EXPEED 4 を搭載、バッファー容量の大幅拡大によって14ビットロスレス圧縮RAWでの連続撮影可能コマ数も増えました。さらにAF性能・ISO感度もアップ、Wi-Fi内蔵やNFCにも対応して堅実かつ魅力ある新製品に仕上がってきました。
価格もまずまず。発売時期も早いです。また実際に触ってみたいと思います。
それにしても、ニコンは製品ページのキャッチコピーで『約6コマ/秒で止まらずに100コマまで撮り続ける余裕のバッファー容量』と…
JPEGでの話ですが、やはりバッファーの弱みは意識していたと見えます。
正直なメーカーですね。
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