奈良市・率川(いさがわ)神社の「ゆりまつり」を見てきました。
毎年6月17日に行われる同神社の例祭で、正式には「三枝祭(さいくさのまつり)」。
岡部伊都子さんの随筆で、初夏の奈良を彩る、この涼しげな祭りがあることを知ったのは30年以上前。以来、機会があれば見てみたいものだと思っていました。
三島由紀夫の小説「奔馬」にも書かれ(まだ読んでませんが…)、全国的にも知られています。
推古元年(593年)創建と伝えられる、奈良市では最古の率川神社。
三棟の本殿があり、御祭神の「媛蹈韛五十鈴姫命(ひめたたらいすずひめのみこと)=神武天皇の皇后」を中央に、左には父の「狭井大神(さいのおおかみ)」、右には母の「玉櫛姫命(たまくしひめのみこと)」が祀られています。
率川神社は、奈良・桜井市の三輪山を御神体とする大神(おおみわ)神社の摂社。
その三輪山の麓、狭井川のほとりに御祭神が住み、付近には笹ユリが咲き誇っていたと伝えられるところから、酒樽を笹ユリで飾る「三枝祭=ゆりまつり」が行われるようになったとのこと。
提灯にも笹ユリの絵が。
午前10時半から神事が始まり、笹ユリで飾られた酒樽や神饌(しんせん)が本殿前に供えられます。
たくさんの笹ユリは、前日に三輪山から運ばれたもの。
ユリのかぐわしい香りが辺りに満ちていました。
宮司の祝詞などのあと、雅楽が奏される中、4人の巫女が笹ユリを手に「うま酒みわ(三輪)の舞」を華麗に舞います。
写真的にも一番のハイライトなのですが、下のような写真は塀に囲まれた本殿右手の報道席からしか撮ることが出来ません。なので、やむを得ず同神社のホームページから引用させてもらうことに…
「うま酒みわの舞」(率川神社のページより)。
観客席から見るとこんな感じです(正面が本殿)。
観客席の前の方には200人以上の神社関係者や招待者。一般の参拝者は最後方から見ることになります。
見えにくい位置の観客席にはテレビ画面が設けられ、神事の模様を映していました。
というわけで、アマチュアの写真愛好家には大変撮りにくい神事だということが、来てはじめて判明。
ただ、そこは望遠レンズとトリミングを駆使、それなりのカットにはなりましたが。
巫女が手にする清楚な笹ユリ。
すがすがしく、本当に美しい舞でした。
神事のあと、参拝者にお披露目された神饌と2つの酒樽。
神饌。
神饌の説明(配置は神様から見て)。
笹ユリで飾られた2つの酒樽は台の形や、中身のお酒の種類が異なっています。
向かって右側の、脚つきの曲桶「罇(そん)」。中身は濁り酒の「黒酒(くろき)」。
左側は、台付きの壺「缶(ほとぎ)」。中身は清酒「白酒(しろき)」。
境内では、巫女さんが参拝者に御神酒を振る舞っていました。
私も並んで御神酒を頂きました。
酒器を飾る笹ユリ。何と涼しく美しいこと…
お酒は濁り酒でした。「黒酒(くろき)」ですね。
ユリの絵馬がありました。ほかに、縁結びの「恋文みくじ」や安産・子育てのお守りも。
午後1時過ぎからは七媛女(ななおとめ)・ゆり姫・稚児行列が市内を巡幸。
稚児行列に参加する子どもたちとお母さん(行列前の安全祈願祭で)。
行列の出発。ユリの花車を引く子どもたち。
近鉄奈良駅近くの繁華街を歩く七媛女。首にかけているのは勾玉。
こちらは「ゆり姫」。
前日はかなりの雨で心配しましたが、例祭の17日はお天気になり幸いでした。
ところで、笹ユリは今では希少な花になっています。笹ユリを育てる住民の協力がなければ、この祭りも続けられないでしょう。
その活動について書かれた次のブログ(産経新聞の記事の紹介)を見つけましたので、御参考に…
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撮影カメラ・レンズ
キヤノンEOS 6D
EF70-300mm F4-5.6L IS USM
EF24-105mm F4L IS USM
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